『坂の途中の家』
前回あげた、この本がやばくて!
「私ってダメな母親すぎる…」
と思ったことのある人に、読んでほしいような、読むとよけいしんどくなるような…
主人公ぜんぜん好きじゃないし、
読んでて明るい気持ちになれる本じゃないのだけど、
なぜか一気読みしてしまいました。
一言でいうと、
「角田さん、すごいな…」
です。
調べた範囲では、角田さん、お子さんいらっしゃらないような感じなんですが。
なんかリアルなんですよ、イヤイヤ期の子どもの様子とか、パパとのやりとりとか。
もう一度言うと、主人公のりさこ、ほんとに好きになれないです。
歪みすぎでしょ、その考え方。と思ってしまう。
でも、
思えば長男が0歳のときは特に
私も夫の一言一言をかなり歪曲して捉えて勝手に苦しんでいたことがあったし、
母乳神話に踊らされて、毎日おっぱいのことばかり考えてた時期もあったし…
育児中にパニクっている母親の姿は、本当にリアルに書いていると思います。
で、りさこが、被告の水穂に感情移入してしまって、
「私はおかしくなってしまったのか、私は水穂とちがう」
みたいに混乱するのだけど
それに加えて、読者がりさこや水穂に感情移入して
「え、私はこんなひどい母親じゃないのに、なんで理解できちゃうんだろう」
ってなってしまうところが、複層的なサスペンスなのかなと思いました。
私の場合は、次男が2歳なので、りさこの娘のイヤイヤ期言動のあたり、すごく共感できてしまって、
「うわ、りさこ、めっちゃひどいのに、なんかわかるー、って思ってしまう私、おかしいの?」
ってなりました。
客観的に考えると、
長男が0歳のとき、どうしてあんなことで悩んでたんだろうって思うし
2歳のイヤイヤ期は、成長の証拠だから、イライラしちゃだめー
って思う。
でも余裕がなくなって、頭に血がのぼると
また子どもたちをキツく叱ってしまう。
いつかこの時期のことを、懐かしく思い出して、
「私も頑張ってたなー」って笑えるだろうから
それまで、少しでも多くの協力者、理解者をつくって
小さいことでも助けてもらったり、相談させてもらったりしながら
日々進んでいけたらいいなぁ。
うまくまとまらないけど、
私は、読んで良かったです(^^)
数年前にドラマにもなったらしいので、そちらを見てみるのもよいかも。
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