見出し画像

家族にHSPがいたらどうしたら良い?

今回は身近にHSPの方がいる人に向けた投稿です。
「私繊細なんです」と言われても、非繊細の私はどうすれば???とお考えの方はぜひご覧ください。

過去の投稿に関するコメントで、こんなご質問をいただきました。

猫まるまるさん、ご質問いただきありがとうございます。
娘さんがHSPという事で、心配なことも多いのではないかと思います。
結論から申し上げますと、娘さん自身がストレス対処法を実践したら、少しずつ生きやすくなります。後、言葉かけですが、一番は聞き役に徹することだと思います。それから、アサーションというコミュニケーション方法をおすすめします。後ほどアサーションについて詳しくお話します。

猫まるまるさんの他にも、「妹がHSPなんです」「彼女がHSPなんです」と、身近にHSPがいて、どう対応すれば良いかを悩んでいる方からよくコメントをいただくので、今回はHSPの人とのコミュニケーション方法をご紹介していきます。

始めに自己紹介をさせていただきます。
私は精神科で勤務をして6年目の作業療法士です。
HSS型のHSPという性格の特徴を持っています。
質問者さんが仰る通り、HSPは生まれ待った特性ですので、治すことはできません。ですが自分自身で環境を調整したり、ストレス対処法を身に着けることによって、疲れやすさ・生きにくさを緩和させることができます。

この投稿もYouTubeとスタンドFMで投稿していますので、よろしければ目を休めて音声でお楽しみください。


HSPって何?

まずはHSPについて詳しくお話していきます。

Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の略で、人一倍繊細な気質をもって生まれた人という意味です。5人に1人はHSPだと言われています。

病気ではなく、性格の特徴のことを言います。こうした気質を持つ人は職場や家庭など生活の中で気疲れしやすく、生きづらいと感じる方が多いです。

強調してお伝えしたいのは、HSPは病気ではないということです。

非繊細さんからしたら、病気じゃないのに、なんで自分たちのことをカテゴライズしてるの?と思われるかもしれません。「そんなん、自分たちで殻に入っとるけん生きにくいんやろ」と思うかもしれません。

確かに、自分自身で殻に入ってしまうと生きにくいのですが、少なくともこの動画の再生ボタンを押した人は、「生きにくいけど、どうにか殻を破って外に出たい」「どうにか自分が生きやすくなるようにしたい」と前向きな人たちなので、どうか見守ってください。

HSPという概念が出てくるまでは「ガラスのハート」という言葉だけで片づけられていました。「ガラスのハート 対処法」と検索してもぼんやりとした解決策しか出てきません。ですが「HSP 対処法」と検索すると沢山のことが出てきます。HSPが世に出てきたということは、自分が生きやすくなるための対処法を検索できるようになったという素晴らしい出来事なんです。


HSPの人にはこのような特徴があります↓

・想像力が豊か
・察する能力が高い
・人に影響されやすい
・共感能力が高い
・怒っている人を見ると、「なんかしたかな?」と気になる
・映画や本などの登場人物に感情移入し、号泣する
・人といると楽しいが、家に着くとぐったりしている
・人の些細な言葉に傷つき、いつまでも忘れられない

繊細過ぎるゆえに対人関係でもストレスを感じやすく、自己肯定感が低い人が多いです。他人に言われたことがずっと頭から離れなくなる人もいます。

また、5感が鋭いという特徴もあります。

・冷蔵庫の機械音や時計の音が気になるほど聴覚が敏感
・強い光や日光のまぶしさなどが苦手
・人の口臭やタバコの臭いで気分が悪くなる
・カフェインや添加物に敏感に反応してしまう
・肌着のタグなどチクチクする素材が我慢できない

このような特徴があるため、疲れやすいです。生まれ持った性格の特徴ですので、治すことはできません。生きにくいと感じる人も多く、自己肯定感が低くなり、ストレスを溜め込みやすいので、うつ病との関係性もあります。

自分たち自身が繊細過ぎる個性を厄介だと感じてしまっているため、HSPに対してマイナスなイメージを持っている方も多いなぁと感じています。しかし、この個性は長所として活かすことができます。

長所なのに、どうして生きにくい思いをしているのか。
HSPの人は自己肯定感が低い人が多く、また、情報の処理が深く進むので、人から言われたことを忘れにくいです。気持ちの切り替えが苦手な人も沢山います。その結果ストレスに対して脆く、生きにくい思いをしています。

部分的にでも誰かに注意をされたり、否定されたりすると人格否定されたような気持ちになる人がいます。なにか部分的に注意されただけなのに、自分の全人格を否定された気持ちになります。


HSPの人の脳内で何が起きているか

HSPの人は自分の気持ちを言えない人が多いです。

HSPの人は沢山の刺激を受け取っていて、どれから対処すれば良いか分からない状態になっている人が多いです。

例えば、(ごちゃごちゃした画面を見せる)

はい

今の画面の中で、アイスクリームはどこにありましたか?

刺激が沢山あると、必要なことの取捨選択ができなくなります。
HSPの人の感情が高ぶった時、これと同じ現象が起きます。

刺激が沢山あって、脳内がぐちゃぐちゃ。
あれ?自分の気持ちはどこだ?
相手に何を伝えないといけないんだ?

と、整理をするのに時間がかかるので、話を聞く側の人はゆっくりと待ってください。

自分の気持ちを言おうとすると、泣くつもりはなかったのに涙が出る人もいますね。くのいちも若い時は特にそれが酷くて、先生とか上司とか、目上の人に話す時によくその現象が出ていました。

涙が出るので余計に自分の気持ちを言えません。

自分の気持ちを話そうとしても、そもそも、まず何から話したら良いのかが分かりません。頭の中では自分の気持ちがあって、喉元までは出てきているんですけど、喉がぺったり張り付いて出てこない感じがしますよね。

若い時、彼氏とケンカしたら余計にそれで怒られてました。「何か思っていることあったら言ってよ!」

と何度怒鳴られたことか。でも相手が怒れば怒るほど、喉元まで来ている言葉は外に出てこなくなるんです。

今でも感情が高ぶって喉が張り付いた時は、「ごめん、落ち着いてから話す」とだけ伝えて、一回自分の気持ちを整理するようにしています。

気持ちを伝える前にインターバルをもらうんですね。私のインターバルは長いです。数日くらいかかります。相手が話を待ってくれる相手かどうかというのが鍵になってきます。ですからこれをご覧になっている方のご家族や、恋人がHSPなら、とにかく待ってあげてください。自分のタイミングで話させてください。

誰かに急かされたり、相手がイライラしているのを感じ取ったりすると、それが大きな刺激となって、余計に身動きがとれなくなりますので、何でも自分のペースでさせてあげてください。


気持ちの伝え方

ここで、お互いのコミュニケーションを円滑にする方法としてアサーションをご紹介したいと思います。

これは誰が相手だったとしても使えるコミュニケーションスキルです。自分のことも相手のことも尊重しながら、自分の意見を伝えます。

ポイントは

・「私」を主語にする
・冷静でいる時に話す
・未来に向けた建設的な話をする

です。たとえば、
出来事→夫がゴミをゴミ箱に捨てない

●アサーションなしの伝え方→なんでゴミ捨てんとさ!

●アサーションありの伝え方→(私は)ゴミが捨てられていなくて、散らかっているのを見るとすごく疲れる。(私は)すぐに捨ててほしいんだけど、どうしたら良いかな。ゴミ箱の位置をどこかに移動しようと思うんだけど、どこならすぐ捨てれそう?

と、あくまでも話し合いをしたいという姿勢で相手に自分の要望を伝えます。これも関係性が近くなるほど難しいですが、効果はありますので、おすすめです。ぜひ、まずは練習をしてみてください。日頃の雑談の中でもアサーションを用いることができます。

アサーションスキルを使える人は職場でも自分の意見が通りやすくなると言われています。もしよろしければお試しください。

21日間以上続けたことは習慣化しやすいと言われていますので、3週間はずっと頭の片隅においていただければと思います。

カッとなりやすい人とか、相手に誤解されやすい人にもおすすめのコミュニケーションですので本当におすすめです。人間関係で悩んでいる人はアサーションさえできれば全てが上手くいくんじゃないかなとすら思っています。

HSPの人が生きやすくなるための環境設定

HSPの人と一緒に暮らしている人で、「どうしたらちょっとは生活しやすくなるかな」とお考えのそこの優しいあなた、

家にあるもの極力モノを減らす

ことをおすすめします。
できるだけ少ない刺激の中で過ごさせると、楽になります。
まずは家にある要らない物を全部捨てて、モノから受け取る刺激を減らすことで、疲れにくさが軽減されます。

何か物を買うにしても、柄物ではなくて無地のものを選ぶことで刺激を減らすことができます。

私も実家に帰った時はモノが多くて疲れますね。あとテレビがずっと鳴ってるのが無理ですね。「何か音がないと寂しい」って言って家族はテレビをつけているのですが、音が延々と鳴ってるほうが私は無理で、年末年始ぐったりしました。


まとめ

今回はHSPの人が身近にいる人に向けた投稿でした。

①話を聞く時はとにかく待つ
②アサーションスキルを使う
③(同棲している人は)極力モノを減らす

以上の3点をおすすめします。

まずは知ろうとすることが大切です。
HSPの人は、非繊細さんがどう考えているかを知らないといけないし、非繊細さんにはHSPの人が感じている世界を覗いてみてほしいなと思います。

結局最後はお互いへの思いやりですね。

理解されずに悩んでいるHSPの人が多いのですが、これをご覧くださっている非繊細さんは、HSPのことを理解しようと努めている人だと思います。
HSPのことを理解しようとしてくださって、本当にありがとうございます。

HSPという概念をまだ知らないHSPさんは、生きにくい思いにひたすら耐えているんじゃないかと思います。ですから、よかったらこの動画をお知り合いに見せてくださったら嬉しいです。

HSPについての認知が広まって、みんなが生きやすい社会になったら良いなと思っています。


はい、今回は猫まるまるさんにご質問いただきました。猫まるまるさん、コメントありがとうございました!


活動紹介

心の健康をお金の面から考えるというコンセプトで情報発信をしています。ストレスケアや在宅ワークにご興味がある方は、Twitterフォローお願いします(^^)noteを更新した時やYouTubeを更新した時はTwitterにてお知らせしています。


お悩み相談

ココナラというアプリでお悩み相談をしています。家にいたまま、精神科で働いている職員にお悩みを相談してみたいという方に向けてサービスをご用意しています。診断をつけるものではなく、ただ気持ちをスッキリさせたいという方向けのサービスです。どのような内容でもお気軽にご相談ください。

チャットはこちら↓

電話はこちら↓


YouTube

YouTubeでは、「少しでも気持ちを楽に」をモットーに暮らしに役立つストレス対処法をご紹介していますので、チャンネル登録お願いします!


スタンドFM

忙しい方に向けて音声のみの発信も行っています↓

CAMPFIREコミュニティ

病院内だけでなく、地域で作業療法を行っていくために、切り絵作家として独立したいと思っています。精神障がいや発達障がいのグレーゾーンの方を支援していきたいと思っています。この活動を応援してくださる方がいらっしゃいましたら、詳細をご覧いただけると嬉しいです。↓


記事を読んでくださりありがとうございました。辛い思いをしている人が少しでも楽になりますように。