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77年経ってなにか変わった?と問うトビウオたち

これは長崎原爆投下ではなく、その9年後1954年にビキニ環礁で行われた米の水爆実験についての絵本です。

いぬい とみこ・作、津田櫓冬・作、1983年金の星社初版
歴史上唯一の被爆国に住む作者のメッセージ

小2時代の弟の名前が大きく書かれたこの絵本も、いつかこちらの子たちに訳したくブラジルまで持って来ました。

「おこりじぞう」もたしか図書館で読みました。

核の怖さは兵器としての瞬時的な巨大な暴力のみではなく、延々と見えない恐怖が続くことです。

福島でも原発があったからこそ、核の脅威が自然災害により引き起こされ長期化してしまったのは誰もが知るところです。

絵本では被爆したトビウオたちが擬人化されて描かれています。お父さんトビウオは帰って来ませんでした。

平穏な日常が突如として暴力的に奪われ続けているのは77年経った現在でもさほど変わっていない気がします。

人間も自然の一部であり、それは日本でもブラジルでも変わらない。トビウオたちと私たちは同じ生態系に住んでいます。

ただトビウオたちは兵器や暴力で必要以上な殺しあいや、自分たちが生かさせてもらっている環境を破壊しないという大きな違いがあります。

歴史的統計的に見ても、ライオンでも熊でも無く同種の人間に殺される人の数が一番多いという事実は変わって行くでしょうか…

裏表紙の絵。トビウオたちも私たちも同じ脅威の下で生きている。


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