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貧乏思考に囚われていたことに気付いた話

2019年からフリーランスとして働きはじめ、順調に行くかと思った矢先にコロナで先行きが見えなくなった。
そこからしばらくセルフブラックな働き方をして、軽く燃え尽きたので稼ぎまくったお金をセルフベーシックインカムとのたまってちょっとゆったりした生活をしばらく過ごしてた。

そのセルフベーシックインカム期間に入ってから仕事のレートを少しずつ上げ、終わりが近付いてきたあたりから声がかかった興味あり系分野のクライアントからお仕事を引き受けるようにして、とりあえず数年は安定してお仕事がもらえそうになってきた今日この頃。

年末にもなったし、年明け後から準備しなきゃならない確定申告や、2023年の仕事やお金のことを考えている最中、ふと気が付いたわけです。

どうして自分は、そこそこ太くて安定したクライアントを2件持っているのに、月予算ギリギリ+余裕ちょびっとしか稼がない・手にしないベースで考えているんだろう、と。

そこから自分が貧乏思考に囚われていたことに気付き「うわあ!やべえ!」となったのです。

そもそもの原因はやっぱりコロナ

2019年から正式にフリーランスとして開業届を出し、週数日の出勤で会社勤め時代の8掛けぐらい稼げるお仕事があったためめちゃくちゃ余裕ぶっこいていたわけですが、コロナにより仕事先の親会社がさらに安い人員を求めだしたこと、あとオンラインでは中々回せないといった事情があり、ほぼ唯一の収入源だったそれがなくなったことで、軽く経済的に困窮することになってしまったのです。
まあ、そもそもフリーランサーが一本足打法でやってこうってのが阿呆の所業なわけですが。

で、そんな風に現実の危うさが見えてきたところから別の仕事にも手を出して、そのうち自宅でできる分については阿呆のようなレートでバカスカ仕事を引き受け、見事に自らブラックな働き方に飛び込み、冒頭で述べたように約1年はほぼ仕事しなくても生活費だけは賄える、という状況が出来上がりました。

先の見えない不安から貧乏マインドに陥っていく

これはある意味成功したフリーランサー的な生き方ではあるのですが、これはちゃんとレートを上げていかない限りは仕事しまくる→のんびりする→仕事しまくる→のんびりするの無限ループなわけで。

そして、当然ながら当時引き受けていた仕事はほぼ全部がスポットだったため、今後の見通しはつかない。
そのため、セルフベーシックインカム中はよほど割のいい仕事以外は引き受けず、収入を最低限に抑えて生きていました。
じゃないと翌年の社会保障・健康保険費がどうなるかわからず、ちゃんと毎月の生活費が出せるかどうかも怪しい、という生活になる可能性すらあったのです。

そんな風に2021年を過ごし、2022年になってからもかなりの間生活費の一部をプールしていた報酬で生活する日々を送っていたのですが、9月ごろに常に一定のお仕事量があり、数年は硬そうなクライアントが付いたのです。

ところが完全に貧乏フリーランサーマインドに陥っていたものだから、「一念発起でちゃきちゃき仕事をしよう!」ではなく「現地仕事で足りない分を賄うだけの仕事をすればいいや」などという本当に阿呆としか思えない考えの元、実に細々とその仕事をしていたわけです。

数字を見える化したことで仕事がゲーム化した

そんな仕事の仕方をしていた理由のひとつが、これはもう本当にフリーランサーとしてあるまじきことではあるのですが、自分がその月どれだけ稼いでいるのかをきちんと把握してなかった、というのがあります。
オファーが来たらその金額だけを見て「これだけ稼げるんだ」と思ってそれで終わり。
最終的に支払われて、それが口座に入ってきたらヨシ!みたいな、どんぶり勘定どころじゃない感覚でいたわけです。

こんなんできんの、真面目に今いる国が個人事業主の税金計算めっちゃ甘いからでしかないんですけどね。

けれど過去からプールしていた資金も、一応多少の流入はあれどだんだん底が見えてきて、「これはいかん、ちゃんと稼いでいかなければ」と心を入れ替え、9月半ばに収支やら何やらをまとめているエクセルシートに、当月の目標金額ベースに1営業日当たりどれだけ仕事をすればいいのかと、実績がが一目瞭然になる表をざざっと作ってみたのです。

こんな感じのざっくりしたやつ

この表を作った際の一番の自己褒めポイントは、作業実績を作業量だけでなく、実際の稼ぎ見込みを明確にしたことです。
このおかげで、「あ、あともうちょっとやったらキリ良く〇〇EUR/CZKになる!」みたいに思えて、「じゃああともうちょっとやろっかな♪」みたいに楽しく仕事を進められるようになりました。

で、このファイルは常にセカンドディスプレイに開いているので、何かの拍子に別ウィンドウを閉じると今月の実績や目標まであとどれくらいなのかが目に留まるわけです。
そうすると、他の仕事が終わって手が空いてるなら、「じゃあ月末楽できるようにちょっと進めておこうか」とレベル上げ、じゃない仕事に軽い気持ちで取り掛かれてしまうようになり。

最初は月予算の内、現地仕事だけで足りなそうな部分だけを賄うつもりで目標を立てたのですが、これが意外とすぐに達成できてしまった。
先月には「毎月の予算分はこっちの仕事で稼ぎ切ればいいんじゃね?現地仕事分は貯蓄に回せばいいよね?」と考えを切り替えるに至り、今月は「現地仕事が落ち込んでも余裕を持って貯蓄できるぐらい稼いでしまおう」と目標設定を掲げ、突発で大きめの仕事が入ったこともあって、それが月半ばにはほぼ達成できてしまったのです。

多少収入増やしても、社会保障費や健康保険費は大して変わらないことに気が付いた

そうしているうちに、ありがたいことにまた別の太くて長そうなクライアントが付いたことで「これでまた資金プールできそうだなー」とか思ったりする中、Lump sum taxという、ある程度以上稼いでいる個人事業主には実に便利な税金システムのアップデート&申請期限のニュースが流れてきました。

現時点ではLump sum taxを使った方が損する程度の稼ぎしかないことから2023年度は見送ることにしたのですが、ふと「これってどれくらい稼いでたらお得になるんだっけ?」と考え、2022年度版の発表があった時に問い合わせた内容を確認したわけです。
で、Lump sum taxが旨くなる収入額を再確認した結果、「やっぱり全然届かんわ!」とその時はさらっと流したのですが、つい数日前、ちょっと本腰入れて毎月の予算見直しをしている中で、ふと気付いたわけです。

どうして自分は、合計2万円にも満たない社会保障費・健康保険費を削るためにカツカツの生活をしているんだろうか、と。

最近のインフレで食費は上がってきてるし、友だちと外食したりする機会も増えてきてるのに、食費や交友費の予算を昔のままに抑え続けていたからだんだん足が出るようになってたわけです。
そこを見直して予算組んでも、今月の稼ぎ目標にした金額できっちり賄えてる。
しかも、あの計算表では、支払タイミングが大きくズレてる都合で新しいクライアント分は別にしているから、数か月後にはけっこうな余裕ができる。その分を合算しても、Lump sum taxレベルにはいかないだろうし、もし行ったとしてもLump sum taxが使えるので、毎月の出費はそこまで大きくない。

だったらきちんと稼いで、もう少し生活に余裕を持っても別にいいじゃないか!

20代から、あちこち行きたいがため、基本的に節約生活を送ってた。
多分その影響もずっとあって、これまでそんな豪遊するなんてことはほとんどしてきてない。
盛大にフロリダ旅行とかしたこともあるけど、その時も低予算で賄ってきた。

けれど当時のような体力もなく、少しずつ楽をお金で買うようにはなってきていた。
基本食費や交友費以外はほぼNo buyで生きていけるだけのモノは持ってる、というかむしろガツガツ断捨離しなきゃいけないレベルでモノだらけだから、そこに予算はほぼ必要ない。
友だちとカフェに行ったりご飯行ったりするたびに罪悪感抱かず飲み食いしたいし、参加してるグループの遠征先でもケチケチはしたくない。

少し余裕を持たせた予算を立てたら心にも余裕が生まれた

そんな風に考えて、毎月の食費と交友費を「これなら多少余るだろう」という金額で設定したとたん、ふわっと心が軽くなった気がした
きっと、締め付けすぎた財布の紐に、自分の心も締め付けられていたんだろう。
そんな風に思うぐらい、ほっとしたし、呼吸もしやすくなったわけです。

多分実際に使い切ることはめったにないだろうけど、カツカツ未満だった額を1.5~倍額に増やしたことで、「毎月これだけ使っていいんだ」って安心感につながったということでしょう。

今はどうかは知らないけれど、昔はよく「貧乏人はキツい顔つきをしている」という言葉を耳にすることがあった。
スクルージ―のようにお金持ちと言われていてもキツイ顔な人たちは、きっと心が貧乏人なのだろう。
実際スクルージ―も、人に与える優しい気持ちを持った途端、顔が優しくなったじゃないですか。
結局、人ってそういうものなんじゃないかな。
つまるところ、私は自分自身を貧乏人だとは全然思っていなかったけど、メンタルが貧乏人だったんだなと、今回しみじみ思い知ったわけです。

脱・貧乏人思考の道

とはいえ、当然ながらすぐに「宵越しの金は持たねぇ」江戸っ子マインドに切り替えられるわけじゃないし(そもそもそのレベルまで行ったらあかん)、何だかんだと財政緊縮やらバジェットトラベルしたがっちゃうことはあるでしょう。
それでももう少し、必要なモノやコトには罪悪感を持たずにスッとお金を出せるメンタリティを鍛えて行きたいなあと思っているわけです。

完全に貧乏人根性から抜け出せるのがいつかはまったくわかりませんが、ゆっくりと脱・貧乏人根性を目指していこうと思います。


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