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ネギ背負ってきた鴨を優しくハグして逃がす男

マダガスカルのモロンダバでお世話になった運転手のボリス

英語もほとんどわからないし、もちろん日本語も挨拶程度しかわからないけれど、約束の時間より少し早く迎えに来てくれるし、戻ってくる時間約束してなくてもずっと待っててくれる
ガイドではないので、彼から何かをリードしてくることはないが、こちらのニーズや見たいものを最優先してくれる
車の中から写真撮ってたら、減速してくれたり止まってくれたり

一日半くらい一緒にいたけど、一度もやな顔しなかった

何よりも彼は正直だ

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ボリスを知ったのはマダガスカルの首都アンタナナリボの宿にあった日本人のコメント
8月にモロンダバでバオバブを見た日本人女性が宿のノートに丁寧に書いてくれて、ボリスをオススメしてくれていた
ネット検索してるとボリスの写真も出てきたので、彼を見つけることができたら彼にお願いしようと思っていた

だいたいどこの街でも同じように街に降り立つとツアーガイド、タクシー運転手、ホテルの客引き、各種ドライバーなどが観光客に群がってくる
幸いアンタナナリボからモロンダバに着いたその場所でボリスを"見つける"ことができた
彼からしたら何もしてないのに自分を探している日本人がいたわけでまさに鴨がネギ背負ってやってきたようなもの
実は我々、あまりの客引きに疲れ、客引きを回避してトゥクトゥクでホテルに行こうとしたところ、旦那が「ちょっと探してくる」といって探しに行って見つけたので、ホントにボリスにしてみたら完全に鴨ネギだ

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そして、この鴨たちはさらにやらかしてくれるのです…

Borisの料金は定額制でサンライズ、サンセットは80,000Ari(約2,300円)、1dayは230,000Ari(約6,600円)
どちらもガソリン代、駐車場代込
1dayはサンライズ、キリンディ、サンセットでキリンディの入園料、ガイド料は別途支払い
値切ればもっと安くしてくれるドライバーもいるので、相場くらいかちょっと高め?
(他の人のブログ見てると、交渉すればもう少し安くできるかも?)

さて、この2匹の鴨、この料金を一人あたりだと勘違いして、初日のサンセットで十六万アリアリを支払います
で、鴨たちは帰ってから気づくのです…
「あれ?なんか…やっぱり高くね?普通に一人でタクシーで言ってる人、七万アリアリだし…」
「そういえば、ボリスのビジネスカードにも、宿にあったコメントにも、一人あたり料金とは書いてないし、そもそもボリスに確認したっけ???」
「そういえば、ガソリンスタンドでガソリン代支払うときにBorisが『80,000 - 40,000』って、電卓アプリに書いてくれてたような(料金はガソリン込だよ。だけど先に今、ガソリン代分払って、って意味)。ってことは実は一人あたりじゃなくて、一回あたり、つまり、二人で八万なんじゃね?」

OMG!!!!!!

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この展開…

日本だと過払い金は返ってきますが、海外において鴨が払った過払い金はポッケにないないされるのがほとんど
てか、99.99%そうでしょう(´;ω;`)

でも、とりあえずボリスに確認しよう、と、さっそくメッセージを送ることに

鴨(もしかして、今日のサンセットって八十万アリアリだった?)
ボ(そうだよ)←認めた!?
鴨(ってことは、私達払いすぎたよね)
ボ(そうだよ)←認めた!?
鴨(じゃあ、明日の1dayから差し引くね)
ボ(うん。わかったぁー。)

へ?(・・)

へ?(・・)

へ?ヾ(*’O’*)/

えーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ねーねー、まずそもそも鴨がネギ背負ってきたんだよ
その鴨が自ら出汁の中に浸かってたんだよ
なんなら自らいい感じにネギ切って、いいタイミングで出汁の中に入れてたよ
あと5分でいけまっせー、とまで言ってたのに

なんて正直者

なんとでも着服できる方法はあったのに…
我々が気付かなかったらボリスも普通にポッケにないないしてたと思うけど、でも相手が気付いたときにこうやって正直に「そうだよー」って言えるのはホントにすごいと思う
いわゆる心理的安全性が日本より圧倒的に低く、貧富の差の大きなこの国において…

ボリスが日本人から愛される理由が良くわかった

あなたを心から尊敬します

ありがとう、ボリス

Merci, misaotra, Boris

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サウイフモノニ ワタシハナリタイ

(追記)2023/5/10
他の日本人旅行者がボリスに作ってあげたらしい、ボリスの名刺 ↓

他の日本人旅行者がボリスに作ってあげた名刺


読んで少しでもあなたの世界を豊かにできたならそれだけで幸せです❤