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銀座のホステスを始めて1年目のお財布事情/お金を貯めたいならどうしたらいいか

先日インスタグラムのストーリーでもお伝えしたのですが、この12月1日で銀座で働き始めて丸10年になりました。東京に来たのは2011年の11月末、当時はまだ26歳でした。それまでは大阪に住んでいたのですが、私はトートバッグに新居を掃除するための掃除道具だけを入れて新幹線で東京にやってきました。乗り換えでゆりかもめに乗った時、トートバックから折り畳みのクイックルワイパーの柄がぴょこんと出ていて、他の乗客に怪訝そうな顔でみられていたのを今でも覚えています。

東京に引っ越してきた頃の思い出

東京に来る前は北新地で売り上げのホステスをしていました。大阪では一人暮らしにしてはゆったりした間取りの、新築のタワーマンションに住んでいました。
でも東京では心機一転、一から始める気持ちで前の家に合わせて買った大きな家具は捨てて、小さなマンションに引っ越しました。東京といえば家賃やタクシー代が高いので、一から始めるには生活するコストを抑えないといけないと思ったからです。

土地勘がない私は銀座でタクシーに乗って深夜料金で3,000円圏内、そして家賃が高くない所というのだけを条件に、江東区の東雲のマンションを借りました。
東京の土地に馴染みがない女の子には東雲というと、汐留?と聞かれることもあります。それくらいホステスの家探しでは人気がない場所なのですが、港区や中央区は高いイメージがあって身の丈にあった小さなマンションから始めることにしました。

でも住んでみて分かったのは銀座から東雲は、月島や勝どきよりもさらに奥なので銀座から渋谷区に行くくらいタクシー代がかかるということでした。今でこそ多少遠くても全てタクシー移動ですが、当時銀座や他の場所に出かけるときはバスか電車で移動していました。
さらに何かと休日の仕事の集まりには港区が多くて不便を感じるようになり、仕事が慣れてきた頃港区の西新橋に引っ越しました。東京に来て1年経たないくらいでした。東雲に住んでいた生活は、懐かしい思い出です。

ということで今回はホステス1年目のリアルなお財布事情、収入や経費、出費そして毎月いくら貯金してきたかなどについてお話ししたいと思います。

ホステスの1ヶ月にかかる経費

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私が東京に来て1年目のヘルプの頃、1ヶ月でいくら収入があって何に使っていたのかお金の流れをざっくりですが思い出してみることにしました。

まずは家賃です。その頃東雲のマンションでは友人とルームシェアしていたので、2人で割って10万ほどだったと思います。2LDKに住んでいました。あとは日々のタクシー代、こちらは深夜なので帰りは片道2,600円くらいしていました。20日で52,000円です。
行きはバスと電車で通っていました。確か新橋駅か銀座駅で降りていたような気がします(あまりに昔の記憶すぎてうろ覚え)バスが多分200円、電車が300円くらいで計算します。東京の道は苦手なので今となってはどうやって乗っていたかわからないのですが、20日で10,000円ですね。

次に出勤する前に必ずしないといけない、美容室でヘアセットの金額です。こちらは私が通っている美容室では早い時間は2,000円なのですが、大体メインの時間帯は1回2,200円です。なので20日で44,000円です。
ここまでが20日間ホステスとして出勤するための最低必要経費です。

あとは水道光熱費、携帯電話代、月に一度の美容室代などを計算していきます。電気代や水道代の細かいものは全く覚えていないので本当にざっくり計算します。

家賃 100,000円
交通費 62,000円
セットサロン 44,000円
美容室代 15,000円
光熱費 10,000円
携帯電話 20,000円

こんな感じでしょうか。あとクラブでは毎月1度、新しい服で出勤する新調日があります。仕事に使えるワンピースかドレスを買っていました。これが50,000円くらいだとしましょう。

その他食費もありましたね。私はカフェで仕事をすることが多かったのと、あと友人と週末はよく食事していたので食費は多少かかりました。1ヶ月70,000円くらいですかね。飲みに行くことはほとんどなかったのと今みたいにUber eatsがないのでこんな感じだと思います。平日の夜はほぼ同伴なので土日の友人とのランチやディナー、仕事で使うカフェ代のイメージです。

あと何にお金がかかったか考えたのですが、不定期に美容医療代はかかっていたと思います。脱毛とか、お肌のメンテ系ですね。一回の施術はバラバラで30,000円の時もあれば、200,000円の施術もあるので年間ざっくり600,000円として1ヶ月あたり50,000円くらいで計算してみます。この他にも化粧品代もありますね。これは毎月は購入してなかったのですが年間200,000円だとして1ヶ月で換算すると17,000円くらいでしょうか。

あとお仕事と直結する支出として、接待交際費があります。例えばお客様のお誕生日の贈り物とか、お中元や歳暮といった贈答品です。これが年3回です。
お中元はこの頃はまだ件数が少なかったので、例えばですが3,000円✖️30件で90,000円。年3回と書いたのは、お中元お歳暮に加え銀座ではバレンタインの時期になるとチョコレートも会社に配送で送らないといけません。

あと何気ないお土産やプレゼントも会社に郵送していました。なんだかんだ一年目でも500,000円はかかっていたと思います。

他に新調日のドレス以外の衣装代といえば、休日に着る洋服や靴代です。お客様とお休みの日も歌舞伎や映画や舞台を見に出かけたり、当時はよくゴルフも行っていいました。
あと仕事用としてビジューがついたドレスに合うハイヒールも年間何足か新調していました。当時はジミーチュウを愛用していたので、1足100,000円程でした。こういった諸々の衣装代としてざっくり1か月100,000円、年間で1,200,000円くらいで計算してみます。

他に毎月かかるものとして雑誌や日経新聞や書籍を購読したり、あとはゲームや音楽、映画といった趣味の支出も多少ありました。それと先程計算した交通費は全て銀座に行くためだけなので、仕事に行く以外の交通費も必要です。

東京に来てすぐにジムも通っていました。生活の日用品代もここに入れて、諸々ざっくり雑費50,000円くらいで計算します。

収入

収入は専業だったのでお店からいただけるホステス給与のみでした。
私はゼロヘルプでしたが、クラブ経験者で新地の時のお客様が紹介者として面接に立ち会ってくださったので、日給40,000円からのスタートでした。
新地時代が日給75,000円スタートの売り上げのスライドがあったし、生活費も東京に比べて安いので半分以下のお給料で東京の生活がやりくりできるか不安はありましたが、心機一転ですし早くまた売り上げのホステスになって元のお給料まで戻そうと思っていたので、お給料の交渉は特にしませんでした。
誰よりもたくさん動いて仕事っぷりを見てもらって、日給を上げてもらえるように頑張ろうと思っていました。

私は銀座に来た時から独立を目指していたので、始めにたくさんお給料をいただける有名じゃないお店よりも、いいお客様がたくさん通っていて地方でも名前が通っている評判の良いお店を第一条件にお店選びをしました。

10年経った今は日給の相場も徐々に上がり、銀座未経験50,000円、60,000円を出すお店もちらほら耳にします。しかし無事独立できて5年経った今でも、新規のお客様にどこのクラブか出身を聞かれて一軒目のお店の名前を伝えると「たくさんオーナーママを輩出しているいいクラブ」として知ってくださっている方が日本中あちこちにいらっしゃるので、そのお店をずっと出身と言えるのは当時一番良い選択肢を選べていたと思っています。

そして私は、卒業生のためにもBlairを今後そういうお店にしていきたいと思っています。

収支

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さて、ここまで書いてきた支出と収入を書き出してみます。

収入
40,000円✖️20日=800,000円
源泉所得税約10%と、福利厚生費30,000円を引いて手取りが大体690,000円

支出
家賃 100,000円
交通費 62,000円
セットサロン 44,000円
美容室代 15,000円
光熱費 10,000円
携帯電話 20,000円
新調日の衣装代 50,000円
食費 70,000円
美容医療50,000円
化粧品 17,000円
接待交際費 42,000円
その他衣装代 100,000円
雑費 50,000円

合計 プラス60,000円

最初こんなものだと思います。
本当に結構リアルな数字だと思います。
例えばこれがルームシェアじゃなくて家賃が1人負担だとしたら、150,000円くらいのところが銀座のホステスのマンションとしては一般的なので、貯金はプラス10,000円という感じです。始めは働いても働いても中々貯金が貯まらなくて寂しかったですね。

貯金が月10,000円ってかなり微妙ですよね。金額だけ聞くと実家暮らしのOLさんの方が手元に残せてるような気がします。
また、実際のところその他の収入としてアフターに行くと、タクシー代10,000円がもらえたりたまにチップをいただいたりします。

それと日給は40,000円で計算しましたが売上が連動しているので、係を頑張って拾って1か月の日給を上げることもできます。純500,000円くらい売上ができるとスライドで日給が10,000円アップなので20日出勤でプラス200,000円です。
新人時代はほぼ毎日アフターに行っていましたし、一年目で売り上げ500,000円はできるようになっていたので、実際のところは一年経たないうちに毎月200,000円ずつくらいは貯金できていたような気がします。

こう考えると普通の平ホステスは、稼いでいるように見えても出費も多いので、あまり貯金ができないのが現状です。ですが1日に出勤するための仕事に行く経費(美容室やタクシー代)は売上が0円でも1,000万円のホステスでも変わらないので、より手元にお金を残したいなら給料に対する固定経費の割合を薄めるべく、早く売り上げの女性になるのが大事です。

もしくは売り上げをしない腰掛けのヘルプのままたくさんお金を残したいなら、どこか出費を削るしかないです。洋服をなるべく安い服で過ごしたり医療美容も全く受けなくて5万、10万の節約ということも可能ですが、仕事としてある程度の自己投資は経費と割り切れない人は競争が激しい銀座の中で『洗練されたホステス』というレベルに到達できないので、この仕事では大成できません。

カツカツのホステス生活をするよりは前述にも記したとうり売り上げを早く上げれる仕事ぶりをして、日給自体を上げていく方が手元に残るお金が自然と多くなると私は考えています。

まとめ

こう書き出していくとそう贅沢をしているわけではないのに、意外とホステスという仕事は手元に残るお金が少なく、出費が多いということがわかります。お客様のお付き合いや贈答品や自己投資を真面目にやっているヘルプのホステスだと、レディディオールやバーキンのカバンを自腹で買うなんて夢のまた夢です。

お金を残す方法は二つに一つで、本当に切り詰められるところ全て切り詰めて(一切お歳暮もお中元もしない、私服も化粧品も買わない、ジムも行かない、お手入れもしない)で全てを貯金に回すか(前述の通り残るお金は少額ですが)、ある程度の自己投資をしつつ並行して売り上げを伸ばしていって、長期的にガッツリ回収するかのどちらかだと思います。

前者はダブルワークで昼仕事をしていて、数年の短期間で辞める方は有効かと思います。私はせっかくホステスという仕事をするなら、後者の方がおすすめと考えています。

売り上げの女性になると毎月200万、300万持って帰っているホステスはザラにいます。そうすると毎月100万単位で貯金できます。

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