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ジュエリー業界の負の側面に気付いたきっかけ。

学生時代に国際関係学を学んでいたり、アメリカ生活で多国籍の人たちと出会う機会が増えた中で、世界を取り巻くさまざまな社会課題をより深く知り、その頃からより一層「いつしか世界の問題に対して自分に何かできないか」と考えるようになりました。

自分が生きる上で社会貢献に繋がる何かがしたい、との思いが心の中にずっとあったんですよね。

後にジュエリー業界に入って、ジュエリーに携わる中で何か自分にできることはないかと思い始めていた頃に、

『ブラッド・ダイヤモンド』というレオナルド・ディカプリオ主演の映画を見たことと、ジャーナリストの後藤健二さんが書かれた『ダイヤモンドより平和がほしい』という本を読んだことで、

ジュエリー業界にいながらも自分の知らないところで大変なことが起きていることを知り、より想いを加速させました。

完成されたジュエリーを手にする人にはあんなに笑顔があるのに、ジュエリーの素材となる生産者たちには悲しい顔がある。そう思うと正直いても立ってもいられなくなりました。


『ブラッドダイヤモンド』

前述したように、もともと大学時代に国際関係学を学んでいた中で、金などの資源が戦争や世界経済に関係していることを知ったということや、以前から、自分が生きる上で社会貢献に繋がる何かがしたい、との思いが心の中にまだずっとあったので、ジュエリーに携わる中で何か自分にできることはないかと思い始めていた頃、

レオナルド・ディカプリオ主演の映画『ブラッド・ダイヤモンド』を見たのがきっかけで、ジュエリー業界にいながらも自分の知らないところで大変なことが起きていることを知り、より想いを加速させました。

1999年のアフリカ・シエラレオネのダイヤモンドを巡る内戦で、反政府軍が地元民を強制労働させる様子、少年達を麻薬漬けにして兵士に仕立て、自分の故郷や家族を襲わせる様子、襲撃した村人の手足を切断する様子など、実話をベースに描かれた映画です。

この映画によって、綺麗な宝石の裏側の負の側面が世界にも広く認知されるようになりました。

解説: 1990年代後半のアフリカ、シエラレオネでの激しい内戦を描いた社会派アクション映画。“ブラッド・ダイヤモンド”というダイヤモンドの不正な取引をめぐって起きる不毛な争いをサスペンスフルに描く。地域紛争が激化する“ブラッド・ダイヤモンド”の現実問題に言及した内容について、米国務省が批判したことでも話題となった問題作。

シネマトゥデイ

「無知の知を知る」の勢いで色々調べ始めると、そこにはとても胸が苦しくなる現実ありました。

もしかしたらお客様に提供しているこのジュエリー達は、このお店に辿り着くまでにそういった紛争に関わる道を通ってきた可能性があるのではないか。。。。

そう思うと正直いても立ってもいられなくなりました。

これはそのお店を批判しているとかではなく、これまでのジュエリー業界では、完全なる流通経路が相当複雑で、不透明なことが当たり前とされてきてしまっていただけなのです。

『ダイヤモンドより平和がほしい―子ども兵士・ムリアの告白』


『ダイヤモンドより平和がほしい―子ども兵士・ムリアの告白』
後にシリアで犠牲になったジャーナリスト後藤健二さんの本です。

これもまた同じように、舞台はダイヤモンド生産国シエラレオネ。
長年に渡り政府軍と反政府軍とで戦闘が繰り広げられ、内戦状態にあったこの国で、反政府軍が特産品の最高品質のダイヤモンドの鉱山を押さえるために犠牲になった残虐の限りを尽くした少年兵にまつわる悲劇、目を背けたくなるような惨状について書かれています。

説明:アフリカの西部に位置するシエラレオネ。ダイヤモンドの産地として知られるが、その利益は戦争の費用となり、武器にかえられ、そして、その銃を、子どもも握ったのだ…。「やぶの殺し屋」と呼ばれていた元・子ども兵士を取材。

人生の大切な瞬間を刻む象徴的な存在であるはずのダイヤモンド始め、その他の宝石や金の採掘場などでの悲惨な背景を知り、人の深い想いを繋いでくれるはずジュエリーの裏で、紛争や貧困問題、環境問題、児童労働、強制労働から搾取などによる人的被害があってはならないのではないか。

とは思ったものの、

どうにかこうにか国の内側から改善していくしかないのかとも思いつつ、国家間の問題や政府絡みに立ち向かって自分の命無くしては意味がないと思いとどまり、

じゃあせめて自分が提供するジュエリーは、見た目にも背景にも配慮したものでみんなの笑顔につながっていくものを提供していこう!
と思ったのでした。

それはもはや直感めいた使命感を感じた瞬間でした。
はっきり覚えています。

2013年のことでした。


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