安価なファッションアクセサリーを買うのをやめ、上質なファインジュエリーを選ぶべき理由
ジュエリーの歴史は人の歴史と同じ長さがあるといわれます。
それくらいジュエリーと人は切り離せないもの。
お守りとして、
絆を強めるものとして、
気分を上げるものとして、など
ジュエリーを身につける理由は人それぞれ。
明るく、カラフルで、綺麗に輝くジュエリーは、コーディネートの仕上げや身に着ける人の個性を表現するためにも最も効果的なアイテムです。
市場にはバラエティーに富んだファッションアクセサリーがたくさん売られてます。オリジナルのハンドメイド作品の種類も本当に多く増えましたね。
「プチプラなのに高見えする」なんて言葉もよく見かけるようになりました。
しかし、世界的な環境問題により、私たちが消費する量や再利用、リサイクルや循環の方法についてより慎重に考えなければならない中、
プチプラでゆくゆくは使い捨てになってしまうようなコスチュームジュエリーやファッションアクセサリーは、ますます懸念されるようになっています。
私自身も学生時代は、気軽に取り入れられるファッションアイテムとして、その時々のコーディネートに合わせていろんなプチプラなアクセサリーを買って身に付け、楽しんでいました。
何の疑問も持たずに。
しかしジュエリー業界の裏側に気づいたり、サステナビリティに対する概念に意識を向けるようになると、ファッションアクセサリー=安価なファストファッションはなるべく選択肢から外そうという気になります。
もちろん、何に重点を置くかは人それぞれ。
ですが、気軽に購入して飽きたら使用しない、ということが起こりやすいファッションアクセサリーは、
素材は錆びやすく劣化しやすい
金属アレルギーを引き起こす
最終的に環境に優しくない
生産の背景的に人に優しくない
などという側面もあり、
簡単に言えば、いや、誤解を恐れずに言うと、
ファッションアクセサリーを避けることは、
長期的に見れば良いことなのです。
(地球にとっても人にとっても)
大粒で派手な宝石を使った本物素材のプラチナやゴールドジュエリーは、何百万円として予算オーバーであることもありますが、
そのようなジュエリーは普段使いには向いていません。
本物素材でも、デイリーに合わせやすいようなデザインのゴールドアイテムやスターリングシルバージュエリーは、場合によっては少〜し節約する必要があったとしても、ほとんどの人にとって手の届く範囲にあると言えるでしょう。
壊れたり飽きたりしたら捨てる消耗品としてではなく、長く大切に使いたいと思うなら、
プチプラよりも上質なジュエリーを選んでみませんか?
ファインジュエリーとアクセサリーの定義
普段何気なく使っている「ジュエリー」や「アクセサリー」という言葉ですが、その違いを知っていますか?
簡単に説明をしますと、以下のようになります。
コスチュームジュエリーやファッションアクセサリーは、安価な合金や人造石などで作られた、ファッション性重視の装飾品のため、
これらは本来「ジュエリー」とは呼びません。
中にはヴィンテージのコスチュームジュエリーなどは、優れたデザインと高度な技術を駆使して作られた物も多く、素材の価値を超えた魅力もあります。
そうです。魅力的ですし、ファッション性もあって素敵なのです。
ではなぜ、ファインジュエリーがお勧めなのか。
ファインジュエリーを選ぶべき理由を掘り下げてみたいと思います。
ファインジュエリーを選ぶべき理由
1. ファインジュエリーは環境と人的にやさしい
まず、これはジュエリーに限らずですが、モノを購入するときは、その素材と製造に関わる労働について考えてみてください。
ファッションアクセサリーやコスチュームジュエリーは通常、プラスチック、ガラス、樹脂や真鍮など安価な素材を使って大量生産されます。
お値段も安価で手に取りやすく、ファッション性に富んだファッションアクセサリーですが
壊れやすく、錆びやすく、長持ちしません
「安い」には理由があるのです。
その素材は次第に輝きが失われ、付いている石がいくつか落ちてしまうとその魅力は失われ、素材的にも修理は容易ではなく大抵リサイクルも不可。
そのため、結果的にゴミ箱行きとなります。
捨てられずにお家で眠ったままになっているものもありませんか?
また、大量生産・大量消費は、地球の存続に関わる重要課題であり、私たちこれからの世代が環境に与える影響を軽減するためには、循環型経済の実現が必要です。
最終的にゴミ箱行きとなってしまうイミテーションアクセサリーは、
とても環境に良いとは言えません。
また、その大量生産の背景には、安い製品を作るために安い賃金しか支払われない、という非倫理的な労働慣行があります。
安くて弱いジュエリーが大量に作られると、そのプロセスを意識することなく、できるだけ多く売るために作られます。
人が「安い」と思える価格で、よりたくさんの選択肢を用意するためには、安い労働力が必要です。労働者の多くは安い賃金で長時間労働を強いられていたり、劣悪な労働環境で働かなければならない状況があります。
つまり、流行などによって洋服のスタイルのアップデートと共に安価なアクセサリーをその都度何度も購入することで、私たちは労働コストの低下に貢献しているのです。
これは、「絶望的な労働者を利用することに問題がない」ということに間接的に賛成していることになります。強制的な児童労働も含まれるかもしれません。
ファッションアクセサリーを安易に購入して身につけることは、知らずして間接的に環境問題や社会問題などの悪化に加担してしまっている恐れがあるということです。
ファッションアクセサリーを避けることは、
労働の搾取や低賃金問題、環境問題に「NO」を突きつけることなのです。
皆さん、気づいていますか?
例えば、誰がそのアクセサリーを完成させたのか明確に分かっていたとしても、果たしてそれに使われたパーツは?どこから?誰が?どのように生産されたのか、分かりますか?
、、、、考えすぎたら楽しく無くなっちゃいますよね。
でもどうでしょう。長い目で見ると、ほんの少しそういったところにも疑問を持ち、知ってみると、作り手も買い手も、もっと気持ち良く心からファッションを楽しめるはずです。
本物素材である金やプラチナ、天然の宝石を使用したファインジュエリーは、経年劣化することなく世代を超えて何年も使用可能。汚れてくすんできたとしても磨けばまたその輝きを取り戻し、素材はリサイクル可能など、
ファインジュエリーは元々、基本的には持続可能で環境に配慮されていると言えます。
誰にでも身を飾り自己表現をする権利はありますが、それが地球や人を犠牲にするものであってはならないと思いませんか?
しかしファインジュエリーでも、中には美しさの裏側に人的被害が考えられるジュエリーも存在するのが事実です。
SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」にもあるように、
負の要素がないジュエリーを選ぶ、というのも消費者側の責任でもあります。私たちの消費行動は社会の課題と密接に結びついているのです。
ジュエリーの購入を考える際には、宝石や貴金属の調達方法や素材選び、フェアトレード、トレーサビリティに対する取り組み方など、それぞれのブランドや企業としての活動を確認してみるといいでしょう。
2. ファインジュエリーの素材は比較的安全
「ピアスで耳がかゆくなる」
「ネックレスで首が赤くただれてしまう」
など、アクセサリーを身に付けて、痒みやかぶれなどのアレルギー反応が出た経験がある方も中にいるのではないでしょうか。
金属アレルギーとは、溶けだした金属イオンと体が反応して起こるアレルギー症状です。
安価な素材は危険を及ぼします。
ファッションアクセサリーの製造用の合金に使われる安価な金属に、カドミウムがあります。小売業者の中にはカドミウムを使用しているところもあり、消費者としてはジュエリーにカドミウムが含まれているかどうかを知ることができないのです。
カドミウムにさらされると、腎臓、肺、骨に損傷を与える可能性があります。癌の原因となり、ホルモンレベルを混乱させる可能性もあります。また、子供がいる場合、大変危険です。子供の体は大人よりカドミウムを吸収しやすく、臓器が小さいので影響が早くて大きい。カドミウムは皮膚からも吸収されます。
また、ほとんどの安価なアクセサリーにはニッケルが使われていますが、
平均12~15%の女性が、1~2%の男性がニッケルに対してアレルギーを持っています。特に肌が敏感な人は避けた方がいいでしょう。
さらには、ファストファッションジュエリーには亜鉛が多く使われています。時間が経つと酸素、二酸化炭素、水分、塩分に反応して金属部分に青緑色の錆ができることがあります。見たことありませんか?
あれは亜鉛が原因です。
その点、基本的には金、プラチナ、純度の高いシルバーなど、
ファインジュエリーに使われる素材はアレルギーを引き起こしにくく、比較的安心して
装着することができます。
純金(24金 / K24)はイオン化しづらいためアレルギーを引き起こしませんが、柔らかすぎてジュエリーには向いていません。
ジュエリーを作るのに必要な硬度を出すために他の金属が混ぜられるのですが、その割り金として使われるパラジウム、イリジウム、ルテニウムなどが原因でまれにアレルギーを引き起こす可能性があります。
よって、割り金の割合が少ない=金の純度が高い方が、よりアレルギーを引き起こしにくいと考えられます。
3. ファインジュエリーは再利用可能
20代前半の頃と40代に突入してからのファッションの好みなどが変化することは珍しいことではありません。ライフステージや体型の変化などに伴い、似合うジュエリーも変化していきます。
もしそれが本物素材のファインジュエリーであれば、元の素材をそのまま利用して今の好みに合ったデザインに作り直して楽しむこともできますし、
貴金属を下取りに出すことでお金を節約し、自分だけのオリジナルなものをデザインして作ってもらうというエキサイティングなプロセスを楽しむこともできるのです。
きちんとしたジュエラーの製品にはプラチナの場合はPt900、Pt950、ゴールドの場合はK18などの刻印が施されており、サイズ直しや修理、売却の際の目安にもなるので確認してくださいね。
4. ファインジュエリーは資産価値(投資価値)がある
ファッションアクセサリーとは異なり、
本物素材のファインジュエリーは何度着けても売買が可能であるため、資産的な価値もあります。
金に価値があるのは、「地球上にある金の量が決まっているため」です。
金は自然に増え続けるものではありませんし、埋蔵されている金の量も残りわずかといわれています。
そのため、金は希少性が高く価値のあるものとされているのです。
また、紙幣や硬貨は世界情勢に影響されて驚くほど価値が下がることがありますが、金や銀、プラチナの価格は長期的に見ると驚くほど安定しています。
金の価格は短期的には変動しやすいですが、長期的には常にその価値を維持しています。インフレや主要通貨の下落に対するヘッジの役割も果たしており、投資対象として十分に検討する価値があります。
地金を買って屋根裏に隠しておく(古い?笑)というのも一つの方法ですが、貴金属で美しいものを作ってもらい、せっかくのその資産を身につける機会を得る方がはるかに楽しいですよね。
注意事項としては、宝石店の中には、あたかも金のジュエリーは購入時よりも高く売れますよ〜などと言って商売をする人がいますが、正直にいうと、それは基本的に嘘です。
嘘と言いますか、説明が足りないとでも言いましょうか。
先ほど述べたように、金そのもののマーケットプライスは上がる可能性はもちろんあるにせよ、宝石店で購入した時よりお値段が高く売れるかというと、必ずしもそうではありません。
ジュエリーに限らず、商品の売価には流通経費というものがあります。
どんなにシンプルな流通経路を保っていたとしても、経営する上で必要経費はゼロではありません。
そのため、どうしても経費等を差し引いた値段、または地金の重さ・時価で換算した値段になるので、確実に購入時の値段よりは下回ります。
しかし、交換価値はあります。
5. ファインジュエリーは歴史がある
博物館や個人のコレクションに保存されている少数の代表的な作品を除けば、ファッションアクセサリーに歴史や遺産があるものは非常に少ないです。
祖母の金の結婚指輪を大切にする人、大好きな叔母が残してくれたスターリングシルバーのロケットを決して外さない人たちの数と比較すると、
貴金属のジュエリーは、年月が経つにつれて
物質的価値だけでなく、情緒的な価値も持つことが多いことがわかります。
ゴールドジュエリーやスターリングシルバージュエリーには、大量生産されたファッションアクセサリーとは比べものにならないほど、豊かな物語があるのです。
一度買えば生涯使う、使える、また場合によっては孫の代まで使える、
将来あなたが亡くなったあとでも、孫娘などが喜んでくれるジュエリー。
確かな品質の宝石と貴金属を使用した、しっかりしたつくりのジュエリーは、あなたにとっての“一生もの”であると同時に、次の世代にまで受け継ぐことができる永遠の絆となることも。
次の世代まで受け継ぐことのできる選択を。
未来にまで伝えたい美しさとときめきのあるジュエリーを選びましょう。
まとめ
あなたのそのお買い物は、心がときめいていますか?
ジュエリーを買うときに一番大切にして欲しいのは、値段の高い安いではなく、あなたの心に響くかどうか。
あなたが購入するジュエリーは、あなたのお金に値する買い物であるべきです。上質な良いものを手に入れて長く愛用するという、
投資的価値と、精神的価値
というニュアンスです。
これは消費者だけでなく、作り手から見た最終製品の価値も高めることになります。
意志や思いが宿ったジュエリーは、使い捨てにはならず、ずっと持ち主に寄り添ってくれます。
エシカルジュエリーのブランドは、高品質のジュエリーを販売するだけでなく、倫理的な手法で丁寧に作り上げ、自分だけのオリジナルジュエリーを提供しています。
そして、あなたのジュエリーが何年も、あるいは一生使えるものであるという安心感を得ることができます。
息の根の短い、安いトレンドものではなく、普段使いはもちろん、特別なシーンでも罪悪感を感じることなく身に着けられるファインジュエリーを選択してみてはいかがでしょうか。
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