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秋田県五城目町 災害救援ボランティア記録

NPO法人アスヘノキボウは、2023年7月24日、25日に秋田県五城目町(以下、五城目町)で災害救援ボランティアを行いました。地域を周りながら学ぶ新しい形の大学「さとのば大学」の連携地域として五城目町は女川町とつながりがあります。女川町から車で約3.5時間離れたところにある五城目町は、7月15日におきた豪雨による河川氾濫で土砂や水が住宅に流れ込む被害を受けました。現在、圧倒的にボランティアの人手が足りないことが五城目町の課題となります。そのことも踏まえて、五城目町の現状報告をしたいと思います。


五城目町について

記録的豪雨 出典:NHK

五城目町は秋田県中央部に位置する町です。
総人口約8,500人、高齢化率は47%であり、約半数が高齢者となります。

五城目町被害状況 要約

五城目町の被害をまとめると次のようになります。

  • 500棟の浸水被害を発表しているが、秋田県全体で1,000棟以上の被害に及ぶ可能性がある。

  • 河川氾濫が原因で、床上浸水の被害にあった家屋がほとんどだった。

  • 道一本隔てて水害を受けた場所とそうでない場所があるため、被害状況が伝わりにくい。

  • 断水が7月16日から続いていたが、7月23日に解除された。そのため、やっと家の中にある泥をかきだせるようになった。

  • 圧倒的にボランティアの人手が足りない。五城目町の半数が高齢者であるため、災害発生から1週間経っても、ぬれた家財道具を運べていない家屋も存在する。

一つずつ紹介します。

参考:水害の被害 出典:震災がつなぐ全国ネットワーク(2022)
赤い囲みが五城目町の被害状況を表す
参考:家屋復旧までの過程 出典:震災がつなぐ全国ネットワーク(2022)
赤い丸が五城目町で必要な作業となる

 被害規模

NHKによると、約500棟が水害被害を受けたと発表しています。秋田県全体では約1,000棟の水害被害を報告しているため、五城目町の被害の大きさが想像されます。

 河川氾濫

家財道具を運び出す前の様子。1m以上の数位があった。
水に浸かった床の様子

河川が氾濫し、床上浸水の被害にあいました。およそ、床上から50cm以上水が来たため、床の撤去と家財道具の運搬が余儀なくされました。

特に、床が畳である家も存在します。水を大量に吸い込んだ畳は非常に重く、運搬が大変でした。

 被害状況が見えにくい

五城目の地図 出典:GoogleMap
左側の地域は浸水被害が大きく、右側の地域は浸水被害が少なかった

道一本を挟んで水害の影響が大きかった場所とそうではない場所が存在します。特に近隣にあるスーパーやコンビニは営業を再開しているため、外部からすると被害状況が伝わりにくいです。

 断水

五城目町は豪雨翌日16日から1週間程度、断水しました。23日に断水解除が発表されましたが、家に泥がたまっている家屋も多く、これから泥かきがスタートします。泥は悪臭の原因となり、衛生的に問題が生じます。そのため、一刻も早く泥を取り除く必要があります。

 ボランティアの人手が圧倒的に足りない

家財道具をトラックに積む様子
臨時収集場の様子

先ほど、五城目町の半分が高齢者だということを伝えました。そのため、地域内で復旧作業に取りかかることができる人が非常に少ないです。

また、ボランティアの人手が足りないため、

  • 水に浸かった家財道具を外に運べていない。

  • その家財道具をトラックで臨時収集場に運べていない。

  • 泥かきが行われていない。

という状態でした。

私たちアスヘノキボウは、五城目町を5人で2日間滞在し、復旧作業を手伝いました。

家財道具の運搬と泥かきをするので、1棟あたり5人で2日間かかる
五城目町は約500棟の被害を受けた

だから、単純計算すると500棟×5人=2,500人のボランティアが必要となる

また、この作業は復旧初期段階です。

これから、家屋の復旧、生計管理、インフラ整理など数ヶ月から数年単位で復旧作業につとめなければなりません。
1日も早く日常に戻るためにはボランティアの人手が必要です。

ボランティア・寄付のお願い

復旧していくには、ボランティアの人手が必要であることを伝えました。もしボランティアに協力してくださる場合は、以下のフォームから参加届を提出してください。

ボランティアに来た際は、温泉施設やシャワールームが無料で開放されています。ここで身体をきれいにすることができます。

また、長期的に考えると、金銭的な支援も必要です。今現在、募金を受け付けている団体を紹介いたします。

一日も早い復旧と、被災された方々が日常生活に戻れるよう、お祈りいたしております。

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