看護師の働きやすさとは?

「看護師は離職率が高い」

とよく耳にしますが、実際に現場で働いている看護師として"働きやすさ"について考えたいと思います。また、リーダーとして俯瞰して見る中で気づいたことをいくつか挙げてみることにします。

(ちなみに私は三次救病院の一般床で働いている5年目nurseです。)

その1
「リーダーに話しかけやすい」
一般床は20〜30人の患者さんが入院しており、年齢層や状態も様々、この人は元気だから…と思っていたら急に状態が悪化して集中治療室に移動となるケースも多々あります。
そんな環境で患者さんの変化に気づき、素早く対応するには、報告.連絡.相談(=以下ホウレンソウ)がほんっっっっとうに重要です。

ですが、リーダーの先輩nurseがピリピリしていて話しかけるなオーラがぷんぷん出ている、わからないことがあって質問すると「まず自分で調べた?」(←これについては先輩自身がうまく答える自信がないパターンが多い)、では不安なことがあっても相談がまずできません。

すると新人nurseは自信がない手技を1人でやり失敗したり、「まぁ大丈夫だろう…」と様子観察した結果、実は急変の兆候だったが対応が遅れてしまったなどのインシデントにつながりやすいです。

私はこの「ホウレンソウを後輩がしやすい雰囲気」をリーダーが出していることが最も重要だと考えます。

その2
「こまめなコミュニケーション」

一般床で働くnurseに限らず、看護師の仕事はまさにチームプレーです。同じシフトで働くnurse、Dr、PT、薬剤師、看護助手…様々な職種がいますが、小さなことでもまめに伝え合うことが大切だと実感します。

例えば、1人の患者さんに対して、ICをしたいDrがいて、常用薬を確認したい薬剤師がいて、リハビリに入りたいPTがいて、そこに清拭などケアをしたいnurseもいる…患者さん本人に予定を伝えることはもちろん、他職種スタッフ同士で、どのくらい時間がかかるか、どのような状態で準備しておけばよいか、また患者さんの反応はどうだったか、など事前、事後に共有することでスムーズに予定を進めることができます。

逆にこれがないと、あっ…まだIC終わってない…、これからケアしたいのに検査に行っちゃった…あれ、記録と本人の話が違う…などすれ違いが起こりまくります。

コミュニケーションを面倒くさがらずにきちんととること、これも非常に重要だと思います。

その3
「声を掛け合う」

「〇〇さんお昼いけそうですか?」「おわってないことある?」「手伝えることありますか?」

私の職場ではこのような声かけが非常によく聞かれます。看護師は多重業務なので、複数の受けもち患者さんそれぞれの内服、点滴、食事、清拭や排泄ケアに加え、検査や手術などの準備、それに加え予定外の緊急処置や状態の急変など予測できない業務もどんどん重なります。
(すんなり介入できる患者さんとは限らず、キャラクターの濃いタイプの方も多いのでその時は通常の倍時間がかかります)

自分がバタバタと仕事を抱えているとき、他の比較的手が空いているスタッフが気づき、何かするよー?と声をかけてくれる時、本気で彼女が女神に見えるのです。

こうして自分の仕事だけに集中するのではなく、周りの状況もよくみること、手を貸すことで協力し合い、多重業務をこなしていくことができます。この「声の掛け合い」がまさにチームプレーであり仕事のやりやすさにつながっていると考えています。


まずは3つ挙げてみましたが、書いているうちに他にも沢山思いつきます。私は入社後からずっと同じ職場で5年目となり、そこまでストレスなく仕事をしていますが、1年目の頃は本当に毎日先輩から注意を受け、ミスを怒られ、(私の場合は出来が悪くて、態度も今となっては悪かったので正直完全に目をつけられていました冷汗)仕事と向き合うのが辛くて、勉強しなければいけないとわかっていても現実逃避を繰り返して(連日飲みに行ったり)いました。
当時を振り返ると、まず本気で先輩が恐かった(笑)常にピリピリしている、すみません…とおずおず話しかけてもこちらを見てくれない、話聞いてる??みたいな感じ。
例1)この患者さんは〇〇ってことで合ってますか?→いいえ。で終わらせる先輩(そこで終わり!そのなにも教えてくれない!)
例2)
「あの…この場合はどうしたらいいですか」→「自分で調べた?考えた?」(考えてみてわからないし調べる時間がないから今聞いています!!!)

そういった恐ろしい経験が積み重なって、自分はこういう嫌な言い方をする先輩にはなりたくないなー、自分だったら(調べてこいじゃなくて)ちゃんと根拠を伝えたうえでやり方を教えるなー、話しかけられたらちゃんとそっちをみるし(当たり前)一緒に内容を考えて答えるなー、など考えるようになりました。

年数が上がり後輩の数が増えた今は、新人の頃に抱いたモヤっとした感情を忘れずに、きちんと知識をつけ、経験を活かし、患者さんからもスタッフからも信頼されるリーダーになれたらなーと考えています。

と、まとまらない文章でしたが、看護師がやめずに頑張って続けられる職場は、こんなことが自然とできている環境なんじゃないかと思います。

最後に、私が新人1年目の時に出会った本の中で、自分の中でしっくりきた言葉を。

「楽しく仕事をしている人はいない。楽しそうに仕事をしている人はいる」

あ、なんか楽しそうに仕事してる。っていうnurseでありたいです。

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