40代看護師(役職なし)のキャリアアップの方向性
日々の業務が忙し過ぎて、退職・転職が頭をよぎる看護師は、私だけではないと思います。
40代も半ばになり、キャリアアップしている同世代も多いのでしょうが、私は毎日「これでいいのかな?」「陰で何か言われているかも」という不安や自信の無さを抱えて働いています。
でも看護師を辞めたいか?というと、そうでもないのが不思議です。
こんな私でも、やってみたいことはまだあるから、なのかもしれません。
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看護師のキャリアアップ!ジェネラリストって何?
退職を考えると、転職先も探してしまうのですが、本当は一旦分けた方が良いのかもしれません。
大したキャリアはありませんが、看護師の経験年数と働いてきた職場は病院、クリニック、老人施設、デイサービス、在宅とそれぞれがどの様な機能を持ち、連携しているのか、というのは体験してきました。
病棟で働いていた時は、専門性が全てだと信じ込んでいたので、専門看護師や認定看護師の資格をとることが正しいと思っていましたし、最新の医療について学ぶことに必死でした。
専門性を極めるのはスペシャリストですが、もう一つ看護師のキャリアアップにはジェネラリストもあるんです。
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看護師の可能性は無限大?
ジェネラリストとは、幅広い分野の仕事を経験し、豊富な知識やスキルを持っている人材 のこと、と定義されています。
日本看護協会によると、ジェネラリスト看護師は「特定の専門あるいは看護分野にかかわらず、どのような対象者に対しても経験と継続教育によって習得した多くの暗黙知に基づき、その場に応じた知識・技術・能力を発揮できる者」と定義されています。
特定の専門分野で成果を出せない自分を責めることが多いのですが、色々な職場で、あらゆる疾患や障害や症状を持つ、さまざまな年齢の方と、医療だけではない私の経験からお伝えできることもあるのではないかと感じます。
看護協会が定義するジェネラリストを繰り返し読むと、看護分野にかかわらず、どのような対象者にも、と書かれています。
病気のある・なしにかかわらず、どのような場所でも、何歳でも、看護が必要な方に看護を提供するということなのでしょう。
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もう少し続けてみようかな
精神科の訪問看護で働くようになってから、医療処置はほぼしていませんが、自宅で利用者さまが安心して暮らせるよう、医療の知識を元にしたアドバイスをすることは増えました。
困っていることや、不安なことを言葉にするプロセスもお手伝いしています。
水抜きや家電のエラーコードの対応、食器洗い、スマホの使い方、各所への電話等々の生活面の支援もしています。
目には見えないですし、すぐに何かが変わるわけではありません。
しかし、フトした時に、利用者さまがご自身で考え、対応している場面を見ると、自立した生活に向けて役に立てたのかもしれない、と嬉しく感じる瞬間があります。
最近は保険外で看護師を利用する方も増えています。お金を支払えばですが、利用できる時間や支援内容は格段に広がっています。
仲間の看護師は看取りや介護、更年期、適応障害といったコンテンツを取り扱っています。これらのコンテンツは誰もが経験する可能性が高いのに、辛い、大変といった情報が多くを占めています。
どの様な情報を知っているかで、その時の過ごし方が大きく変わってきます。看護師として少しでも多くの人が健やかに過ごして欲しいという新たな関わり方です。
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看護師になり、長らく息苦しさを感じながら働いてきました。息苦しいのは、看護を提供する相手や方法が決まっていることも理由の一つなのかもしれないな、と思います。
ジェネラリストの方向に進むとして、まだまだ知らないことも足りないことも多いけれど、あらゆる人が看護を必要としているなら、私もあらゆる方法で安心・安全を届けられるようになろうと思ってしまうのです。