天文部のレベルアップのために
天文ブーム、というのは確かにやってきている。
SNS上では、天文現象の度に、アレを見よう、コレを見ようと、話題になる。
ただ、それに触れた子供たちが、その魅力に、十分に触れる環境が準備されているか、というと、それは微妙である。
一匹狼で天文やってる、各クラスひとりいるかどうかの逸材を除いて……
http://star-story.at.webry.info/201109/article_1.html
とくに高校の天文部、だと、夜間の活動に制約がかかる例がほとんどである。
夕方の現象であっても、19時、20時となるともう「下校時間」は過ぎてしまう。
天文部が、ホンモノの星空を見る機会、というのはほとんどないと言っても過言ではない。
せいぜい、年間数日の合宿がある、という程度である。
数少ない、恵まれた環境の天文部。
もしくは、数少ない、自力で動いてしまう「逸材」以外、実際に天文部として活動していくことが困難なのである。
そこで、代替の活動として与えられるのが
「学園祭でのプラネタリウム」
だが待って欲しい。
実物に触れたこともない生徒の、プラネタリウムのためのプラネタリウムが、本当の意味で教育的に役立つだろうか。
もう少し、多様な活動が出来るようにしていかないと、ほかの学問と比べて、若手の育成という点で遅れをとってしまう可能性というのが高くなる。
高校を中心に、夜に活動出来ない、という兼ね合いで、観測活動がほとんど出来ず、ってのが、天文活動のレベルを著しく制限している。
そのせいで、大学でも、毎年コンスタントに入ってくるレベル、は結構クソ。
高校時代の活動内容について「逸材」と呼んだ天文ファンの学生が、今度はそのクソレベルをバカにして、大学のサークルには入らない、という流れもできている。
そういう連中が、どの面下げて天文教育に関わるのか、お前らマウンティング出来る相手じゃないと普及でけへんのやろ、というのが正直な感想なんだけれど。
とはいえ、対等に、かつ高度な天文ファンってのが僅少、かつ育成出来る環境がないのは問題ではある。
それはそれで、今度は科学館のレベル問題になってくるので、別の話。
理想の天文サークル、としては、志あるメンバーが定期的に入ってきていかに自由に出来るか、が勝負となる。
一定以上のレベルの大学の天文サークルにはそういう連中が頻繁に入ってくるのだろうけれど。
そもそも、そういうレベルで天文に興味を持てる高校生以下(※中学生以下だとそもそも天文部すらない)を効率よく育てたい、というのが……
現時点では理想論でしかないのだけれど、教育改革のなかで出ている、スポーツ系のひとたちの「部活の素人指導問題」と連帯して、部活顧問の外部委託、を、一緒に連帯して、夜間の観望会などを受け入れていく、というのがこの業界でも出来るのではないだろうか。
もっとも、その受け入れ先として科学館での観望会が少ない、という問題も地域によっては存在するし、代替受け入れ先としての民間活動が活発なエリアも多くはないけれども。
低年齢層の興味に応えられない業界事情は、天文業界の未来を暗いものにしている。
高校生以下の年代の興味を喚起する場をいかに作れるか。
それが、その後の天文普及教育にとっても大切な問題になっているといっていい。
そして、これは日本の科学のレベルを高めるうえで、非常に大切だと信じている。
天文に限らず、科学者が科学を志すきっかけとして、「こどものころに顕微鏡もしくは望遠鏡を買ってもらって」という例が、リンク先(Twitter)に限らず、多く存在する。
おとなは、わからなければ地域の天文普及教育に預けることで……
そういうこどもを育て上げる第一歩になるのではないだろうか。
日本の科学者のレベルアップにもつながる第一歩と信じて、まずは高校天文部の活動の活発化を訴えておきたい。
※いつもの投げ銭だよう!
この下に内容はないよう!
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