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深宇宙探査Hubble eXtreme Deep Fieldの公開データをもとに三色合成画像を作成してみました

キレイかなと思って,深宇宙探査Hubble eXtreme Deep Fieldの公開fitsデータをもとに三色合成画像を作成してみました.

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これはキャプチャ画像ですが,作成した画像は約10000 x 10000 pixelsです.

ほんの一部をズームインするとこんな感じ.きわめてたくさんの天体が見えていることがわかるかと思います.

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この元データは,Hubble Ultra Deep Fieldなどのさまざまなプロジェクトで取得された,ハッブル宇宙望遠鏡の長時間におよぶ観測データをコンパイルしたもの.

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作成した画像の夜空におけるサイズは満月の1/100くらいです.
満月のサイズは,腕を伸ばしたときの親指の爪くらいの大きさなので,作成した画像のサイズは夜空の面積としてはとても小さいです.

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観測されたこの領域は「ろ座」のあたりに位置していまして,肉眼では(たしか)何も見えない暗い領域なのですが,ハッブル宇宙望遠鏡による数十時間のデータを重ね合わせることで,そのとても小さい領域に,たくさんの天体が浮かび上がってきました.

ハッブル宇宙望遠鏡の観測時間をこれほど多く投入している天域はなくて,既存の望遠鏡でハッブル宇宙望遠鏡より高感度の観測装置はありません.したがって,このデータは人類がこれまでに取得した可視画像の中で最も感度の高い画像と言って良さそうです.

ちなみに,この領域にはこれまでに見つかった中で最も遠くにある天体候補があるとされます.赤方偏移にして11.9程度,ビッグバンからわずか約3.7億年後の宇宙にある可能性があります(現在の宇宙は約138億年).ただ,ハッブル宇宙望遠鏡で大量の観測時間を投入してようやく検出できる天体なので,既存の観測装置では分光同定することは厳しそう.

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赤方偏移z=11.9銀河候補の画像.画像サイズは2.4 arcsec四方.左から1.05um,1.40um,1.60umでの画像.銀河からの光が中性水素による吸収を受けているため,1.60umより短い波長では何も見えていない.(Ellis et al. 2013, ApJ, 763, L7; https://ui.adsabs.harvard.edu/abs/2013ApJ...763L...7E/abstract

感度計算したことはないですが,近いうちに打ち上げが計画されているハッブル宇宙望遠鏡の後継機,JWSTでの分光確認が待たれるといったところか.

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https://spaceflightnow.com/2020/01/30/government-watchdog-warns-of-another-jwst-launch-delay/


余談1:
データのダウンロード元
https://archive.stsci.edu/prepds/xdf/
では,これまでにこの領域でハッブル宇宙望遠鏡の可視カメラACSと近赤外カメラWFC3で取得されたいろいろな波長でのデータを重ねたデータが用意されています.今回ダウンロードしたのは短めの波長の435nm,606nm,775nmのfitsデータです.それぞれの積分時間はメジアン値で
 435nm:152.4 ks = 42.3 hr
 606nm:174.4 ks = 48.4 hr
 775nm:377.8 ks = 105 hr
とのこと.


余談2:
三色合成画像は,fitsデータをもとにAPLpyを使用して作成しました.
https://aplpy.github.io/

明るい銀河を見えやすくすると暗い銀河が見えなくなって,暗い銀河を見えやすくすると明るい銀河がサチって見えなくなったのですが,スケールを対数にしたらそこそこ良い感じになったような.


余談3:
ハッブル宇宙望遠鏡のACSカメラの視野サイズは202秒角x202秒角.
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8E%83%E5%A4%A9%E8%A6%B3%E6%B8%AC%E7%94%A8%E9%AB%98%E6%80%A7%E8%83%BD%E3%82%AB%E3%83%A1%E3%83%A9

一方で,月の視角は0.52 deg.
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A6%96%E8%A7%92

したがって,月の見かけの面積中にACS視野が何個入るかというと,
(pi*(0.52/2)^2) / (202/3600)*(202/3600) ~ 70

上の文章で画像サイズについての記述では,これを大まかに100としています.天文学なら70も100もほぼ一緒かなと.






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