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エッセイ

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最近買ったもの

最近、物欲を満たすことで心を埋めている感じがあっていろんなものを買ってしまったので、購入品紹介をしてみます。Youtuberみたい。 本ほとんど院試と卒論用。とかいって、自分は趣味で好きなものを研究でもやっているので経費で私物買ってるみたいなものです。そう言って正当化している。家計簿をつけるとき、娯楽カテゴリの本っていう項目と、学習カテゴリの文献って項目があるんですが、全部文献で登録しています。ちなみに紙って植物からできてるから、積読は実質観葉植物ってことらしいですよ。

人生で初めて絵を買った。

先日、人生で初めてギャラリーで作品を買った。正方形の黒い画面にケルトの組紐紋が白く抜かれ、内部が赤と青紫のグラデーションで彩られている。この絵を初めて見たのは今年の三月のことで、ちょうどそのころ鶴岡真弓先生の『ケルト/装飾的思考』をはじめとした本でケルトの組紐紋と写本装飾について勉強していたため、飾られていたいくつかの絵の中で目に止まったのだった。 ギャラリーと書いたが、作品と出会ったのはギャラリーカフェと銘打たれたカフェと併設のギャラリーであり、元々はそこでやっていた漆作

物書きの夢。国会図書館。

小さい頃、物書きになりたいと思っていたことがある。小学校の卒業文集やなんかの「将来の夢は?」という質問には毎回「学芸員」と答えていたのだが、それとはまた別で物書きという夢がうっすらと自分の中にずっとあった。 小さい頃の自分はまさに本の虫だった。自分で文章を書くのも好きで、友人に希望された設定の物語を書いたり、自分で考えた話をノートにちまちま書いては友人に貸してみせるということをよくやっていた。自分が物書きに向かないと気がついたのは確か中学の頃で、好きな作家の文体の癖やよく一

ひとり旅のこと〜後編〜

昨年のひとり旅に関する記録。後編は京都から伊勢へ移動して四日目以降の話です。 初めての伊勢四日目、最終日がほとんど移動の予定で埋まっていることを考えると、丸一日を自由に使える最後の日である。この日は本来早起きをして二見浦の夫婦岩から登る日の出を見る予定だった。だが寝起きはしばらく体調が優れないことを考慮してこれは諦めることとし、伊勢まで来たのだから伊勢神宮へはなんとか参拝したいということで、お昼頃宿からバスに乗って伊勢神宮へ向かった。 バスを降りるとそこには大鳥居があり、

ひとり旅のこと〜前編〜

少し長くなるが、昨年した人生初のひとり旅について記しておきたい。 きっかけは京都への"必要至急”の用事であった。院進を控え気になる大学の院試の過去問をのぞいていたところ、どうしても現地の大学事務室でしか過去問を入手することができない大学があることに気が付いた。たったそれだけのために、と今では思うのだが、その時の私にはどうにもこれを口実にしてひとり旅を実行したい思いがあった。 結局「交通費が勿体無いから」という理由をつけ京都の他に三重県の伊勢方面にも足を伸ばすことにし、京都

古書店にて

地元で典型的な古書店を一軒見つけた。神保町にあるようなこうした古書店は地元ではあまり見かけないと思っていたのだが、自分の行動範囲の中に一軒そうしたものがあるのを見つけた。 入り口を入ってすぐ横のスペースに全集や長編の書籍が巻を揃えた状態で括られているのがいくつもうず高く積まれている。私はその群の中に「日本の工芸」と書かれた背表紙の並びを捉えた。値札がわりの小さな裏紙には赤いペンで「800」と書かれてある。ゼロを一つ見間違えたのだと思った。全部で11巻に及ぶそれなりの規模の全