ゾノさんが何言っているかわからんのだが。
もう2年ほど前の記事ですが、パワー計使ったトレーニングしている人なら、このシクロワイヤードの記事、速さのロジックが披露された西薗良太の講演会 にご記憶がある方もいるかと思います。
で、いきなりわけわからん数式が出てきて、難しい! というやつでした。
でも、これ、ゾノプロ(いまは元プロ)が狙って書いたんだと思うけど、ほんとはこう書くべきでした。
ね、こっちの方が簡単そうでしょ?
だいたい、べき乗を表すのに ^ をつかったり、掛け算に * つかったり、さらには、一般に密度によく使われるギリシャ文字 ρ のかわりに rho なんて書いたりしてはだめなわけです(笑
で、本質はそんなことではなくて(笑、まずこの式は、速さ v で走っているときに、空気抵抗に対抗するために余分に必要なパワー(単位時間あたりのエネルギー)を表している、というのがポイントです。
で、さらにいうと、係数の1/2はどうでもよくて、
余分に必要なパワー = (空気抵抗にかかわる係数 Cd)× 前方投影面積A × 空気の密度 × 速さの3乗
という関係にあるので、一番大事なのは
速さの3乗に比例する、
ってことです。2倍速く走れば、パワーは8倍必要で、速く走れば走るほど、空気抵抗が急激に大きくなり、速度を維持するのにパワーが余分に必要になります。
でも、同じ速さを維持しつつ、できるだけパワーを減らしたいなら、空気の密度はそう簡単に変わりませんから、
(空気抵抗にかかわる係数Cd)× 前方投影面積A を減らす
しかありません。とくに速度域が高いと重要です。それが、この講演で語られている、
Cd×Aをどうやって下げるか
という意味です。具体的にはワンピを来たり、エアロヘルメットを使ったり、フォームを変えたりするということです。
「前方投影面積」はその名の通り、自転車に乗っている人を正面からみたときの面積です。単純には面積が大きいと空気抵抗が増えます。トップチューブに座るようなエアロフォームを取るとこの面積を減らします。
一方「空気抵抗に関わる係数」は、ライダーのまわりの空気の複雑な流れと関係していて、理論的には簡単には決まらないので、実験結果から求めます。講演では、ゾノプロが実測したことが語られていますね。
ついでに言うと、記事中の
・質量は軽いにこしたことはない。慣性質量も
の意味は物理的にはちょっと不明です。慣性質量というのは、運動方程式にでてくる加速度の時間変化の係数、のことですが、これが重力によって生じる質量(重力質量)と同じ、というは等価原理と言って、アインシュタインの一般相対論の基礎となる原理です。
まあ、ここでは、体重は軽い方がいいよ、と理解すればいいと思います(必要なエネルギーは減りますから)。でも、下り坂では空気抵抗の関係で質量は重い方が有利です(それはまた別の機会に)。 (了)
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