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コレステロールはだまされない

私はオールAの人生を歩んできた。
非の打ちどころがなかった。
ほんの数年前までは。

長年職場で受けてきた健康診断。
その中の血液検査。
私はずっと「正常」だった。
肝機能も腎機能もそれ以外の項目も、すべてパーフェクトだった。

ところが4年前、ある項目において突然イエローカードを突きつけられた。

中性脂肪、LDLコレステロール、総コレステロール。
いわゆる脂質3兄弟
これが、A判定(正常)からC判定(要観察)となったのだ。

このときはまだ楽観的だった。
そうか、まあ年齢的にしかたないな。
母も姉も高いし、同年齢の友人も高いって言ってたし。

しかし昨年の健診で1段飛ばしてE判定(要精密検査)となり、さすがに危機感を覚えた。
この判定を受けると、対処して職場に報告せねばならない。
なんとかしなければ。
とりあえずは食生活に気をつければよいのだな。
私は甘いものが好きなのだが、控えるようにしよう。

と思ったのも三日坊主。
今年の健康診断が近づいた頃に思い出し、慌てた。ヤバい。

そんな時、ある筋から有益な情報をきいた。
中性脂肪は付け焼き刃がきくというのだ。
検査の少し前から、なんなら1週間前でも、甘いものや油っこいものを控えたらなんとかなるらしい。

そうか、一夜漬けなら子どもの頃から得意だったぞ。
その時点で健診の4週間前。時間は十分だ。
私は頑張った。

情報は正しかった。
なんと、E判定からA判定に戻ったのだ。

がくんと下がった数値を見てもまだ信じられなかった。
中性脂肪、ちょろいやつだな。
私はきみのような人が大好きだよ。

しかし、LDLコレステロールは甘くなかった。
さらに数値が上がってしまっている。
悪玉コレステロールの名にふさわしく、手強いやつだ。

中性脂肪は直前の努力を認めてくれた。それ以前の11ヶ月の不摂生をなかったことにしてくれたのに。きみは認めてくれないのか。

「経過ではなく、結果を示せ」
どこの職場にもひとりはいる、そんな上司。
LDLコレステロールはそんな非情なタイプなのか。私はきみとは友達になれそうもない。

LDLコレステロールは動脈硬化の原因となり、様々な疾患のリスクを高めてしまうものだ。
これはなんとかしたい。
付け焼き刃ではなく、根気と継続性が必要だ。

いっそエーベルバッハ少佐にアラスカ送りにされたら、質素な食事と規則正しい生活が送れてよいのだろうか(※)。

私の長い闘いが始まった。

※アラスカに送られたAからYまでの25人の部下は太って帰ってきたので、ダメだと思います。

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