見出し画像

未完の大作とスピリチュアル

2週間ほど前に美内すずえさんが更新されたTwitterに、こう書いてありました。
「アマテラスもガラスの仮面も続編を諦めたわけではありません」

これを読んで少し複雑な気持ちになりました。
そうか、「アマテラス」が先なのね…。

アマテラスは、ガラスの仮面と同じく美内さんの作品です。
超能力を持つ女の子が主人公の、神とか宇宙とかムーとかの超常世界を描いたお話です。

私も1巻だけ読んだことがありますが、とても壮大なストーリーのようでした。
5巻以降は休載になっているそうです。

美内さんがガラスの仮面を描き始めたのは25歳の時。その10年後からアマテラスが始まりました。
どんなに興味のある分野でも、人間は長年それに対するモチベーションを維持し続けることは難しいでしょう。
それを思えば、ガラスの仮面が作者25歳〜還暦を過ぎるまで連載中(一応)であるということに感謝すべきなのかもしれません。

しかし。
このガラスの仮面と他の作品の間にはきっちり線引きをして欲しい。
特に宗教色を持ち込まないで欲しい。

ガラスの仮面の文庫版23巻。
"梅の谷"で月影先生が演じた紅天女。
それを見たマヤと真澄さんが、川をはさんで向き合う場面があります。

「捨ててくだされ。名前も過去も。阿古夜だけのものになってくだされ」
阿古夜のセリフにのせて愛の言葉を真澄さんに伝えようとするマヤ。
それを聞いてマヤに手を延ばす真澄さん。
やがてふたりの魂が体を抜けて、宙で抱き合う…。
というエピソードです。
ふたりのバックには壮大な宇宙が広がっています。

いや、萌えない。
まったく萌えないんです。すみません。
これまるっとガラスの仮面じゃない。

マヤは舞台の上では女神にでも魔女にでもなれる役者です。
舞台の上や稽古中には、確かに神がかったようにしか見えないこともあるでしょう。
でも舞台を下りれば、ごくごく普通の女子です。

真澄さんにいたっては、マヤに牙を抜かれたとはいえ、現役バリバリのビジネスマン。
会社のためなら限りなくグレーな仕事にも手を染める、神の世界とは対極の俗世に生きる人のはずです。

どうかアマテラスはアマテラスの中だけでお願いします…。

23巻以降、これほどはっきりしたスピリチュアルなシーンはありませんが(ふたりのシーンは、です。紅天女の演技シーンでは山ほどあります)、紅天女自体がすでに思いっきり精霊として描かれていますから、この先も少し不安です。

どんな大作でも、10年くらいのうちに完結するのが読者にとっても作者にとっても良いのかも。そう思います。

そして、「未完の大作」&「スピリチュアル」というワードで私の中の検索エンジンに引っかかるのが、
「7つの黄金郷(エルドラド)」

大好きでした。

To be continued…

「紅天女」 やっぱり阿古夜さん。

この記事が参加している募集

#読書感想文

186,993件

#マンガ感想文

19,703件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?