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読書処方箋

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読書記録。どんな時に読むのがおすすめかを、ネタバレしないように書いています。
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【読書処方箋】月の裏側 恩田陸

【読書処方箋】月の裏側 恩田陸

症状 懐かしさが恋しい
   B級ホラーへの禁断症状がおさまらない

きょう‐しゅう【郷愁】キヤウシウ
①他郷にある人が故郷をなつかしんで寄せる思い。ノスタルジア。「―にかられる」
②過去をなつかしむ気持。「若き日への―」

なつかしさ風味のホラーを味わいたい時はぜひこの本を手に取って欲しい。

なつかしさを思ってイメージするものは十人十色で、私の場合は長く住んだ某県の社宅の庭やベランダ、近所のパ

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【読書処方箋】友罪 薬丸岳

【読書処方箋】友罪 薬丸岳

処方 とんぷく(落ち込んでる時には避けた方がよい)
症状 自分の生きたい道が見えない
   人とのつながり方に迷っている

もし、親しくなった人が過去に犯罪を犯した犯罪者だったらどうするか。

家族との関わりで傷を負っている私はこの手の話では相当なダメージを食らう。それは、人と向き合ってこなかった自分を目の当たりにさせられるからだ。

向き合うことを避けて、結果的に相手を傷つけることになり、それで

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【読書処方箋】天使の囀り 貴志祐介

【読書処方箋】天使の囀り 貴志祐介

天使の囀り 貴志祐介

処方 とんぷく
症状 平凡な日常に辟易としている
   パートナーの愛情が感じられない

天使
①天子の使。勅使。正法眼蔵行持上「―また食を再送して師を尋見するに」
②(ギリシア語のangelosは「派遣された者」の意)神の使者として派遣され、神意を人間に伝え、人間を守護するというもの。セラピム(熾し天使)・ケルビム(智天使)など。エンゼル。エンジェル。〈哲学字彙〉
③比喩

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