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イサム・ノグチ展

夏の思い出を書いてみたいと思います。今年の夏も感染状況が厳しく、旅行へ行ったり友人と会ったりできませんでしたが、ほとんど唯一のお出かけとして、東京上野の東京都美術館で開催されていたイサム・ノグチ展へ行きました。


この写真は灯りのインスタレーションですが、石の彫刻、しかも抽象的な彫刻が多かったです。石の彫刻なんて私にその良さがわかるだろうか、楽しめるだろうかと思いながら行きましたが、とてもよかったです!


たしかに抽象的で、題名が「無題」(題名がない!)という作品もありましたが、十分に楽しめました。石は形だけでなく、色や質感がほんとに雄弁なんです。見ていて飽きません。石の切り口ひとつをとっても、ざらざら、つるつる、冷たそう、美味しそうなどいろいろな感想が沸いてきました。


撮影が禁止されていたので写真は撮れなかったのですが、私のお気に入りは羊羹のような、チョコレートケーキのような石の彫刻でした。いちばんの感想は、やはり「美味しそう」。石に対してそのような気持ちを抱くとは発見でした。


灯りのインスタレーションは、ノグチ氏が、自分の作品のフレイバーを自宅でも楽しんでほしいという願いを込めて作ったそうです。一般の人たちはノグチ氏の石の彫刻を見て気に入っても、自宅に持ち帰って愛でることはできませんものね。

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こうした縦長(長さ2メートルくらい)の灯りもありました。戸建てに住んでいて、玄関に広い吹き抜けがある人でないと無理ですねえ。こんなに大きな芸術作品と暮らすことができたら素敵です。


入場時間指定の事前予約制になっています。私たちは平日午前10時に予約して入場しました。かなりすいて、ゆっくり石と対話することができました。中はエアコンがほど良く効いていて涼しく、ほの暗いフロアーに作品がやさしく照らされていて、非常に落ち着きました。

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最後にHSP的な感想を少しだけ。。。

刺激過多になりやすいHSPにとって、情報量が多いとそれだけで圧倒されてしまい、楽しむことが難しくなります。私にとって、イサム・ノグチ展は心地よい情報量(つまり情報が多過ぎない、最適である)で安心して楽しめました。


作品そのものは石、紙、鉄板などで造った抽象的な作品で、刺激過多にはなりませんでした。頭が休まり、気分がすっきりして、リフレッシュできました。これは私にとってそうだったという意味で、この分野に詳しい方や専門家にとっては、情報量がいっぱいで大いに刺激を受けるということも考えられます。


情報量というのは、見るもののの情報だけでなく、音がうるさい、光が強い、周りに人が多い、暑い寒いという環境面も含みます。今回の展示場は静かで、暗く、人が少なく、涼しいという面で最高でした。


HSPの人もそうでない人にも心からおすすめできる展示でした!

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