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【歌詞考察】「神様は死んだ、って」において斑鳩ルカが信じていた神様の正体とは

物騒でインパクトのある曲名とハードなサウンドで悩める現代女子たちの「カミサマ」として話題沸騰中のソロアイドル「斑鳩ルカ」。THE IDOLM@STER SHINY COLORS Xmas Party -Silent nightのDay2にてサプライズ披露された「神様は死んだ、って」の歌詞が1月6日(木)歌ネットにて公開されましたので歌詞考察を行いました。

この曲を考察するためにはシャニマスゲーム内のコミュだけではなく、史実やモチーフとなるものまで調べる必要があり、かなりの時間を要しました。
この記事自体も少し長めとなっておりますが、何か得られるものがあると思いますのでお時間のある際にご一読いただけますと幸いです。

歌詞考察をするための前提知識

斑鳩ルカとこの曲を読み解くためにはいくつか必要な前提知識があります。
①キリスト教(イエス・キリスト)について
②斑鳩(三光鳥)について
③八雲なみと天井努の過去について
④美琴とルカの過去の関係について
⑤美琴とにちかの今について

上記内容はこれから歌詞考察にて順次解説させて頂きます。

また、最初に結論をお伝えすると斑鳩ルカが考える「神様」の正体とは
「歌やダンス、パフォーマンスで人を魅了するアイドル」のことだと自分は考えました。
この「神様」というのは1人の特定の人物を指し続ける言葉ではなく、作中や曲中で何回かバトンタッチします。ある時は「八雲なみ」、あるときは「緋田美琴」、ある時は「斑鳩ルカ」だったりと言う具合です。
上記内容を踏まえた上で考察を進めていきます。


【歌詞考察】神様は死んだ、って

あぁ、嫌い
憐れむみたいなその眼が
あぁ、嫌い
何様気取り?

歌詞の冒頭部分は美琴のWING編における3個めのコミュ、
「bygone(過去の)」から始まります。
シャニマス時間軸としては「美琴とルカがユニット解散後~美琴283プロダクション所属」までの間となります。
アイドルを再開し、仕事でテレビ局にきていたところ、数々の業界人と再開し挨拶をしていた美琴がルカと遭遇するシーンです。
ルカに「なんでこんなところにいるんだ」と問いかけられた際のやり取りがこちらです。

ユニット解散後の初会話【緋田美琴】WING編(bygone)

ルカは「自分とアイドルを組むことをやめたのに、なんでまたアイドル業界にいるんだ?」と思っていた所、美琴は「またアイドルをしている」と言います。「そうかよ、そこまでして」に続く言葉としては
「どんな手段を使ってでもアイドルをやりたいのかよ」がくると自分は考えます。現状、パフォーマンスを極めた美琴よりも、ルカのほうが売れてしまっている描写があり、この業界では「パフォーマンスの素晴らしさだけでは生き残れない」とルカ&美琴ユニットでわかっていたはずなのにも関わらず、同じことをしている状態です。それに対して美琴は憐れみの眼で返事をします。

ルカを「憐れむような眼」で見る美琴【緋田美琴】WING編(bygone)

明記はされていませんが、ルカと美琴はいわゆる方向性の違いで解散したのだと思います。
美琴はノーカラットでにちかに「アイドルになれない人とは組めない」と言っていました。

アイドルになれない人とは組めないと告げる美琴【ノーカラット】第6話(Ⅶ)

この「アイドル」というのは「歌やダンスで魅せるアイドル」を指しています。ルカはこれから外れて、「カミサマ」というキャラ付けで売れてしまったのでしょう。その結果、美琴が目指すアイドル像ではなくなったのではないかと推測します。
そのため美琴はルカと解散して再スタートしたわけですが、方向性の違いで別れたルカが自分の目指すアイドル像に口出しをしようとしてきたので「貴方とは目指す方向が違うし、関係ない話でしょ(他人)」という気持ちで返事をしていたのがこのシーンではないかと思われます。
ソロ活動をして売れているにも関わらず、以前よりも楽しそうにしていないルカをみた美琴は「自分がやりたくないことで売れるぐらいなら死んだほうがマシ」と憐れみの目でルカを見ていたのかもしれません。

まとめると「ルカのほうが売れているはずなのに、売れてない美琴がルカのことを憐れみの眼で見てくること」が嫌い。と読み解けます。


あぁ、嫌い
綺麗事の刃で
流れた血の黒さも知らずに

歌詞上で段落が入り場面転換します。
シャニマス時間軸としては「ルカが売れ始めた頃の美琴とマネージャーの会話」になります。(SHHis感謝祭コミュ)美琴は最高のパフォーマンスを魅せるために「コンテンポラリーダンス」を企画しますが、コミュのタイトルであるコンコルディア(調和の女神)の役割を持つマネージャーは「ルカは他の仕事もあるから、スケジュールを抑えられない」と美琴の提案を綺麗事と共にやんわりとたしなめます。

マネージャーによる綺麗事の刃【SHHis感謝祭】コンコルディア

ルカは美琴のパフォーマンスや意識の高さ、アイドルに向き合う姿勢に対して妄信的とも言える描写があり、自分よりも美琴を優先する描写がありました。そして、美琴と高みを目指すことが過去の望みでした。
このあたりでルカは美琴に「神=歌やダンスで人を魅了できるアイドル像」を感じています。

美琴を「神」として盲信し、尊敬しているルカ【SHHis感謝祭】#####

ですが、マネージャーの独断によりルカは美琴とコンテンポラリーダンスを出来ず売れてしまい、幸せになれず後悔を続けて現在に至ります。
ですが、ルカ自身が後悔をしながらアイドルをしていることを美琴は知らないはずです。なぜなら解散後二人は連絡を取り合っておらず、テレビ局で始めて再開したからです。
これが「マネージャーによる綺麗事の刃でルカ自身が傷ついて血が流れても、その血の色が実際に何色だったのか美琴は知る余地もない」という状態かと思われます。


イバラの中に落とされた体
絡まって 痛くて 泣いて 裂けて 傷だらけ
いっそ死んでしまいたいな、って
抉り出された劣等感が
ズキズキ ズキズキ 毎日うるさいの

ここからキリスト教のお勉強タイムに突入します。
キリスト教における「イバラ」とは荊冠を指していると思われます。
荊冠とはイエス・キリストが磔になった際に被せられた荊の冠で
「受難(成業と苦しみ)」を意味します。

ルカは自分が本来やりたかった「美琴とパフォーマンスを高めていく」という目的から逸れる形でマネージャーに用意された「茨冠」をつけて、「カミサマ(偶像の対象)」というキャラで売っていくことを推奨されたのでしょう。その行動はルカの気持ちを傷つけましたが、結果的に現代女子から人気を集める(成業)ことに成功しました。
美琴と比べてダンスや歌のパフォーマンスのレベルが低いのに、「カミサマ」というキャラで売れてしまっている現状が劣等感となり、美琴をみると
苦しいのでしょう。

(Oh my god!
紛い物の救済
楽園はどこにもない
満たされない渇き
病める子羊)

SHHisのユニット曲のタイトルと同じ言葉がでてきます。
日本では驚いた時などに「Oh my god」と使いますが、英語単体だけでみると「あぁ、私の神」とも読み取れます。
ルカはマネージャーの「こっちのほうが売れる」という方針により、「カミサマ」を演じ、悩める現代女子から人気を得ます。
これでルカの心が満たされれば良かったのですが、ルカは売れることよりも美琴とパフォーマンスをすることが本来の目的(心を満たすこと)でした。
これがマネージャーから与えられた「紛い物の救済」になります。
楽園とは「肯定的で調和的で永遠である土地」を表す言葉です。ルカが目指していた「美琴と調和し、お互いを認め合い、高みを目指すアイドルユニット」という楽園は存在せず、カミサマになったとしても満たされない状態となってしまいました。
「渇き」という言葉もキリスト教から読み解きます。
イエス・キリストは十字架の上ではりつけにされて死ぬ前に7つの言葉を残します。

【十字架上のキリストが残した最後の七つの言葉】
1.「父よ、彼らをおゆるしください。自分が何をしているのか知らないのです。」(ルカの福音書23章34節)
2.「はっきり言っておくが、あなたは今日わたしと一緒に楽園にいる。」
(ルカの福音書23章43節)
3. 「婦人よ、御覧なさい。あなたの子です。・・・見なさい。あなたの母です。」(ヨハネの福音書19章26節-27節)
4.「わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか。」(マルコの福音書15章34節)
5. 「渇く。」(ヨハネの福音書19章28節)
6.「成し遂げられた。」(ヨハネの福音書19章30節)
7.「父よ、わたしの霊を御手にゆだねます。」(ルカの福音書23章46節)

これをザックリ解説すると
①自分たちの救い主であるイエスを殺そうと貼り付けにする無知な民を許し、②隣で十字架にかけられていた罪人に対し「貴方が信じていたことはあってるよ」と救いの言葉をかけて、③全ての罪はイエスが被るので、イエスの母である聖母マリアは全ての人々の母となるのですと民衆と弟子に伝え、④神はなぜこんなことをするのですか?と問いかけた後に⑤喉が渇くといいます。
この「渇く」という発言の結果、十字架に張り付けられても誰かを罵らず、誰かの罪を代わりに受けているイエスをみて哀れんだ兵士が自分のぶどう酒をイエスにも与えるのですが、これが兵士の愛となります。イエスが求めていたのは物理的な喉の渇きではなく「人間の愛」であった。⑥その後、苦しみの中でも人々を愛し続けて、愛を受け取ったイエスは「成し遂げた」とつぶやき、⑦本来の目的(人々に愛を思い出させる)を達成したため頭を垂れて息を引き取られた(死んだ)という内容です。

そして皆さんはご存知でしょうか。
緋田美琴の誕生日である9月8日はイエスの母「聖母マリア」の誕生日と同じ日です。

緋田美琴プロフィール ※公式サイトより抜粋 

カミサマに仕立て上げられたルカを「イエス」
美琴を「聖母マリア」として上記7つの言葉にあてはめるとこうなります。
①美琴が売れるべきなのに、売れないのは間違ってる
②美琴と一緒にいれた時間というのは紛い物ではなく、楽園だった
③全ての罪はルカが受けるので美琴は全ての人に受け入れられてほしい
④何故ルカは売れて美琴が売れない現状になるんだ
⑤ファンが推してるルカは偶像の作られたものであるため満たされない
⑥偶像の神として愛を集めているが、それは本来の目的ではない
⑦結果、ルカというカミサマは死ぬ

キリスト教における「迷える羊」というのは、「迷いの多い、弱い人間のたとえ」です。ルカは迷いも後悔も多く、弱く、そして今の現状に対して納得がいかないため「病める羊」となってしまいました。


最低 最低 最低 なにもかも
絵空事 御飯事
こんな世界ごと今
壊して 壊して もう終わらせて
救えない祈りを
神様は死んだ、って

これまでのルカの身の回りで起きた最低なことを振り返ります。
ルカが自分の意思ではなく、美琴と解散してしまったこと。
パフォーマンスが美琴よりも低いのに売れてしまっている現状。
カミサマに仕立て上げられたのに、それに多数のファンがついている現状。
このあたりがルカからすると「最低」な事実かと思います。

カミサマとして何をやってもポジティブに捉えられる「絵空事」、
マネージャーに用意されたカミサマというキャラ付けで行われる「御飯事(おままごと)」
カミサマであるルカに祈るファンは神が偽物であることに気づいていません。そんな祈りは救われるはずもなく、この世界(アイドル活動)やその幻想ごと壊して、終わらせて欲しいというルカの心の叫びを感じます。
そして最後にルカは伝えます。
「神様は死んだ、って」と。
タイトルにもなっているこのフレーズですが、注目すべきは「、」の位置です。この位置に句読点があることで「神様が死んだことを人づてで聴いている」ことがわかります。
ファンが偶像の対象として見ていた「カミサマ」である斑鳩ルカは死んでしまったということを、ルカが伝えています。
後ほど詳しく説明しますが、ルカは祭り上げられて「カミサマ」を演じていますが、その正体はイエス・キリスト(神様)ではなく「聖ルカ」という、イエスの偉業や教えを語り継ぐ4人の記者の1人です。ファンが偶像としてみていた「イエス・キリスト=カミサマ=斑鳩ルカ」という人物は本当は存在しておらず、「神様は死んだ」と伝えているのが斑鳩ルカの本当の気持ちになると自分は考えています。


あぁ、厭
心を探る太陽が
あぁ、厭
目が焼けそうだ

あぁ、厭
月も星も憂鬱ぶって
照らさないでよ
居場所を奪わないで ねえ

2番頭では天井努と七草家、美琴と283プロダクションとルカの関係性が描かれていると考えました。
前提知識としてルカのモチーフとなっている「斑鳩(イカル)」の話をします。斑鳩は鳴き声が「月日星」と聞こえることから別名「三光鳥」と呼ばれていますが、月、日、星をそれぞれ下記のように当てはめて考察を進めていきます。

月=七草はづき(月)
日=七草にち(日)
星=井努(天に輝く星)

それでは斑鳩の前提知識を学んだ上で歌詞考察に戻ります。
厭(イヤ)という言葉には「いやがる、にくむ、おさえつける」という意味があります。
本来であれば自分がユニットを組んで居たはずの美琴の隣には今、
七草にちかという女がいます。にちかは美琴に憧れ、美琴のことを知ろうと歩み寄り、心を探ります。(心を探る太陽)
にちかが美琴に憧れて高みを目指す姿はルカが昔やりたくても、出来なかった光景です。そんな光景をみてルカは眩しすぎて「目が焼けそうだ」と感じます。
八雲なみを失ってからの天井努はプロダクションを休止させ、自分のプロデュース方針を後悔し、憂鬱な気持ちで過ごしていましたが、数年ぶりにはづきを抱えてプロダクションを再始動させます。再開したプロダクションでは天井が昔行っていた「自分が思うように進めるプロデュース」ではなく「アイドルがやりたいことに寄り添うプロデュース」を心がけてシャニPを雇用します。その活動方針に惹かれた緋田美琴はそこでアイドルを再開します。

ルカの視点で考えると「崇拝していた美琴(神)を283プロダクションに奪われ」、過去に自分が出来なかった「美琴とのユニット」を成功させているにちか(SHHis)という存在は憎く、「(美琴の隣という)居場所を奪われた」と考えて「月、日、星」と鳴いている(泣)と捉えることができます。
※ルカが天井努を異常なまでに憎んでいる理由がこれかもしれません。


大事だった愚かな祈りが
信じ込んだ偽の福音が
この悔いが この罪が この罰が
この痛みだけが私の全部

ここからは不確定要素が多いため考察が多くなります。
ルカは何故、美琴が好きなのでしょうか。
それは「誰にも出来ない完璧なパフォーマンスをストイックに出来るから」だと自分は考えます。そして更にルカは美琴を好きになる以前に「八雲なみ」を好きだったのではないかと思います。そう考えた理由としてはSHHis感謝祭の最後にルカが「パ、ダ、ダ」と八雲なみの歌を歌っているからです。

八雲なみの曲を歌う斑鳩ルカ(実際にゲームで再生してみてください)【SHHis感謝祭】0 0 0

それではアステルのスーパー考察タイムです。
歌やダンス、なんでも完璧にこなせるアイドル、「八雲なみ」に憧れていた斑鳩ルカはアイドルになります。そこで出会った「緋田美琴」という女は昔憧れていた「八雲なみ」と似たスタンスを持っていることに気づき、憧れます。しかし、どこかのタイミングで八雲なみは完璧なアイドルではなく、「天井努が無理やり作り出した偶像のアイドル」であるということを知ってしまったのではないでしょうか。

歌詞の中に福音という言葉が出てきたので解説します。
キリスト教の新約聖書に納められているイエスの偉業を記載した4つの聖典のことを「福音書」と言います。福音書を書いた福音書記者は「マルコ」「マタイ」「ヨハネ」そして「ルカ」の4人です。
この2つの知識を合体させて歌詞考察に戻ります。
斑鳩ルカは「八雲なみ」という歌やダンスで人を感動させるアイドルを「神様=イエス」として尊敬していました。(大事だった愚かな祈り)
しかし信じ込んでいたこの事実は天井が作り出した偶像であり、偽の福音であることに気づきます。(信じ込んだ偽の福音)
この構図は今の斑鳩ルカにも当てはまります。
マネージャーが作り出した偶像である「カミサマ=斑鳩ルカ」を演じ続けてファンを騙しているという構図は天井努が八雲なみにやっていたことと同じです。美琴とコンテンポラリーダンスで感謝祭を出来なかったことを後悔し、自分が憎んでいる天井と同じことをしているを背負い、美琴よりもパフォーマンスが劣っている劣等感を抱えながら生きるというが残ります。美琴と夢を叶える事もできず、大好きだった八雲なみも偶像であると知ってしまったルカには何も残っていませんが、「後悔、罪、罰」を背負っている事実だけは存在しており、これが今のルカの全てであると語っています。


(罪人たちの冠
楽園はどこにもない
満たされない渇き
病める子羊)

斑鳩ルカは「後悔、罪、罰」を背負って偶像のカミサマ(アイドル)をやっています。
そんな罪を背負ったルカを肯定しているファンを罪人と見立てると、その罪人の頂きに君臨するルカは「罪人たちの冠」と言えるでしょう。
以降は1番でも考察したパートですので、割愛しますがルカはたくさんのファンがいても満たされず、病んでいるという状態です。


誰か
福音なんていらない
偶像も崇拝もいらない
たった一つだけ教えて
もがき苦しんで生きていく理由を

斑鳩ルカを「カミサマ=イエス」と祀っているファンは斑鳩ルカの所業を福音として伝えていくでしょう。ですが、ルカからするとそんなものは不要で、ファンからの偶像崇拝の言葉も渇きを満たすことは出来ません。
美琴と解散して本来の目的とは違う姿で1人だけ売れてしまい、さらには自分が信じていた「八雲なみ」というアイドルを偶像化した天井努という男がいるプロダクションで美琴とにちかはユニットを組み、自分ができなかったことをやっている。
ルカからすると死ぬことよりも苦しい現状かもしれません。
ルカ自身も誰かに教えて欲しいのかもしれません。
もがき、苦しみ、アイドルとして生きていく理由を。
ですがルカはカミサマとして崇められているので、自分より上位の存在はいないので、誰にも教えて貰えず、救ってもらえません。


(いつか消えて失くすのに
きっと誰も彼もみな 忘れるのに
この胸の痛みだけが 私の永遠

八雲なみは「伝説のアイドル」と言われていましたが、同業種のシャニPですら、うっすらとしか知りません。

にちかが初めて「八雲なみ」について触れるシーン【七草にちか】WING(なみ)
シャニPが持っていた八雲なみの知識【七草にちか】WING(なみ)

伝説級のアイドルですら時間が立つと忘れられてしまい、地位もなくし、存在自体も消えてしまうのですが、ルカにとって「八雲なみが偶像であったこと」や「それと同じ構図で現在の立場にいること」は嫌でも忘れる事はできず、胸の痛みとして永遠に残っていると言っています。


Oh my god!
紛い物の救済
楽園はどこにもない
満たされない渇き
神の嘘つき)

そして再度同じフレーズになりますが最後の1フレーズだけこれまでと異なり、「神の嘘つき」が追加されます。
繰り返しとなりますが、ルカは「歌やダンスで人を感動させるアイドル」のことを神だと思っていましたが、それが事実だとしたら「八雲なみ」は最初から完璧で長くアイドルを続けたはず、パフォーマンスが一流な「緋田美琴は自分よりも売れているはず」と考えます。その事実と比較して自分が売れている現状をみて自分が信じていたものは間違っている、つまり「神(信じていたアイドル像)は嘘だった」と言っています。


最低 最低 最低 なにひとつ
変われない満たせない
こんな私ごと今
壊して 壊して おかしくなるまで
叫び続けている

ルカは現状を最低だと思っています。
なぜなら「八雲なみが偶像だと知った後」でも自分自身が「偶像の神として君臨している構図を繰り返しており」、その結果売れてファンがついても自分自身を満たす事ができず変われていないからです。
こんな自分の今を壊して欲しいが、それにも向き合えず、おかしくなるまで叫び歌い続ける(ライブやアイドル活動を続ける)というルカの心の叫びが読み取れます。


誰かの為の絶望じゃないんだ
綺麗事 もう沢山だ

偶像や崇拝で得られたカミサマとしての立場ではなく、本当の自分自身が「現状を嫌だ」と思っているからこそ、誰かの為の絶望ではなく自分の絶望となり、マネージャーが綺麗事でそそのかした今のアイドル活動は、もう沢山だと言っています。

ありものの言葉で
救おうとなんてしないで
全てをもう終わりにさせて

このフレーズはクリパ特典のサポートSSRカード【X-DAY】より読み取る事ができます。美琴とにちかが仲良く映っている写真をみて、最悪の気分になりクリスマス終了をツイスタで告げるルカ。しかし、その内容にファンは「ありものの言葉」をかけて、勝手に「救われようと」します。

ファンからの「ありものの言葉」【X-DAY】soiree
ファンから勝手に「救われた」と言われるルカの本心【X-DAY】soiree
アイドルを楽しめず、現状を後悔するルカ【X-DAY】soiree

本来であれば美琴の隣に自分がいるはずで、それが出来なかったことを後悔しながらアイドル活動を続けているにも関わらず、ファンは勝手に救われる。この構図や立場はルカが本来欲しがっていたものではなく、厭な現状ですので、偶像として作られたカミサマである「斑鳩ルカ」を演じること自体を終わりにしたいと思っているのかも知れません。まぢ病んだ。

この夜がどこかで
神様は死んだ、って

美琴とにちかがクリスマスライブをした
ルカは薄々気づいていた事実を受け入れてしまいます。
自分が信じていた「神様(歌やダンス、パフォーマンスで人を感動させるアイドル)は死んだ、って」と。

「八雲なみという信じていた神(アイドル)は作られた偶像であった」
「緋田美琴という尊敬していた神(アイドル)のパフォーマンスは世間には受け入れられないということ」
「斑鳩ルカという神(アイドル)は偶像であった」

上記3つの形で「神様は死んだ」となるわけです。


まとめ

・神様は「歌やダンスで人を感動させるアイドル」という概念
・ルカのモチーフは福音書記である聖ルカと斑鳩という鳥
・歌詞にはキリスト教の教えが深く関わってくる
・ルカとにちかはどちらも「八雲なみ」と「緋田美琴」に憧れている
・ルカは現状のアイドル活動を後悔しており、楽しく思っていない

その他の感想

いやぁ、とんでもねぇ曲が来てしまいましたね。
実はこれ以外にも「八雲なみが引退した理由は身籠ったから」という考察や、「八雲なみと斑鳩ルカが親子関係である」という考察や、「天岩戸伝説になぞらえた親世代(七草父、天井努、八雲なみ)の考察」などもあるのですが、まとめきれていないので今回はここまで。
自分はクリパの現地にいましたが、斑鳩ルカ役の川口 莉奈さんはステージ上で無数のライトに突き刺されており、その姿は十字架に付けられていたイエス・キリスト(偶像の姿)を連想させました。
※今回は歌詞考察の記事ですので、ライブ演出やその他コミュ考察はこのあたりににとどめておきます。


今回この考察を進めるきっかけとなったのはクリパDAY2から帰った時に、
友人PからきたLINEの一言でした。

2021年12月19日(日)21:55 友人PとのLINE

この会話をきっかけに考察が物凄い勢いで進み、久しぶりに夜通しで調べ物や考察を二人で進めてディスカッションを行った結果、今回の歌詞考察にたどり着きました。人と人とのつながりは美しいって咲耶さんも言ってたけどまさにその通りだと感じました。ありがとう友人P!!
友人Pもnoteをやってるのでぜひ見てね! 


最後に余談ですが、自分はクリパのDAY2が開催される前に、斑鳩ルカのソロ曲披露を予想しておりました。

アイドルマスターシャイニーカラーズは「オタク君の妄想」をオタク君の妄想で終わらせず、考察の余地を残して正解を読み解ける素晴らしいコンテンツです。運営が与えた少しのヒントからアイドルを、人間像を、世界観を読み解くことで様々なものが見えてくるところに自分は面白さを感じています。
今回自分が考察した内容はあくまで自分の意見であり、キリスト教徒でもありませんので解釈が全て正しい、絶対ということはありません。
皆さんもぜひ「自分はこう感じた!」という考えをアウトプットし、歌詞考察をして意見交換をしてみてください。

それでは今回も長文にお付き合い頂き、誠にありがとうございました。
その他ルカや八雲なみを取り巻く環境の考察が終わりましたら、別の記事を作成します。
この記事を通してシャニマスが大好きな皆様に少しでも得られるものがあれば幸いです。
それではまた次の記事でお会いしましょう。
感想などがあればTwitterやノート、マシュマロにぜひお願いします。


楽曲の基本情報

タイトル:神様は死んだ、って
作詞:烏屋茶房
作曲 :水野谷怜 (Arte Refact)
編曲: 水野谷怜 (Arte Refact)
歌:斑鳩ルカ( CV.川口莉奈)


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