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おひとり様ツアー参加★ベルギー旅行の思い出〜その③


古都ブルージュ

早朝(といっても7時半頃)集まって、9世紀から在ったという運河で栄えた古都を散歩しました。霧に包まれた景観が美しいということで有名な場所です。早朝のため観光客がおらず、店も開いていなく、鳴り響く鐘の音を聞きながら石畳の道をてくてく歩きました。・・というより写真を撮りまくっていました。見るものすべてが美しく見えたからです。ただのカラスもそこらの雑草も、黒ずんだ建物の壁も開店前のショーウインドウも、そのときの私にはおしゃれできれいな絵本の中のようにみえて仕方がありませんでした。

ただのカラスもうつくしい。
ただの歩行者もオシャレ
ただの自転車。オシャレ
レンガと自転車。オシャレ。
まだ開いていない店々。オシャレ

この場所にはお昼までいましたが、10時を過ぎたあたりからどんどん観光客でごった返し、雰囲気はがらりと変わってしまいました。このような静かな散歩を楽しめるスケジュールは私にとても合っていました。


途中1時間ほど自由時間があったので、広場に隣接するオープンカフェに入りました。

夢が叶う

実は、この旅行に参加する少し前、職場関連のセミナーに強制参加させられていました。どうしても誰か一人が行かなければならず、私が抜擢された状況でした。内容は、かいつまんで言えば「願いを模造紙に書いて写真も貼って部屋に飾っておくと叶う!」というものでした。新幹線で4時間もかけて移動し、一泊してまで参加したそのセミナーで、私は「異国のきれいな景色を見ながらカフェでまったり」することを夢のひとつとして掲げました。
よって、このカフェにいるとき私はとても幸せで、「馬鹿にしていたけどあのセミナーで言っていたことは確かだった・・」と考えていました。

漠然と思うだけの目標は日々の忙しさに忘れがちで、実行に移す機会が訪れにくい。でも、明確に端的に紙に書き、写真も添えて目につくところへ掲げておけば、それに向けて意識が働き旅行会社へ行く。予約する。出発する。カフェに入る。と当然のようにそうなるんだと。単純に、そりゃそうだなと思いました。

店に入り、身振り手振りで「外で、飲みたい」というジェスチャーをしました。そしてコーヒーっぽいものを注文し(英語ではなかった・全く読めなかった・・ベルギー語?)コーヒーが出て来て、鐘の音を聞きながらまったりしました。とてもしあわせでした・・!

正面の建物からわりと大音量の鐘が鳴ります

実は、このベルギー旅行へ出かける数年前に、友人とアメリカへ遊びに行きました。その数日間で、ベスト3位に入る楽しかった瞬間の一つが、やはり「オープンカフェで何もしない」と言う時間でした。そこはカリフォルニアにあるナッツベリーファームという場所で、絶叫系の乗り物が集まったテーマパークでした。私の一番苦手とする場所だったので、友人が絶叫している間、ずっとカフェでコーヒーをのんでいました。ベンティサイズよりでかいんでは?と言うサイズのコーヒーを、青空の下、ごくごく飲んでぼーっとする。数十万円かけて異国へ来て、せっかくのお楽しみの乗り物に乗らずだらだらする。こんな幸せなことがありましょうか。

ビールが苦手

ベルギーのおいしいものと言えば、チョコレート、ワッフル、ビール・・。このツアーでは食事のたびに地ビールがたくさん飲めることが魅力の一つとしてうたわれていました。しかし、私はビールが苦手です。最初の一杯はまずビールの世代で育ったので、飲めることは飲めるのですが、その後必ず鼻が詰まる・呼吸が苦しくなる・・たぶんアレルギーがあると思います。でもこのとき、せっかくだしと思って何度か飲んでみました。全然楽しくなかったです。みなさんは食事のたびにとても嬉しそうで楽しそうで、いいなと思いました。

おいしかったけど!
お昼のレストランで出たこのあっさりしたワッフルが、とてもおいしかった!また食べたい!
運河クルーズもツアーに組み込まれていました。こんな船に乗りました
ウマもオシャレ!
ゴディバもオシャレ!



アントワープの街をマラソン


午後は、フランダースの犬で有名なキリスト降架・キリスト昇架の絵がある、アントワープのノートルダム大聖堂へバスで移動します。空港からの移動の時もそうでしたが、バスの運転手の適当なこと。道の選択を誤ったのか、渋滞にはまりました。そして道ばたにバスを停め、皆さん降りてここから走ってください!大聖堂が閉まってしまうので頑張ってくださいと言われました。
高齢のお客様から悲鳴が上がりました。私は笑ってしまいました。海外に来て走ることになると思わなかったからです。「思い出になりますね!」となどと言って、添乗員さんを先頭に、10分ほど、割とマジなマラソンをしました。途中、え、もう無理走れないけど本当にこのペースで行くの・・?と思って振り返ると、高齢の方々が死んでしまいそうな顔で必死でついてきていて、前を見れば添乗員さんはすいすいと路地を走って行ってしまうので見失いそうで、止まるわけにはいきませんでした。ほろ酔いで、バスで心地よく寝た後の突然のマラソン・・。
結局間に合って、大聖堂に入ることができました。大聖堂を出たときに添乗員さんが「バスで移動した別のツアー会社ご一行は、一足遅くて入れなかったそうですよ。みなさん入れて良かったですね」と誇らしそうだったのが印象的でした。

このような狭い路地をすたすた入って行ってしまうので見失いそうで怖かった。観光客は絶対立ち入らない団地…

フランダースの犬の大人の事情

ノートルダム大聖堂の前に、世界名作劇場フランダースの犬で有名なネロとパトラッシュの像があることをご存じですか?

ダックス…?
後ろにそびえるのがノートルダム大聖堂


どこがパトラッシュよ・・。日本人なら皆そう思うでしょう。どうしてこうなったのか、気になる方は、まずこの写真をご覧ください。

この写真のように以前はもう少し、様子が違ったそうです。私が訪問する少し前に、現在のデザインに変更になってしまったのです。以前はネット上に理由が見つけられたのですが、現在は見つけることができなかったので、うろ覚えの知識を記載しておきます。

そもそも「フランダースの犬」は、1872年、イギリスの文学作家ウィーダが、ベルギーを舞台として発表した物語でした。その後、日本語訳されて日本にやってきましたが、これを1975年に日本アニメーションが世界名作劇場として取り上げると、爆発的ブームを巻き起こしました(犬を飼う人が増えたらしいです)。そして、かわいそうな少年が暮らした国がどんなところかひと目見るため、実際にベルギーにやってくる日本人観光客が急増したため、モニュメントを作ることとなりました。当時はトヨタが出資し上記の写真の像を建てましたが、その後トヨタが出資を打ち切ったところ、韓国の某企業がこの権利を買い取り、現在のモニュメントに作り替えられた。

私のおぼろげな記憶

  ※真実の程は定かではありません。ご容赦ください。

そもそも現地では、フランダースの犬はあまり有名ではないそうです。むしろ、イギリスの作家がわざわざベルギーを舞台にかわいそうな結末の物語を書いたため、現地の人々は侮辱ととらえて否定的にみている、とは現地のコンダクターさんが話していました。それで、よくわからないけれど少年と犬であればいいだろう、で現地の人々がこのモニュメントを作られたのでしょうか。Wikipediaにも、現地の人はこのモニュメントがなんなのかわかっておらず、主にベンチとして使われている、と言うことが書いてありました。

世界名作劇場が大好きな私としては、このような大人の事情が一人歩きして海外にも波を立てていることがとても面白く感じました。ネロがどうしても見たかったルーベンスの絵は本当に美しく、迫力があり、胸が詰まるような気持でその場から動けなくなる経験をしました。アニメの中ではこの絵にカーテンが掛かっており、お金を払わないと開けてもらえない。クリスマスの時だけ解放されるということでしたが、現在では入場料を払えばいつでも見ることができます。
この大聖堂はほかにもたくさんの宝石や像や絵画が飾られていて、天井や柱の彫刻とステンドグラスが美しく、厳かな雰囲気があって、一日座って見ていたい気持でした。もしまたベルギーへ行くことができたなら、まちがいなくノートルダム大聖堂に1日を当てると思います。

キリスト昇架。しばらくこの絵の前で立ち尽くした
キリスト降架。左下の青い服が聖母マリア。ひざまづいて足を持つのがマグダラのマリア。
聖母被昇天。上の彫刻が気になる
きれい。こまかい。誰が作ったのかな。
どうやって掃除するのかな。
素晴らしい彫刻とステンドグラス
また行けたらこの椅子で一日過ごすんだ。
これが私の新たな夢。


アントワープの街を散策

ベルギーは天気が変わりやすいので必ずインナーと雨具を持つよう言われていました。その通りで、朝は霧、雨、が降ったかと思うと突然サーッと光が差してきて晴天、あっという間に道路が乾いていくのです。その度に変わって見える街の雰囲気が、何枚写真を撮っても収めきれないほど綺麗でした。

雨上がりの親子。素敵だなあと思って撮らせていただきました。
夜も懲りずに飲んだ。さくらんぼのビール。

この後はホテルに戻って寝ました。

おまけ。このバスが渋滞にハマったバスです。
おまけ。ブルージュに遠足に来ていた子供達。現地コンダクターさんによれば、遠足の水筒の中にはビールがはいっているらしい。本当らしい。私たちにむかって何か叫んできたのでなんて言ってるか聞いたところ、揶揄されてるので気にしないようにとのこと。酔っ払ってめちゃくちゃ言ってますと。うーんどこまで本当かわからない!けど、カラフルでかわいい!

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