デザイン・イラスト・絵本の世界に大きな影響を与えた名作「ブルーノ・ムナーリ1945」を原典に忠実に日本語訳付き特別復刻
1907年から98年を生きたイタリア人の作家、ブルノー・ムナーリ。彼を何の肩書きで呼べばいいのでしょう。グラフィックデザイナー、プロダクトデザイナー、彫刻家、絵本作家、著述家、写真家、そしていつも子どもとばかり遊んでいる人、ピカソが「現代のダ・ヴィンチだ」と呼んだイタリア人。
彼の作り出した数々の作品の中でわれわれ日本人にも最も馴染みが深い、そして後世のデザイン界にも巨大な影響を与えた絵本を今回、原本に近い形で復刻しました。
「ブルノー・ムナーリの1945シリーズ」すでに日本語版が出版され、デザイン好き、絵本好きの方なら良くご存知の書籍ですが、もともとは1940年にムナーリの息子、アルベルトが誕生した時、ムナーリ自身が満足できる子ども絵本が無かったことからお手製で作ったもの。
加えて彼自身も、自分が子どもを持ったことで、デザインやモノづくりと「教育」の関係について考え始め、のちの彼の造形教育のための作品作りの大きなきっかけになったのが、この自家製本を作った経験にあったと言われています。
若い頃、イタリアの前衛美術運動家、「未来派」と呼ばれてデビューしたムナーリは息子に作ったほんの経験をこう書き記しています。「未来とは本当はもうこの社会に到来していたのだ。子供たちの中に」
このシリーズは単にイラストやストーリーが面白いというだけではなく、さまざまな細工が施されており、その後の「絵本のあり方」を変えてしまうほどの巨大な影響を与えたことは、皆さん良くご存知の通り。
すでに刊行されている日本版とは異なり、現代の目で見ると薄い表紙に素朴で簡素な体裁。しかし印刷の美しさ、手でページを捲り、手作業で作られた仕掛けを楽しんで、繰り返しご覧いただける内容です。
ムナーリが生前に親交が深かったイタリアの出版社Corraini(コッライーニ)によるこの復刻版の制作は、日本販売においては同社の監修のもと、本文テキストは英語版とし、付録としてテキストの翻訳とこのシリーズの歴史的な意味の解説を作成し、日本語で封入しました。
実際に子どもたちと一緒に色彩豊かなイラストを楽しんだり、フリップを手で捲ったり。さらには、お部屋に飾ったり額装したり、デザインや絵本の興味のある方へのコレクション、贈り物にも最適です。ぜひこの機会に手元にお揃えください。