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風速31m/sに耐え、安全性と使いやすさを兼ね備えた、傘の再発明

「BLUNT umbrella」開発ストーリー
▶️ BLUNT umbrella

日常生活の中でありふれた道具である「傘」、しかし同時に脆く不完全さを感じていた「傘」。大勢の人の居る中で使う道具なのに、傘の周囲には尖ったパーツが存在していて危険なこと。そして、突風に遭遇したとき一瞬にして壊れてしまうこと。

耐久性、安全性、使いやすさ、この3つの課題に挑み、従来の傘の構造を根本的に見直して再発明したのが、この「BLUNT umbrella」


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この傘の大きな特徴は優れた耐風能力を持つこと。その耐風性能は風速31m/s。つまり気象庁発表の風の強さの表現として「非常に強い風」に耐えることができる強靭な傘です。

つくり上げたのはひとりのエンジニア、グレイグ・ブレブナ-。傘の形状をより平らで空気力学的なフォルムにし、さらに独自の技術を構築して、傘の生地にしっかりとした「張力」を作り出すことでその実現に成功しました。

これは、およそ10年の年月を費やし「再発明」された「BLUNT umbrella」の開発秘話です。


「BLUNT umbrella」開発ストーリー

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BLUNT(ブラント)アンブレラのデザイナーである、グレイグ・ブレブナ-。彼が傘とまだ無縁であった1999年のある日、デザインエンジニアとして働く彼は、いつものように自宅の玄関口を出て、ぽつり、ぽつりと降り出した雨空を見上げながら、ロンドンの街の雑踏の中へと歩き出ました。

背丈が190センチもある長身のグレイグ氏は、いつものように行く手の先に見えるほとんどの人々を見渡すように歩いていました。しかし雨足が激しくなってきたその時、突然、100本以上の鋭利な矛先が広がっていることに気が付きました。そこにあったのは、あたり一面に広げられた「傘の先端」だったのです。

次に彼が観たのは、少しの突風で裏返ってしまった傘を、なんとか元に戻そうとする人々の光景でした。長身である彼は、反り返ったそれらの傘先が様々な方向に突き出され、自分の顔や目を突かれないかとヒヤヒヤしながら歩かなければなりませんでした。これが後に彼を傘と結びつけてゆく、運命的な光景となるのでした。


傘の歴史が変わる ありきたりの傘から BLUNT アンブレラへ

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グレイグはプラスチックと布を立体的な接着する道具グルーガンを手にし、凧の材料を使ってキッチンテーブルで作業に乗り出しました。その瞬間に1928年以来ほとんど変わらずにいた「傘のデザイン」にはじめて変革が起こることとなったのです。

それまで傘はいろいろな色のバリエーションもあり、自動開閉式や時にはライトがついているものまであります。さらには裏返りを防ぐため風が抜けてゆく穴を天蓋に開けたものまで登場していました。けれどこの機能は雨水が浸水してきてあまりうまくは機能せず、結局は一吹きの風によってもろくも壊れてしまい、数ヶ月後にはゴミ捨て場でその寿命を終えてしまうのでした。

そこでグレイグは、これまでの傘そのものの構造を根本的に設計しなおす作業に取りかかったのです。優れた耐風能力を持つこと、そして現存するあらゆるものを凌ぐ傘を生み出すことに向かって彼は走り出しました。もちろんそれは傘の形状を美しく、スタイリッシュにまとめあげる作業でもありました。そしてもうひとつ、1人の長身の人間として、あの自分の顔を攻撃することのない、鋭利な先端の存在しない形状の傘をつくることでもありました。


BLUNT 誕生 それは「進化」ではなく「革命」である

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故郷であるニュージーランドへ戻ったグレイグは、一刻も早く自分のアイデアを確かめたくて、荒れ狂う嵐の中、試作品の傘を抱えて、オークランド市郊外にあるワンツリーヒルという、あたり一面を見渡すことができる高い丘へと向いました。

BLUNT 試作品第1号品は、その荒れる嵐の中で折れることなく持ちこたえたのでした。この様子を見たグレイグは、自分の方向性が間違っていなかったことを確信しました。続いてこの試作品で耐風実験を行い、BLUNTが最高風速117km/h(風速32.7m/s 暴風警報クラス)を超える風にも耐えることを目にした瞬間、彼は押さえきれない興奮を感じたのでした。

これまでの傘の大きな欠点は、それほど激しくない風の中でさえも、傘生地の「露先(つゆさき)」部分がほころんで破れたり、骨と生地がはがれてしまう点にありました。こうなってしまうと、もう傘全体がまったく機能をなさなくなり、そのままゴミ箱行きとなってしまいます。

BLUNT はこれを解決するために、形状をより平らで空気力学的なフォルムにし、さらに独自の技術で傘の生地にしっかりとした「張力」を作り出すことに成功しました。このまったく新しい傘のデザインよって、BLUNTの形状からはすべての鋭いエッジは、すべて取り除かれました。そしてさらに最も厳しい天候条件の中でさえも、生地がはためくことはなく、強風に対して傘をコントロールできる構造(放射張力分散システム)が生み出されたのです。


使い捨て傘から、長く使える傘へ

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BLUNTの目指したものは、傘そのものを再定義することだけではありません。毎年、何百万本もの傘が壊れ、捨てられています。修理されたり、リサイクルされているのはほんの一握りだけで、大多数の傘はゴミ処理場に埋められるゴミを増やす形で寿命を終えることになります。

これは傘を買う人にとって、時間とお金の無駄遣いになるばかりではありません。もともと本来の役目を果たすに足らない製品を作るために費やされた、すべての時間や資源の無駄遣いでもあります。BLUNTは最も過酷な天候条件にも耐えられるように、また、何年も長い間使ってもらえるように、新たにデザインされた傘なのです。


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