計量(100分の1回)

どれだけの日数、我慢してきたでしょう。
試合まで1週間と1日、計量まで丁度の1周間前になります。
減量も上手くいき予定通り落ちてはいるけれど、食べたいのです。
何より、飲みたいのです。



オーバーしてもいいから飲んでしまおうかな。
そう毎回思います。



計量当日朝、眼が覚めます。



そう、この日のために、そういってしまってもいい位、
これまで我慢を続けてきました。
試合ではない、試合前日の計量なのだけど、すでに
ここが始まりの前のゴールで、ここがスタート地点
といっていいでしょう。
スタート地点に立つための準備、もう1つの試合それが
計量なのです。



まだ何も始まってはいないけれど、ここを目指して選手らは
日日追い込んで自分を作ってきます。



勿論、ただパスするだけではいけません。
その後、体重を試合用に戻して、戦わなくてはいけません。
ただ落としてくるだけの人もいます。
何の目的で減量してきたのか分からなくなる程、暴飲暴食を
繰り返しリバウンドする選手もいます。

リバウンドしたkg数を競い合っている同業者、よく見かけます。
僕らはお役さんにその気持を、この想いを感じ知ってもらうため
に頑張ってきたはずです。


いい試合をする為、勝つ為に減量をしてきました。



少しでも自分の名前をお客さんに覚えてもらえるように、
少しでも次の自分に繋がるように、大きく報道してもらえる
様に。
いつかを夢見て頑張ってきました。

リミット調度で部屋を出ます。
100ml、ホットコーヒーを啜ります。
30分から1時間の電車の移動で100g落ちます。
電車に乗ると落ちるのです。


あと数時間、あと数時間何分と、時を刻んで計量を急かします。
計量会場に移動して、いよいよという所まで着ています。


一口目は何を口にしようかと悩みます。
ホットコーヒーにしようか、それともコーヒー牛乳にしようか。
順番なんてどちらでもよいではないか。
否、十分に関係ある。
等等。


そんな自分自身の中で、口論が始まるのはいつものことです。
どちらにも一理あり、ドローです。
ええ、この際飲めればどちらでもよいのです。


「立嶋選手。」
自分の名前が呼ばれます。


「乗って。」


促される前に、既に片足を乗せかけています。
ゆっくりと、両足を乗っけて、

「57・15kg、OK!」


そんな十代の頃からのいつも通り丁度のウエイトで
安堵の息を吐きだしながら片足ずつ体重計から降りる、
はずでした。


「立嶋選手、オーバー。」



「!?」


言葉に詰まります。

「えーっと、3kgオーバーですね。」


「いやいや、測り狂ってますよ。来る前、ジャストでしたから。
丁度だったので100ml飲みましたけど、なので
オーバーしてるなら100g程度じゃないとおかしいです。」

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特にお得なことはないかもですが、でも、僕が 思うこと、感じたことなどを日日綴ります。

100戦してこれまでの減量や試合にまつわる客席からは 感じることのできないことなどを 綴れたらなと思います。 なんの参考にはならないけれ…

これがなんのことやらか、ようやく 理解しました。 どうもです。 頑張ってホームラン打とうと 思います。