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025.義父、泣かないで

義父(95)が高齢者向けアパートで暮らし始めて三か月が経過した。

入居時の資料には、「落ち着いて執筆活動をしたい。」と記されており、その通り、一日中原稿用紙に向かって過ごしている。

二つほど原稿が仕上がり、また新しく書き始めるのかと思いきや、今度は一日中、ベッドに腰掛け動かない。
ダラダラ寝そべったりするわけでなく、じっと座って、時々ベランダを覗きに行ってる。

ひまそうやなぁ。。
「家に帰りたい」って言わないか、時間持て余して、一人で出かけたりしないかなあ。とこれはこれでまた新たな心配が出てくる。

先週金曜日。
二月からは昼飯を契約しよう!と夫が一人で会いに出かけた。(←義父も納得して契約したのに、結局、初日で解約することに!)

そして土日。
気分を変えようと久しぶりに友達を誘って家で飲み会をし、義父には会いに行かなかった。

あけて月曜日。
二月一日(火)からの薬(一包)に日付けを書けていないことが気になっていながら、月曜日は訪問看護の日なので気にしないようにしていた。

夕方、だいたい義父が夕食を済ませて、我々が夕食を作り始める時間に、Alexaで声かけする。

頻度は、隔日か、それより少ない。

Alexaだと、見守りカメラからマイクオンに切り替えて「こんばんは」と声掛けすると、いつもビクッとされていた(耳は遠くても、いきなりだとやはりビックリするらしい)。
なので、こちらのマイクオン→スマホの着信音を鳴らす→声掛け。にするようにしている。

月曜日夜。
Alexaから声掛けした。最近、声掛けすると。
まず、「嬉しいよ」と言う。
そして、我々が預かっている原稿の話になる。

この原稿、誰かに依頼されている訳ではなく、我々が売り込みにいくというのを知ったのは最近!

そんなん、どうやってするねん!
ま、これは夫に任せた。

15分程話、最後に

  • 前回(金曜日)から四日(実際は三日)も連絡がなかったこと

  • Alexaを試したが掛からなかったこと

  • 連絡が取れないから手紙を書いたけど、切手代がなくて、スタッフが自腹で出してくれたこと

  • お財布にお金がなくなったこと。
    を淡々と話してくれた

Alexa活用の先輩から、親はなかなか「アレクサ」が言えないと聞いていた。

確かに導入時、テストしたけどAlexaは義父を無視。
この「アレクサ」の呼び方は、四択から選べるので、「エコー」にしようと思っていた。

アレクサ、は難しいから、エコー、にしてみよう!

行けずにごめんねー。Alexaは訓練しようねー。と謝ったり、安心させたり。。
また行くから待っていてね。と切ろうとしたら。

寂しかったのか、不安だったのか安心したのか泣いている。
鼻水を垂らして泣いている。

狭い部屋に一日中一人でいたら、そりゃ寂しくもなる。
デイサービスで連れ出して頂こうかな。でもプライドが高い95歳が大丈夫かな。

翌日火曜日。義父から封書が届いた。
中をみたら、Alexaで連絡しようとしたらうまくいかないと書いてある。

‼️

アレタサ!


アレサになってるー!

惜しいっ!!

今日、水曜日。
午前中会社の人間ドックの帰り。午後から義父のところに行こう。
紙に「エコー、◯◯にかけて」って大きく書いてこよう。
そしたら、寂しくて泣かなくて済むか⁉️

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