新婚旅行はモロッコと決めている

「結婚相手に求める条件は私とモロッコに行ってくれる人!」
学生の頃から半分冗談、半分本気でそんなことを言っていた。
友人からは若干引かれながらも、その理由を熱く語っていた。
モロッコに行ってくれる人=
・行動力、勇気がある
・国際感覚がある程度ある
・英語が堪能
・異文化を楽しめる
…と、私の妄想は広がるばかり。
(だから彼氏ができなかった)

というのも、私の父がこんな人だ。
世界中どこでも父の仕事のフィールドであり、家族には経験・体験を大切にしてくれ、私が中学1年生の夏休みは家族旅行でアフリカのケニアに連れていってくれた。
父は私の自慢であり、尊敬する人である。

それがいつの間にか、結婚相手に求める条件に入ってしまったらしい。

ところで何故、モロッコに限定しているかというと、モロッコに恋をしているから。

元々、中東・アフリカ、イスラムの文化に興味を持っていて、小学生の頃から縁があって、その繋がりの友人もいた。
好きなディズニー映画は幼いころからダントツでアラジンだった。
痛い発言をすると、前世は中東のどこかの国の女の子だったのではと思うこともある。
それくらい、中東・アフリカの文化は私の心を揺さぶる。

中東には何ヵ国か行ったことがある。
「ここが私のアナザースカイ!」と叫びたくなる場所もある。

モロッコには一度も行ったことがない。
憧れの国のままである。
アフリカにありながら、ヨーロッパの影響も色濃く受け、まさに異世界。
かつてはイスラム王朝として栄えた国であり、イスラム文化を体全体で感じられる。

旧市街フェズで迷子になりながら、買い物がしたい。バブーシュは買うと決めている。途中ミントティーでも飲みながら休憩したりして。疲れた体はスパで癒す。
サハラ砂漠でラクダに乗って、果てしなく続く大地を眺めていたい。砂漠で見る夕日の美しさといったら、涙が出るくらいなのだ。夜の砂漠は一気に寒くなる。でも夜空には満天の星。何もしない、ゆっくりとした時間を過ごす。
長い移動を経て青の街シャウエンへ。シャウエンではカジュアルなウエディングフォトを撮るんだ。

そんなことを夢見て10年近く。
夫と出会い、結婚した。
私の父とは性格真逆のおっとりした、内気で控えめな心優しい男性だ。
夫はモロッコに行ってくれるかといったら、そうだな…私がリードしたら付いてきてくれるかも。
彼は中東駐在の経験はあるけど、逆にそれがトラウマで、あまり乗り気じゃないかもしれない。
そして、時代は移動の制限で海外旅行なんて夢のまた夢。いつ海外旅行に行けるかなんて誰も分からない。
子どもが産まれたら尚更難しいだろう。
私たちの新婚旅行は、20年のお預けになりそうだ。

でもいつか、必ず夫を説得して新婚旅行はモロッコに行くんだ。
それまでお互い健康で仲良くしていましょう。

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