詩 _ 「そよ風と雷」
わたしのまんなかで
哀しみがまるくなっている
そよ風にゆれるときは
ゆっくりと呼吸をして
まるが乱れないようにする
雷が鳴るときには
おおきく息を吸って
居場所を広げる
雷に見つからないように
ときどきふるえそうになるから
哀しみが揺れてしまいそうになる
雷に見つかってしまえば
もうおおきく息を吸うことは無理だろう
するどい光に視界がせまくなり
希望は見えなくなる
わたしはしずかにしずかに
おなじ姿勢で哀しみを守っている
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