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#1【自分が知っている世界がすべてではない】静岡市立高校生×ASPJディスカッション

「探究」の授業が始まり自分たちでテーマを決め
社会課題や疑問について深堀する事を経験している3人の高校生に協力していただき、髪がなくなる人たちに自分ならどんなことが出来るのかというテーマでディスカッションを実施しました❣️

【ディスカッション内容】

▶髪がなくなる症状についてもっと知ってもらうための働きかけとは?

▶学校の授業などで「考えてもらう」機会を作るにはどんな方法がある?

▶友人に当事者がいたらどんな風に声をかける?

▶近くに症状を持つ人がいたら、あなたの初めの一歩として出来る事は?

▶当事者本人が辛いときどんなサポートがあればいい?SNS、先生・・・



#1「もし、自分が」
想像から始まるということ


ASPJ土屋【以下土屋】
ASPJは2017年に、脱毛症、抜毛症、乏毛症、治療の副作用等のさまざまな理由で髪の毛に症状を持つ当事者の方と集まって、“髪の毛がない”と言うことをもう少しプラスの要素で知っていただくことができないかという想いから始めた団体です。
実は活動している私たちでさえ、一体どのくらいの人がこの病気を抱えているかわからない状態なのです



髪の毛がなくなる事自体は隠せてしまうものでもあるためか、必ずしも「病院に行く」という選択をする人が少ないのが現状なんですね。


私自身は小学校1年生の時に、7つ年上の姉が枝毛を探して抜いているのを単純に真似して髪を抜いた事がはじまりでした。
次第に自分の心のモヤモヤがうまく話せない時とか、悩みがあるときなんかに髪の毛を抜いてしまって、気が付いたらなんともう30年以上繰り返してしまったという『抜毛症』を持っています。


髪の毛がなくなる症状名はいくつかあるのですが、症状名を限定せずに、抜毛症・脱毛症・乏毛症・無毛症、抗がん剤の治療の福証などで髪の毛が抜けてしまう人、そういった方々を含めて活動をしていることが特徴です。


私は小学校1年生のころから抜毛症を発症したので、もちろん中学生高校生の時にも症状が続いていました。

友達にも話せなかったし先生にも相談なんてできる状態ではありませんでした。
では今の抜毛症の子たちはどうしているかというと、周りに同じ症状の人は、近くにいないので、なかなか相談もできない。
自分が辞めればいいだけの事。自分自身との乖離や不一致さを分かっているので話したことで「拒否されたらどうしよう」「嫌われてしまうかもしれない」そういった気持ちの葛藤を抱えていることから、症状について人に伝えられないという方もいます。



今日は小林先生と皆さんにお時間をいただいて、若い世代・学生のみなさんに“もし、自分が当事者だったら”と想像していただくこと、“もし、自分のとても親しい友人がそういった症状をもっていたら”どんなことをしてあげられるかということをみんなでディスカッションしていきたいと思っています。



🌸Uさん:今回このディスカッションに参加させていただくということで、事前に先生からいただいた資料や、教えていただいたウェブサイトでASPJの活動を少しのぞかせていただき家族とも今回のテーマについて話をして、色々なことを聞きました。

土屋:えー、嬉しい!ご家族はどんな感じでしたか?

🌸Uさん:私が知らなかっただけで、母の周りにも髪の疾患を持っている方がいる話や、私の友達にも過去に経験したことのある子がいるんだという話を聞くことができて、意外と身近なんだなと感じました話をしてくれた友達は、抜毛症でした

母は、円形脱毛症になってしまった方を知っていたようなのですが、その方のプライバシーもあるのでわざわざ私には知らせなかったみたいです。全然気づかなかったんですが私の周りにもいるのだと感じました。


土屋:ありがとうございます。
そんな風に周りの方とシェアしてくださったことがまずとっても嬉しいです。“そういえば一時期抜毛症になっていた”というお声いただくことがよくあります。

私はたまたま髪の毛でしたが、眉毛、まつ毛、指の毛等。男性だったらヒゲ、自然と治ったから忘れていたけど、言われてみれば一時期抜いてしまっていたっていう方が多いんですよね。他にはASPJについてどんな印象がありますか?

🍀Mさん:事前に先生からいただいた資料の中に、スキンヘッドを活かした芸術的なパフォーマンスをされている写真があって、私、テレビで見たことがありました!

土屋:うん、それはたぶんASPJかな!(笑)
2017年にASPJを立ち上げたときに、“髪の毛がない”ってどうしても見た目のインパクトが大きいし、見た人も正直びっくりされると思うんですよね

その驚きの認知をどうしたら和らげられるか考えたときに、“可哀想”“大変そう”というのじゃなくて、“綺麗だね!”“かっこいいね!”という価値観の変容を起こして伝えられないかなと思って、アートを意識した活動をしていた時期がありました。




「すてきですね!」「カラフルでしたね!」とポジティブな感想をいただきました。

でもその一方で、当事者の方々の中には『自分はずっと隠しているのに、そういう活動をされるとすごく置いてきぼりな気持ちになる』『反発的な気持ちになる』といったご意見もありました。



それは確かにごもっともな意見で、私の望んでいた形ではないので、今は少し活動の重点を変化させていこうとしています。
とは言え、当事者の方が自分のありのままの状態で表現したりすることは、ご自身と向き合う大きな心のステップでもあるので、それを残しつつ、悩んでいる方に寄り添った活動にも取り組んでいます。

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▶︎当事者とご家族のためのオンラインオープンカフェ
毎月第三土曜日21時より
事前予約なしで参加できる

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▼ ASPJコミュニティサイト 登録者1656名

当事者とご家族専用コミュニティ
症状や年代など、より近い方と繋がり分かち合える方々との情報交換の場所登録無料


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▶︎公式LINEによる相談窓口



【参加者】
静岡市立高校3年生3名
静岡市立高校教員 小林大介先生
NPO法人しずおか共育ネット代表理事 井上美千子さま
https://www.facebook.com/shizuokakyouiku.net
【ASPJ】
土屋光子(ASPJ代表理事)
鈴木明美(デザイナー)イシヅカマコト(アートディレクター・監事)
【実施協力】
株式会社PEER 代表取締役社長 佐藤真琴さま
https://www.dipeer.jp/
がんと生きる日常生活をサポートするメディア
https://speak2you.net/
IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]
代表 川北秀人さま
https://www.facebook.com/iihoe/
#1「もし、自分が」想像から始まる
#2 共感力と聞き取り側の受け皿
#3 学生が使うSNSの価値観
#4 検索しなくても情報が入る仕組み
#5 ベストな答えはひとつじゃない
#6 本当に受け入れられるだろうかという不安
#7 おかれている制度に目を向ける
#8   当事者とご家族のためと
#9 アフタートーク
#10 ライターMIWAKOレポート

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