Scratchの達人 #10 ブロック定義を使う理由
こんにちは。麻生菜乃(あそう なの)といいます。
2022年12月に「Scratchの達人」を出版しました。この本は、初心者を卒業したScratch使いが、より深いプログラミングができるるようになることを目標とした、Scratchの解説書です。読者が楽しみながら読み進められるように、主に4つのゲームのプログラミングを通して、いろいろなことを解説しています。
今回は本書の中から、ブロック定義の説明を引用します。
自動販売機の処理を考えてみる
ジュースの自動販売機にお金を入れてボタンを押すと、ジュースが出てきますよね。場合によってはおつりも出てきます。よくある光景です。このとき私たちは「お金を入れる」と「ボタンを押す」のふたつの行動をします。
一方、自動販売機の気持ちになって考えてみると、お金を入れられてボタンを押されてから、いくつかの処理を行って、ジュースとおつりを出していることが分かります。
①必要な金額のお金が入れられたかチェック
②ボタンが押されたかチェック
③ジュースが売り切れていないかチェック
④おつりが必要かチェック
⑤おつりが必要なら、おつりが切れていないかチェック
・・などです。これらのすべてに問題ないことが分かってからようやく、ジュースと時にはおつりを出します。
自動販売機のボタンの効果
もし、これらの処理のボタンがひとつずつ自動販売機に並んでいていて、お金を入れてから順番に押す必要があるとしたら、かなり面倒くさいですよね。押す順番を間違えるかもしれません。
そこで自動販売機では、ひとつのボタンにこれらの処理をまとめて、買うひとの手間を減らすとともに、処理の順番の間違いを防いでいます。
ブロック定義の効果
ブロック定義も同じように、いくつかのブロックをひとつのブロックにまとめることで、プログラムを作る手間を減らし、バグが入りこむ可能性を低くします。
またブロック定義には、まとめた処理に名前を付けてプログラムの見通しを良くしたり、まとめた処理を繰り返し使いやすくするという効果もあります。本書では主に、プログラムの見通しを良くするために、ブロック定義を使っています。
ゲーム作りのコツをたくさん書いています
今回はブロック定義について触れましたが、このほかにもいろいろなゲーム作りやプログラミングのコツをていねいに説明しています。興味を持たれた方は、ぜひご一読ください!
文中の自動販売機のイラストは、SILHOUETTE ILLUST(シルエット イラスト)様からお借りしました。ありがとうございます。
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