🟧 犬も歩けばミャンマー飯に当たる③ 〜 クロントイ市場〜 🟧
アソークから1駅のリトルミャンマー
クロントイ市場のロケーションはスクムヴイット界隈からもかなり便利。アソーク交差点にあるMRTスクムヴイット駅からひと駅のシリキット駅から徒歩圏内。
だから観光客風の人もたまに見かけるけどお土産物屋もないしエアコンの効いたレストランもない。なにも知らずに来たらけっこうしんどいスポットだと思う。
そんなクロントイ市場を歩いてるとミャンマー語の看板をちらほら見かける。この辺りにミャンマー人が多くいてミャンマー人向けのお店が多いことがわかる。
バンコク最大の生鮮市場(?)ってホント⁇
よくクロントイ市場のことをバンコク最大の生鮮市場なんて書いてあるけど、それってホントなんだろうかって行くたびに思う。チャトチャク市場なんかよりぜんぜん小さいし、どこまでが市場でどこからスラムだかわかんなかったりする。
いろいろ調べてたらクロントイ市場のマップを発見。これ見てやっと構造がわかったけどやっぱ小さかった。東西600m南北300mくらいで面積が0.18㎢。チャトチャク市場が1.13㎢だからその3割弱。それでも生鮮市場としては最大なのかも。
ちなみに今回のテーマのリトルミャンマーは上記の地図で言うと④の「タラート4」あたり。説明によると「食品、食肉売場 ムスリム、タイヤイ(シャン族)」って記してるけどなんでタイヤイなんだろ。ミャンマーエリアって意味なんだろうか。
クロントイ市場がいつオープンしたかは不明。ただ市場の近くにあるバンコク港が1940年のオープン、隣接するタバコ工場が1939年のオープン。たぶんそれよりはずっとあと。1960年代に出稼ぎ労働者がバンコク港のまわりに住み着いてクロントイスラムが形成された頃じゃないかと思うけど。
ちなみにバンコク都内には486か所の市場があるけどそのうちほとんどの470か所が民営、行政が管轄するのは国営が3か所、公営が13か所だけ。なので詳しい歴史が見当たらなかったりする。
クロントイ市場も「クロントイ市場株式会社」という民間企業が経営。この会社のオーナーは国会議員で元農業協同組合副大臣のタンマナット大尉。憲法裁判所の要請で国家汚職防止委員会(NACC)が調査したところ、彼の資産は愛車ロールスロイス、ベントレーを含め7 億 5,900万฿。
クロントイ市場のリトルミャンマー
じゃあクロントイ市場のリトルミャンマーはいつできたのか。これもほとんど記録がない。個人的には去年初めてその存在に気がついたけど、いつからミャンマー人やミャンマー人向けのお店ができ始めたかという記録は見つからない。
市場を歩いてて目立つことの1つはキンマ。これは噛みタバコに似た嗜好品で、かつてはタイや台湾でも流行ってたけど今は廃れてしまった。
でもミャンマーでは現在も健在でタバコ並みに常用者が多い印象。これが市場のあちこちで見かける。キンマを店頭で作って売ってたりキンマの葉っぱだけを大量に売ってたり。
あと八百屋にタイ人は食べないバナナの茎が売ってる。ミャンマーの国民食モヒンガーのスープには欠かせない食材だけど、タイ料理では滅多に使わない。
リトルミャンマーのメインストリート
「タラート4」あたりにはミャンマー関係のお惣菜屋、食材屋、雑貨屋が目立つ。左手に見えるのが「タラート4」この通りがメインストリートっぽくなってる。とは言ってもミャンマー系のお店は半分以下。
やはり食材店が多い。この通りに面した食堂は一軒。食堂とは言っても惣菜屋の奥にテーブルがあるだけ。24時間営業で夜は居酒屋みたいな状態でミャンマー人のたまり場になる。
通り沿いに出てた派手な屋台もミャンマー人向け何でも屋。たぶんここ以外で営業する場所はないと思う。
タラート4の内部はミャン飯天国
さていよいよ「タラート4」に入っていく。ここはクロントイ市場で最新最大の建物だと思う。唯一の2階構造だし。
かなりの数のお惣菜屋が並んでる。その中のいくつかはその場で座って食べられるようにイスがあったりする。
お惣菜が並んでてもぱっと見タイのお惣菜と見分けがつきにくい。でもよく注意して見るとやたらと油が浮いてる。
ちなみに2階はあとで紹介する大きなミャンマー食堂と小さなお店が2-3軒あるだけでだだっ広い空間が無駄に広がってる。もったいない気もするが。
そしてただひたすら揚げ物好き。どこに行っても揚げ物が並んでる。これって揚げたてはまだしも冷めるとイマイチなので滅多に食べないけど。
この辺りのミャン飯屋は午前中の10時くらいからオープンして夜中までやってるお店が多いけど、24時間営業のお店もある。
ほとんどのお店がお惣菜がメインだけどワッタドゥートー(ミャンマーおでん)がウリのここお店はこれと麺類がメイン。夜は仕事帰りのミャンマー人がビールを飲みながらワッタドゥートーをつついてる。
お店の入れ替わりはけっこう頻繁な印象。クロントイ市場で唯一タイヤイ麺(シャンカオスエ)を出してたお店が3回目に行った時にはなくなってた。
リトルミャンマー増殖中⁈
「タラート4」とアソーク通りの間にあるなんでこんな名前がついたか不明な「アントン市場」にもぼちぼちミャンマー語の看板が目立ってくる。小さな食堂やら携帯電話屋とか。
目立たないお店でもよく見るとタイ人は使わなそうな食材やミャンマー語のパッケージがあったり。野菜や乾物もタイ人が使う食材と微妙に違うのが面白い。
つい最近発見したけど、雑貨屋や食堂に混じって洋品店もある。ミャンマーの民族衣装を売ってる。カレン族の衣装はわかるが、他のはどの民族か不明。
クロントイのお店①
クロントイで唯一単なるお惣菜屋じゃないまともなミャン飯屋。それもそのはず。このお店はミャンマー国内で10店舗を展開するチェーン店のタイ2号店。場所は「タラート4」の2F。デザート付きのサラダバーまである充実ぶり。
クロントイのお店②
通り沿いにある昼はお惣菜屋だけど夜は居酒屋なお店。24時間営業。オーナーは市場内に6店舗持ってるらしい。ビールのお値段はコンビニ並み。あと、タイのサトーってどぶろくみたいな自家製(?)のお酒がペットボトル500mlに詰めてあってこれが30฿!。
クロントイのお店③
つい最近オープンしたクロントイ初のタイヤイ麺が食べられるお店。お惣菜やってないしメニュー数も少なくて、いつまで続くかちょいと心配。
クロントイのお店④
リトルミャンマーエリアから少し離れた場所のタイヤイ(シャン)のお店。お惣菜と麺類がある。残念ながらシャンカオスエ(シャン麺)はやってない。
クロントイのリトルミャンマーは17時過ぎがピークタイム。食材やお惣菜を買ったりぶっかけ飯を食べたり、現場作業着を着てヘルメット姿のミャンマー人が大挙して押し寄せる。
そして夜はお惣菜屋の奥のテーブル席で酒盛りを始める。遅い時間になるとしゃかりき432“など日系居酒屋のスタッフがやはり仕事帰りの食事をしに来る。
こんな感じでクロントイのリトルミャンマーはスクムヴイット界隈のミャンマー人の生活の一部になってる。
意外と場内に食堂や屋台が少ないクロントイ市場。いまやミャン飯屋のほうがタイ飯屋より多くなってるかもしれない。とは言ってもタイ人がミャン飯屋で食事してところを見たことはないけど。
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