🟧 犬も歩けばミャン飯に当たる① 〜バンコクリトルミャンマー〜 🟧
バンコクのあちこちにミャンマー人が集まるエリアが数か所ある｡個人的にこのような場所をリトルミャンマーって呼んでる｡そこに行くとバンコク在住のミャンマー人が集まってて､現地と同じいわゆる｢ガチミャン飯(ミャンマー料理)｣が食えるって話をしていくつもりだけどその前に｡
タイはミャンマー人だらけ
2021年2月1日の国軍クーデタ以来内戦が続くミャンマーの情勢は悪化の一途｡そんな中､隣国のタイには大量の難民が流入中なんてニュースが時たま流れてくる｡とは言っても国境辺りの難民キャンプかなり以前からあった｡クーデタ以前からいたミャンマー難民は9万人｡クーデタ以降に新たに流入した難民は4.5万人程度で､合計してもタイ国内にいるミャンマー人全体からすると比較的少数｡
じゃあ一体どれくらいのミャンマー人がタイにいるんだろうか｡サムットサコーンの工場､バンコクの飲食店や工事現場で出稼ぎ労働者として働いているミャンマー人の人口は？
2014年のミャンマー国勢調査によるとタイ国内にいるミャンマー人は約140万人｡その数はミャンマーの海外人口の約70%を占める｡
タイで働くミャンマー人は1962年の国軍クーデタ以来2011年の民主化まで50年にわたって流入し続けて､タイ国内の移民労働者の半数以上｡
国内の民主化によって多くのミャンマー人が祖国に戻る傾向にあったが､COVIDと2021年のクーデタで再びタイに流入するようになった｡2020年に約157万人だったのが2022年には約198万人に急増してる｡
ミャンマー人が最も多いバンコクの隣県サムットサコーン県ではタイ人が60万人に対してミャンマー人が40万人｡県内人口の40%がミャンマー人という高濃度｡
個人的にミャンマー人と一番多く接する機会はバンコクの日本食店だと思う｡ほぼ全てのお店でミャンマー人が働いてる｡タイ人スタッフがいないミャンマー人スタッフだけのお店も珍しくない｡
これは日系飲食店のようにスタッフ教育がちゃんとしてる(=厳しい)お店だとタイ人が長続きしないで離職率が高いから｡逆にミャンマー人は比較的高給でワークパーミットもちゃんと出す日系飲食店に長居する傾向があるからだと思う｡
下記の日系居酒屋の募集広告に『現在は日本人10名タイ人100名ミャンマー人ラオス人40名という、合計150名ほどの体制です』と書かれてるけど日系飲食店でミャンマー人は必要不可欠｡
こんな感じでバンコクで普段に働いてるミャンマー人と接している限り､難民として命からがら国境を越えてタイにたどり着いたミャンマー人の境遇とは世界が違うって思わざるを得ない｡
もちろんタイ-ミャンマー国境近くの難民キャンプに戦乱を逃れて来たミャンマー人がいることを忘れてはいけないんだけど｡
バンコクのリトルミャンマー
当チャンネルで確認できたバンコク都内とその周辺のリトルミャンマーは以下の8か所｡どこも比較的大きな市場の近くにある｡これは､市場で働くミャンマー人労働者をターゲットにしたミャン飯屋､食品/雑貨屋集まったことがキッカケになったから｡
クロントイなどのバンコク中心部のリトルミャンマーは､まわりに工事現場や労働者キャンプが多いので､夕方など現場上がりのミャンマー人労働者が大挙して押しかける｡あとスクムヴイット界隈の飲食店で働くミャンマー人も多い｡
あとミャンマーはタイと違って人種も言語も違う(方言というレベルじゃなく文字も違う)民族がいるので､バンコクのリトルミャンマーもそこにいる民族はいろいろ｡場所によって民族構成も違う｡
①プラカノン/ プラカノン市場
日本人エリアからいちばん近いリトルミャンマー｡日本人ブロガーやユーチューバーが取り上げてるミャン飯屋はほとんどがここ｡カレン族が多い｡
②クロントイ/ クロントイ市場
市場で働くミャンマー人､まわりの工事現場で働くミャンマー人が多く集まる｡巨大生鮮市場の場内なのでミャンマー人向けの生鮮品を扱うお店もある｡
③サムロン/ サムロンスクエア内
バンコク東郊最大の商業エリア｡近くに巨大な生鮮市場もあってそこで働くミャンマー人も多い｡中心部から離れたサムロンスクエアにお店が集中｡タイヤイ族が多い｡
④プラトナーム/ プラトナーム市場周辺
バンコク中心部の巨大衣料品市場プラトナーム市場の周辺にミャン飯屋が点在｡他のエリアと違ってエアコン付きのお店やパブ営業もやるお店が多い｡
⑤バンカピ/バンカピ市場
バンコク郊外にある巨大生鮮市場の場内にある｡ミャンマー人向けのお店はあまり多くない｡市場で働くミャンマー人が多い｡カレン族が多い｡
⑥タラートタイ/ タラートタイ市場
バンコクの隣県パトムタニのタイ最大の生鮮市場の中にある｡市場で働くミャンマー人向けの食堂街｡
⑦サドゥプラディット/ ラーンサーイ プラザ市場
ミャンマー人向け食材､雑貨屋が数店舗夕方から出店するこじんまりしたフリーマーケット｡近所に住んでるミャンマー人向けアパートの住人向け｡
⑧バンボン/ バンボン市場
バンコク西郊のタイ最大のミャンマー市場｡隣県のサムットサコーン県で働くミャンマー人労働者がターゲット｡ビルマ人が多い｡
次回からこういったバンコク周辺のリトルミャンマー8か所と｢ガチミャン飯屋｣をレポートしていきます｡
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