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【絵本レビュー】 『とべないカエルのカール』

作者/絵:Colorful_n
出版社:絵本ひろば
発行日:2018年1月

『とべないカエルのカール』のあらすじ:

ぴょんぴょんととびはねることができないカエルのカールは、
みんなとちがうのでなかまはずれになっています。
おそらのくもをおいかけて、ぬまのそとにでかけていきました。
さて、ぬまのそとにはなにがまっているのでしょう・・・?

『とべないカエルのカール』を読んだ感想:

子供の時って、みんなと違うということは致命的。みんなが持っているキャラクターの文房具を持つことや、みんなが見てるテレビ番組を見ることは、仲間に入れてもらうためには大切ですよね。みんなが飛べるから、飛べないカールは仲間はずれになる。でもカタツムリが、違うことが得意でも一緒に楽しめる、ということを教えてくれる。みんながみんな同じじゃなくてもいいって教えてくれて、なんだか私はホッとしたのです。

私のうちではテレビは禁止、ラジオも禁止で、唯一見せてもらえたのは古い映画ばかり。「みんなが持ってるから」もご法度で、インディゴデニムのブーツカットジーンズは買ってくれるけど(その時の流行りはウォッシュドジーンズ)、キティちゃんのメモ帳は買ってくれない。もちろんクラスの女の子たちと話は合わず、小学校時代は男の子とばかり遊んでいましたね。中学、高校に入ると、それぞれ違った趣味や特技のある人たちが集まっていて、とても気楽でした。知らなかった音楽を教えてくれる子、似顔絵を一緒に描いてくれる子、映画の好きな子などがいて、「みんな」というコンセプトがなくなったように思います。でもね、小学校の時に私にもカタツムリとの出会いがあったら、みんなの好きなことを知って、もっと一緒に楽しめたんじゃないかなあ、なんて思うのです。

『とべないカエルのカール』の作者紹介:

Colorful_n
着色した色紙による貼り絵でイラストや絵本を描いています。アルファポリス主催「第12回絵本・児童書大賞」にて優秀賞&奨励賞受賞。


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