【絵本レビュー】 『たまごのはなし』
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【絵本レビュー】 『たまごのはなし』

作者/絵:しおたにまみこ
出版社:ブロンズ新社
発行日:2021年2月

『たまごのはなし』のあらすじ:


ある日とつぜん目をさましたたまご。はじめて歩き、はじめて話す。マシュマロを起こして、キッチンの台を降り、探検にも出かけます。

『たまごのはなし』を読んだ感想:

しってるかい?
じぶんが かんがえていることは、はなさなければ
あいてには ほとんど つたわらないんだって。

この本には子供に教えたい素敵な生き方のコツがたくさん隠されています。

相手に言わないで、勝手に「きっとこうなるだろう」とか「きっと相手はこう思ってるだろう」って先読みしてイライラすることが多々ある私です。

先日旦那が言ったんです。
「仕事から帰ってた時に、君達二人はもう食べちゃってて僕の分がなくて自分で作らなきゃならない上に、一人で食べなきゃいけないのは絶対嫌だ。」

「食べちゃってたら、せめてお茶だけでも飲みながら一緒に座ってて欲しいの?」と私。

「そう。それじゃなきゃ、家族って何さ。」

なるほど。納得です。でも思ったんです。私が夜のクラスをして八時ごろ帰ってきていた時期、息子は夕飯を食べていたけど私の分は何もなかったことが半分くらいあったんです。これはコロナのロックダウン以前の話。でも冗談まぎれに言ってみました。

「私だって嫌だけどさ、そういう時何回もあったよね。」

「息子くんにはパンにソーセージ挟んでケチャップかけただけのをあげたんだけど、そんなのどうせ食べないでしょう?」と返ってきました。

「でもちゃんとチャーハン作ってあったこともあるでしょ。」

「。。。茶碗に半分もなかったよね」と私。

「ああ!あれは君の息子がほとんど食べちゃったからだよ。」

「そう言ってくれればよかったのに。「そこにチャーハンあるよ」って言ってさっさとYouTubeに戻っちゃったでしょ。パンにソーセージのときだって、そう一言言ってくれればあとは自分で決めたのに」と何ヶ月も後になってやっとイジイジいう私。

私がそのときどう思っていたかというと、「私が遅くまで仕事して息子の晩ご飯も用意していなかったのが気に食わなかったんだ。だからこれは仕返し」とか、「仕事して欲しいっていうくせに、いざすると家のことを彼がしなきゃいけないから嫌なんだ。私スーパーウーマンじゃないもの。全部なんて無理だよ。」だったんです。そして私はこの自分の考えに対してイライラし、数ヶ月という時間を不満で満たしていたのです。なんとまあ無駄にエネルギーを費やしていたことでしょう。

私はたまごに教えられました。「話さなければ伝わらない」もっともなことです。なんで私はもっと早く考え方を変えなかったんだろう、と思っていたらまたもやたまごくん、鋭いところを突いてきました。

だれにでも しらないことは かならず あるんだから。
ぜんぶ しっているひとなんて どこにも いない。

悔しいけれど、この絵本のたまごくんたちに私は完敗しました。大人でもハッとする気づきが得られるし、子供にとっては、自分がハッピーになれる生き方のコツがたくさん詰まった絵本です。


『たまごのはなし』の作者紹介:


しおたにまみこ
1987年、千葉県生まれ。女子美術大学工芸学科卒業。背景美術制作会社勤務を経て、絵本作家となる。はじめて制作した絵本『やねうらおばけ』が、2014年第15回ピンポイント絵本コンペ優秀賞を受賞。繊細な鉛筆画で描き出す独特の世界が、読者を引きつける。作品に『そらからきたこいし』『やねうらべやのおばけ』(ともに偕成社)などがある。東京都在住。



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ドイツ、ベルリンから発信する勝手な絵本レビュー。海外に住む日本人の子供たちのための日本語習得と、違う文化で子育てに奮闘する両親たちのコミュニティづくりについて日々考えています。コーチングの資格を取る勉強をしています。