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【絵本レビュー】 『ぐりとぐらのおおそうじ』

作者:なかがわりえこ
絵:やまわきゆりこ
出版社:福音館書店
発行日:2002年2月

『ぐりとぐらのおおそうじ』のあらすじ:


雪に閉ざされた長い冬が終わった春の朝、ぐりとぐらが、窓を大きく開けて朝ごはんを食べていると、なんと家中ほこりだらけ! 「今日の仕事は、大掃除」と2ひきは張り切りますが、ほうきもはたきも雑巾も、すり切れて使いものになりません。そこで、ぐりとぐらは、ぼろ布を体中に巻きつけて、自分たちがほうきや雑巾になることにします。大掃除もぐりとぐらにかかると、こんなにダイナミックに楽しくなります!

『ぐりとぐらのおおそうじ』を読んだ感想:


大掃除、最近していません。日本にいた頃は年末といえば大掃除をしていました。古い手紙やテスト勉強のノートをドサドサ捨てるのはなんとも気持ちがいいものでした。海外に来てからそんな習慣がないのをいいことに、ぱったりとしなくなったのですが、理由はそれだけでもないように思います。なんでしょう。

ヨーロッパの年末年始はあっさりしています。クリスマスが終わるとウキウキした気分は消え、元旦へ向けた雰囲気など全くありません。あるのは大晦日の大パーティーだけ。元旦はただ二日酔いから回復するためだけにある感じで、昼すぎまで小さな子供のいる家族を除き、道は空っぽです。そして2日からは会社も全く普通通り始まり、正月ムードなどこれっぽっちもありません。海外生活のはじめの頃は一人で初日の出を探しにいったりしましたが、いつのまにかそれすらしなくなってしまいました。

大掃除って新年をさっぱりと迎えるためにあるので、すればいいのでしょうが、迎えるべき新年というものが見えてこないので、大掃除はできるときにすればいいという気持ちになったのかもしれません。う〜ん、それにしてもそこいらに溜まっているレシートや仕事で増えがちな紙類、なんとかしなきゃなあ。ぐりとぐら、来てくれないかしら。古いTシャツ集めて待ってるんだけどなあ。

『ぐりとぐらのおおそうじ』の作者紹介:


なかがわりえこ
作家。1935年札幌生まれ。東京都立高等保母学院卒業後、「みどり保育園」の主任保母になる。72年まで17年間勤めた。62年に出版した『いやいやえん』で厚生大臣賞、NHK児童文学奨励賞、サンケイ児童出版文化賞、野間児童文芸賞推奨作品賞を受賞。翌年『ぐりとぐら』刊行。『子犬のロクがやってきた』で毎日出版文化賞受賞。主な著書に絵本『ぐりとぐら』シリーズ、『そらいろのたね』『ももいろのきりん』、童話『かえるのエルタ』、エッセイ『絵本と私』『本・子ども・絵本』。映画「となりのトトロ」の楽曲「さんぽ」の作詞でも知られる。2013年菊池寛賞受賞。『ぐりとぐら』は現在まで10カ国語に翻訳されている。


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