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【絵本レビュー】 『ゆかいなかえる』

作者/絵:ジュリエット・キープス
翻訳:いしいももこ
出版社:福音館書店
発行日:1964年7月

『ゆかいなかえる』のあらすじ:


水の中の4つのたまごは、おたまじゃくしからりっぱな4ひきのかえるに成長します。かえるたちは、泳ぎの競争をしたり、かたつむりをかくしっこしたり、ときには敵から身をかくしたりと仲よく愉快にくらします。そして夏が終わり冬がくると、花が咲く春まで眠るのです。ユーモラスなかえるたちの絵と、石井桃子のリズミカルな文章。そこから伝わるかえるたちの楽しげな暮らしをとおして、生物としてのかえるの生態にも自然と興味がわいてきます。

『ゆかいなかえる』を読んだ感想:


いつも新しい事に挑戦するクリエイティブなママ友達がオススメしてくれた絵本です。
私は大のカエル好き。もちろんそのママ友は知らなかったけど、題名を見た私の顔はすでに笑顔。味のあるイラストで描かれているカエルたちはなんとも無邪気で幸せそう。カエルを食べようとする敵もいるけど、そこは抜かりなく逃げる。カエルたちの日々がユーモラスに描かれているけれど、誕生から冬に冬眠するまでの自然形成をさりげなく教えてくれているのです。

カエルといえば、子供の時よく地元のオリンピック公園へ遊びに行きました。ある時池の中に子供たちがいっぱいいて大騒ぎ。近づいて見ると、ありったけの容器でおたまじゃくしを捕まえているのです。私も早速高い壁を降りて水の中に入りました。真っ黒で音符みたいなおたまじゃくしを何匹も捕まえて、拾ったジュースの缶に入れて持ち帰りました。家に帰ると、庭にあったたらいに水を張りおたまじゃくしを放しました。それからは毎日観察。あるものは右足、あるものは左足、そして前足が出て来るのを見るのはとても楽しかったものです。四肢が揃い尻尾も短くなってきた頃、私は小さなカエルを庭で飼えることをとても楽しみにしていましたが、ある朝起きて庭に出ると、なんとたらいは空っぽ。すぐに父親に「おたまじゃくしどこ!」と責めるように聞きましたが、父も全く検討つかずのようでした。そのあと二人で考え付いたのは、成長したカエルたちは跳ねて出て行ってしまったのだろうということです。あんな素敵なたらいで毎日綺麗な水とご飯ももらえたのに、出て行くなんて。。。せめて成長した姿を一目見たかったなと今でも思うのでした。

『ゆかいなかえる』の作者紹介:


ジュリエット・キープス(Juliet Kepes)
1919年ロンドン生まれ。英国のペックマン、ブライトン両美術学校、米国シカゴのインスティチュート・オブ・デザインを卒業。1952年に初めての絵本『五ひきのこざる』を出版、それ以後数冊の絵本を出版。絵や織物のデザインでニューヨーク近代美術館の賞も受けた。1999年死去。


ジュリエット・キープスさんの他の作品

残念ながら他に翻訳されている絵本はないようです。

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