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言ったことが言った通りになるように

美容師を
美容師としての人生を真剣に考えた時に
外せない要素が二つ三つあります

一つ目は最重要事項
「美容師として生きる」と決める事
二つ目、三つ目を読み進む中で感じてくれれば

特に今から美容師に本気でなりたい学生さん達
それから、本気でやろうと思っていたのに意味もなく
何故かやる気が無くなってしまった美容師さん達

くすぶっているものがあれば是非読んでください
美容師として
ファッションを愛するものとしての
心からのメッセージです

カット理論構成について

「カット理論」の組み立て方と必要性について
スタッフとよく話している事があります

「言ったことが言った通りになるように」
「少しでもお客様の想像を超えるように」

当たり前じゃん、そんな事って言われちゃいそうなんですけど
意外と最初にきちんと「ヘアスタイルの設計図」を決めずに
感覚と経験値だけでヘアスタイルを作っている人も沢山います
もし家を建てるとしたらこんな感じです

おうおうおう

めっちゃ良い家を建てよう
やってやろうじゃねぇか!
任せとけって!何年この仕事やってると思うんだっ!

壁どうする?
どーんと派手に全部金箔にしちゃおうじゃないか!
いいねぇ、めっちゃオシャレじゃん
じゃ、ドアなんて赤くて良いんじゃね??
おっと、トイレの場所を考えてなかった
どこか空いてるとこに付けときゃ良いんだよ、そんなもん

なんてね

ちょっと極端ですが雰囲気とノリと経験値だけでは
いつまで経っても良い家は建ちません

まずはお客様と話し合って「設計図」を作ります
カットで言うところの「展開図」ですが
これが「きちんと」頭の中で出来上がって初めてカット着工します

そしてここからが重要
「カットウィッグ」と言われる練習用のお人形さんであれば
この「設計図」だけで思った通りにカット出来るのですが
実際に人間の髪を切るとなると、ここに様々な要因が加わってきます
髪の太さ、毛流、髪のダメージ状態、ヘアスタイル履歴、季節的なもの、体調による状態の変化などがそれです

これら全てカットをやる上で重要な要素になりますが
一つ一つ面白いくらいここにも「理論」があります

理論の生み出し方

例えば「毛流」がヘアスタイルに一番影響を与えている場所が
「つむじ」の場所と巻いている方向の把握です

人種によって渦を巻いている割合が違って
世界的にみると8割くらいが右巻き
日本人の場合は60%が右巻き、40%が左巻きで
世界一左巻きに髪が生えている人種だそうです
だから何なん??

って言われそうですけど例えばつむじが右巻きの場合
(必ずしも全員がそうではありませんが)
右サイドは後ろに毛が流れ、左サイドは前の方に毛が流れる為
どうしても髪が左側に集まってきます
そしてそこを無視してカットすると
右側だけが軽くなり、左側が重たくなってしまう
これも「設計図」にあらかじめ入れておくべきです

あと今の時期だと常に頭にあるのは「季節的な要因」です
特に熊本は湿気が強く
冬の間は落ち着いていた髪も5月初旬から徐々に湿気が増え始め
9月中盤くらいまでは湿気によるクセ毛で
ヘアスタイルが落ち着かなくなります
この場合に重要な事は「軽くする」部分と
「重くして落ち着かせる」部分の判断
広がるからって理由でやたらと軽くしていく(セニングを入れる)と
その分短い髪が増えるので非常にまとまりにくくなります
毎日アイロンをしても汗をかいてしまえば又同じこと
なので基本的にはヘアスタイルに合わせて
「軽くするとこ」と「重くするとこ」を作りヘアスタイルを作りますが
これには骨格と場所による髪質の違いを「設計図」に入れ込みます

こうして文章にするとやたらと長く
小難しい話のようですけどこれらすべてに「理論」は存在し
その理論は経験からも培われます
どんな経験をすればそうなるか?

人よりも沢山失敗する事です

瞬間で沢山のコトを経験する方法

ちなみに高校生のうちに美容学校に行き
18歳から美容師になった僕は33年の経験と失敗をしてきて
やっと今の状態まで出来るようになりましたが
じゃあ、33年間も失敗し続けないといけないのか?
と言うと、そんな訳はありませんっ!!

やり方は簡単です
「素直に聞いて実践してみる」
  ↓
「実践した結果に対して向き合う、考える」
  ↓
「より良くなりたければ素直に聞いて実践する」
  ↓  
を、繰り返すことです!
簡単でしょ

例えば「自分なりの成功への道」があるとして
同じゴールを30年間迷いながら進んでいる先輩は100回中99回
間違った道を失敗しながら進んできたとして
その人が言う「こっちの道が正解だよ」は
最高に信じれませんか?

もちろん素直に聞いて進めば、その先輩の30年間の答えを一瞬でもらえます
それが瞬間で経験する方法

ただ、この時重要な事は「誰に聴くのか?」
んー
これが本当に重要なんです「師匠選び」は悩ましい

師匠選びの為に、ここだけは本当にハッキリ言っておきたいんですけど
自分の頭の中に少しだけでもあるのであれば
「自分が本当はどうなりたいか、どういう時が幸せか」
を自分でハッキリと認識しておくことです
可能であれば言語化して紙に書くのも良い
その上で、「この人から学びたい」って思って行動してたら
ラッキーパーソンに出逢えると思います

まずは自分が何をしたいのか
自分自身としっかり会話すること
「自分」が決まったら
「素直に聞いて実践する」からの流れをやってみて下さい
たぶん、仕事が楽しくなる

形を作る為に

アージュ美容室の考えとしては
どんな髪型でも「設計図」に落とし込んで
「言ったことが言った通りになる」仕事をする事なので
やたらと理論の話の勉強会も多いですが
理論さえ解ってしまえば成長速度は4倍速します

美容のお仕事は「形と色と素材作り」です
今日は「形」を作るために必要なカットの話をしましたが
本当はもっと理論的な話もって思ってましたが

なんか書いてたら気持ちよくなっちゃってゴメンナサイ

ちょっと話がズレましたが
美容師の「形」にはもう一つ「パーマ」というやり方があります
パーマは意外とシリアスなお仕事で
今日話したカットの展開図の理論と
毛髪に対する徹底的な理解が必要なんだけど
これを理解できて操れるようになったら無敵だと思ってます

パーマに関しては次回以降ブログで更新しますので
是非読んでみて下さい

沢山の失敗をして
今の僕が尊敬するのは
「誰も考えつかないすげぇ髪型を作っている人」でもないし
「売り上げが物凄く高い美容師」でもないし
「仕組み作りで売上倍増!!」でもないです

一人のお客様と向き合って、まるで自分の事のように悩み
今、自分が出来ることを精一杯やる
そして、終わった後に嬉しそうに笑う

もちろん、アージュのスタッフは建設的に髪型も作っていきますが
僕達美容師はアーティストだと自負しておりますが
近頃は僕が作るヘアスタイルよりもお客様の笑顔が
僕にとってのアートなんだなぁと感じます
可愛くって仕方ない

僕達は絶対の安心感と安定感を供給する為に
前述する様に沢山の失敗をしながら理論を創り続けたい

「言ったことが言った通りになるように」
を、今日はお話しました

「少しでもお客様の想像を超えるように」
これ、また話させて下さい。聞いてください

共感してくれれば幸いです
反感してくれると勉強になる

次回はパーマとストレートに関してのあれこれを
一生懸命書くので是非読んでくださいね

最後までありがとうございました

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