CAN・DAY・A・SORT 火星編 第1夜(なんで夜なんだろ)
ミニミニジテン(顔だけでそこから棒線の手足が生えている)は言いました。
(・A・)キャンディはん、これどないします
( ◍_◍ )なにがよ
どないしますとはもちろんこれである。もはやお馴染み。きゃんあそ名物ーー
〝ブッ壊れ 宇宙原付~♪〟
(・A・)いや、ブッ壊れ宇宙原付~♪…ぢゃないんすよ! まーたおめえさん不時着失敗してぶっ壊してんじゃん。
( ◍_◍ )まことにいかんである。
(・A・)…
( ◍_◍ )ま、済んだ事は仕方ないじゃん
(・A・)いなおり~!
と、ジテンはずっこける。
【キャンディはいなおった!】
( ◍_◍ )ンなことよりよ
(・A・)なんスか…(むくり)
【起き上がったジテンは顔面泥付きだ!!】
( ◍_◍ )せっかくだから火星マンキツしね?
(・A・)はぁ!? せっかくもなにもこっからエマージェンシーコールきたんでしょ!?💦
( ◍_◍ )そそ。そのえまじぇんをききいれるか考えつつブラつこ~ぜ
(・A・)…こいつマジやべーな!人助け的な思想ねーのかよ!
( ◍_◍ )…ガサゴソ。そう言いつつキャンディは火星に現存する草木に分け入るのダッタ!!
(・A・)…ここ草木ねえのよ。真っ平らなんだよ!真っ只中なんだよ!! 砂漠のッ!!
ひゅるり~。荒涼とした大地が引きでパーン(ズームアウト)!!
豆粒ジテンとキャンディが赤砂舞う地帯にひゅるり埋もれる!!
…その中!!
〝火星ってこんなとこだったんですねええええ!!〟
ジテンのか細き心なき雄叫びが未明の荒野をこだまする!!
ここ火星は地球人たるジテンにとって真未開の領域!!
CAN・DAY・A・SORT 火星篇 第1夜
『イメージと違う!!』
( ◍_◍ )おいィ~。ぶつくさ言うなよ~
ジテンはふんすかと小さな蒸気を4つほど繰り出しーー
(・A・)火星って青い空で人が住めるとか聞きましたよ!!
( ◍_◍ )まあな。生き物にとってそこまで住みにくいって土地じゃなさそーだな。
(・A・)それがなんなんすかコレェ!!
ジテンは両手を広げて〝どういうことですか〟ポーズでアピール!
(・A・)この、どこが住み易いんですか!!
【2人の間を砂塵が吹き荒れる!!】
( ◍_◍ )ン~……
(・A・)… …… ………
( ◍_◍ )チキュチカ?
(・A・)駅近みたいに言うなよ!! そんで地球人からしたら近くねーから!! 地球の文明なめんなよ畜生!!
( ◍_◍ )…だからって泣くなよ…
ジテンは涙を流すとともに、しくしくの文字を浮かべます。
(・A・)オーロラどしたんだよ…
( ◍_◍ )…女の子座りすんなよ…
(・A・)するでしょうよ!してもいいでしょうよ!オーロラどしたんすか!!聞いてた話と違うやい!!なんだよこのザラつき!顔面ザラつき!!ペっぺ!なんでこんな砂まみれなんだよ!しょっぺーな!…なんでしょっぺーんだよ!!…ちょっと美味しいじゃねーかよ!!
( ◍_◍ )…岩塩かなんかぢゃねーの?
(・A・)コレが!?岩塩ならぬ砂塩!?美味しそうだな!焼酎にちょちょっとツマミに良さそうですな!!
( ◍_◍ )…お前、酒飲めねーだろ。
(・A・)ちょっとくらい飲めるやい! そんで塩って基本砂型だろ! 砂の形してんだろ! なんだよ砂塩って!!
( ◍_◍ )…お前が言い出したんだろ…
ジテンはばさっ!と砂地に寝転びーー
(・A・)いーやーだ!いーやーだ!オーロラ見たい!地球帰りたい!ピザ食べたい~!!
( ◍_◍ )最後の初耳だな。
(・A・)いてっ!なんだよ!なんだよここ!スゲー襟から砂入ってくんじゃん!!
( ◍_◍ )砂地だからな。
(・A・)なんだよ!なんだよここもう!!あ!もうおしりに砂入ったよ!割れ目に砂入った!気持ち悪い~!!
( ◍_◍ )…あーしらセリフ取り違えてる? 男のやるセリフじゃねーだろ。
(・A・)…もういいや。とっととエマージェンシーコールの発生地点行って解決して帰りましょうや。
( ◍_◍ )…急に男みせた。え?地球に?
(・A・)は?何言ってんすか次なる惑星でしょうや。惑星と書いてほしと読む場所でしょうや。
( ◍_◍ )…ま、いいけど。話進むんなら。
ざくざくざくざく。彼ら彼女らは砂嵐の中、進み往きます。ジテンは作務衣、キャンディはジャージを風防にしながら。着いた足跡が一瞬にして消える火星は訊いていた話とは様相が異なるようで。
ててててて~!!
(・A・)うおおおおお!タコだ!!
( ◍_◍ )ほんとだね。
2人の見つめる先には小さなタコ。トゥーン調のそれがタコ大の岩場からひょっこり顔を出し、彼らのことを見つめていたのでした。
( ◍_◍ )…お前がタコを見つめる時、タコもお前らを見つめているのだ…
(・A・)おっ。ニーチェ。
( ◍_◍ )ニーチェ、こんな事言わねーよ。
(・A・)じゃサンチェ?
( ◍_◍ )…くだらねーこと言ってねーでとっととあいつに話聞いて来いや。
〝ドッ!〟
【ジテンはキャンディに足蹴にされた!】
砂地に女座るジテン。
〝どしゃ!〟
(・A・)確かにあたしゃ乙女座だけどもさ!
( ◍_◍ )なんの話してんだよ。RPGの鉄則だろーが。こいう時は村人に話聞くんだよ星人に。
(・A・)あいつ、どっちかっつーとモンスター染みてますぜ?
( ◍_◍ )…だーかーら!お前らの言うところの火星人なんだよ!はやく行けよ!さもねーとあーしがモンスター化するぞ!
(・A・)もうなってんだよ!💦
ジテンは『汗マーク』を吹き出させながら飛び出します。
怯えるタコの前まで来ました。
( ◍_◍ )あいつなに腰砕けになってんだよ。
(・A・)…へ、へ、へろ~
( ◍_◍ )…英語!?
(・A・)…ほ、本日はお日柄もよく…
( ◍_◍ )…よかねーだろ。砂嵐だぞ
(・A・)お足元の悪い中、え、えへへご足労願いまして
( ◍_◍ )…それはそうだけど火星人の母星ね。母星腐しとるから。
(・A・)え~御足労と言いましても、足が8本あるようでして、それだとあまりここまで来るのに苦労はしなかったんでございましょうか。え、古来より8というものは末広がりと申しまして、こういった場に相応しくーー
〝ズエエエエエエエエイイ!!〟
ジテンの背中にキャンディさんの片足ドロップキックがクリティカルヒィィィィッツ!!
ジテンに85のダメージ!!
背骨「くにゃっ」
(・A・)えでぇえええええええ!!
悶絶。転がり回るジテン。
(・A・)砂が!す、な、が!
背中を仕切りに気にするジテン。
( ◍_◍ )今、砂とかどうでもよくない!
お前、勝手に誰の仲人やってんだよ!!そんで
何、ちょっとスピーチ上手くなってんの!?
(・A・)そ、それこそ今、どうでもよくないスか…??
( ◍_◍ )はァ!?
(・A・)に、にげてまひゅ…
ジテンが指差した先、遠方50m先にさっきの小さなタコの姿があった。キャンディ曰く火星人ーー
〝ぴぴゅらぴゅ~う!!〟
( ◍_◍ )アイツ逃げやがったな!!
(・A・)そらそうでしょーーこんな青空プロレス急に見せられたらーー
( ◍_◍ )アイツ…絶対チケット代払わせてやる!!
(・A・)…!?
( ◍_◍ )ウチは及びワンドリンク制ええええでやっとりまああああす!!!
【そう言ってキャンディは駆け出した!!】
ててててて~!
アイキャッチ
(・A・)ぽつーん。
大砂原に取り残されたジテンは、ひとり目を擦っていた。
(・A・)いてー。すげー目に入るじゃん、ココ
改めて辺りを見回すと砂嵐で何も見えない
(・A・)ひとりになっちった…
《《キャンディさあああん!!》》
そう叫んでも返ってくる声はない。
(・A・)…お、おり…知らない惑星で…ひとりぼっち…ま、迷子センターどこですかああああ!!
目元を潤ませ、泣き崩れるジテン。
そんな肩にそっと手が置かれる。
(・A・)キャンディさん?
顔を上げるジテン。そこに映った肩に置かれているはずの手。…それは手ではなく触手。赤い触手。
(・A・)はいぃ?
見上げればそこに先程のタコ。
タコが潤ませた目元をぐすり触手ですくいながら、ジテンをポンポンと元気づけてくるではありませんか。
(・A・)… … …
(*⌒◎⌒*)… … …
頷くタコ。
もうこの2人の間に会話は要らなかった。
(・A・)タコ…
\\\\(*⌒◎⌒*)////
手を広げ、ジテンに抱擁を差し伸べるタコ。
(・A・)…キャンディさんを返せゴラァァァァァア!!
ーー2人の間には価値観の相違があった。
(・A・)てめぇを俺の経験値にしたらああああ!!
【この物語はそういうシステムでやってない!!】
(・◎・)たごおおおおおおお!!
( ◍_◍ )てぇめえ! 火精霊になにしてンだぐらああああ!!
ジテンの腹部に再びやキャンディドロップキック!!見舞われる!!
ジテンの脊髄が今度は逆方向にくの字に折れる!!正のくの字折れ!!
(・A・)ゲハァ
ジテンに 986の ダメージ!!
悶絶するジテン。
( ꒦ິ A ꒦ີ )俺、いったいHPいくらあるんスか…
( ◍_◍ )そこは今どうでもいい!!
(・A・)多分、バグ技ミュウぐらいHPバー突出してます…
( ◍_◍ )おまえ、火星霊になんちゅこそしくさるんじゃい!!
(・A・)…か、かせいれい??
ジテンの涙が少しだけ疑問に引っ込みます。
★彡
おっと流れ星!
ジテンくんの涙が引っ込んだところで今回はお開き。またの夜を。ばいばーい。
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