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スタートアップコーポの全然キラキラじゃない話_vol.2「働く人の期待に応えるということ」

2013年にバツイチ無職の一人暮らしとして再スタートをすることとなったアラフォーのはなしです。

その後もなんとか自分の居場所を作ろうとしたが、なかなかうまくはいかなかった。スナックで働いてみたりもしたが、社労士でありながら労基法が通用しない世界(欠勤一回で罰金1万とかね、、、)も経験した。
転機となったのは2015年9月。紹介予定派遣として、大手広告代理店グループ会社の人事ポジションに拾っていただいたことだ。こちらではわたしの労務の知識をかってくださり、そのうえで労務以外の領域にもチャレンジさせてくださった。そして、どういうアレかわからないけれど、予定より早く正社員へ登用していただいたのだ。当時の人事部は女性ばかりで、仕事ができてキャラクターもそれぞれ違う上司や同僚に囲まれ、非常に勉強になった。「仕事ってこうだよね!こうやってコトを動かしていくんだね!」と初めてちゃんと目の当たりにした気がする。悩んだときに「◯◯さんならどう考えてどう動くだろう」と思うようになったのもこの職場での経験が大きい。たった一年でまた退職してしまうことになるのだけれど。。でもこの会社を思うとき、いつも「キーパーソン」という言葉を一緒に思い出す。
伊藤さん、あのときあなたが派遣社員としてわたしを拾ってくださったこと、早い段階で正社員にしてくださったこと、あれがわたしの人生の転機でしたよ、あなたがわたしのキーパーソンでしたよ、と。
(2015年9月までにもわたしに手を差し伸べてくださった方はいる。あくまで、今のような仕事をするに至った転機についての話である。)

■誰もがキーパーソンになる可能性がある

みなさんの人生を振り返ってみて「キーパーソン」っていないだろうか。考えてみれば、、、と心当たる人も多くいるのではないだろうか。一方「よし、わたしも誰かのキーパーソンになるぞ!」なんておこがましいことを言うつもりはない。しかし、どこかで誰かのキーパーソンとしての役割を果たしていることももしかしたらあるかもしれないと思うのだ。それは「良くも悪くも」であるけれど。

O:は創設して6年目である。今日に至るまでにたくさんの出会いと、それと等しいくらいの数の別れがあった。繰り返しになるが「時間は命」である。たとえいっときであったとしてもO:で一緒に働いてくれたみんなには感謝してもしきれない。それは、彼らの命の一部をO:に使ってくれた、ということに他ならないから。
一方、O:は彼らにとってどういう存在であるだろう。彼らは優秀だった。でも、O:ではその能力を十分には発揮してもらえなかった、そしてそれは、彼らのせいではなかった。わたしは人事として、彼らに、O:に、価値を提供できたと言えるのだろうか。

■働く人の期待に会社はどう応えるのか

面接は、会社が応募者を見極める場であり、逆もまた然りである、という話は一般的になっただろう。では、入社後はどうだろうか?受け入れる側が新規入社者に期待を寄せているように、入社者も会社に期待を抱いている。ちょっと考えれば当たり前の話であるが、果たして受け入れる側は彼らの「期待」が何であり、それに応えるためにどうしたらよいか、ちゃんと考えて実行しているだろうか?
誰しもが新しい一歩を踏み出す際にはなんらかの期待や希望をもっている。この場所で自分はこういう風になっていきたい、こういうことをやっていきたいんだと。働くうちに会社の都合ばかりを押し付けてそのエネルギーを消してしまってはいないだろうか?

もちろん、働くということは「会社の都合」で成り立っている。会社の成長のために、わたしたちは会社に属し、日々命を使う。でも、働くのは機械ではなく感情も意志もある人間だ。そこを汲み取り、その意志を仕事に活かしてもらうこと、そのためには「双方の期待をすり合わせた上での目指すところに、双方が合意していること」が大事になってくる。まずはここ、ちゃんとできているだろうか?
冒頭の伊藤さんをわたしがキーパーソンとして認識しているのも、彼がわたしの漠然と持っていた期待に応えてくださったからではないのかと思うのだ。

■「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」

ゴーギャンの絵画のひとつであるが、この絵の背景やゴーギャン自身については置いておいて(そもそも全く詳しくないです)、単純に文章だけを取り上げたい。この「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」については会社側がきっちりと外部にアピールしていくべきところであると思う。現在ではかなり浸透してきている「ミッション・ビジョン・バリュー」や「パーパス」がこれに当たるであろう。そして言い方をかえればこれって単に「会社の都合」である。でもその「会社の都合」に共感してくれる人が集まって、ミッションが遂行されビジョンがかたちになっていく。一方、個人は「自分の都合」を叶えるために「会社の都合」に乗っかるのだ。だからお互いの都合が「なんだか合わさるところないね」となれば、離れていくことになるのは仕方ない。え?そんな言い方したら夢がないですか?でもそんなもんだし、それでいいじゃない。「都合と都合の接点」をできるだけ多く見つけ、その重なる範囲をできるだけ広くし続けること、少なくとも、そこを目指してアプローチし続けることが、会社と働く人ができるだけ長く一緒にいられる唯一の方法なんだろうと思う。

※お互いの期待を認識して向かうところに合意することがパフォーマンス・マネジメントの第一歩!
https://coteam.jp/

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