見出し画像

レッチリで学ぶ英文法②

本日は、大人気シリーズ?の第二弾、「レッチリで学ぶ英文法②」をお届けします。
こちらの①を先にお読みいただくと、一層お楽しみいただけます。

* * * * *

森田:
え、マジで続けるの? 誰にも求められていないような気がするのだが…。

岡崎:
①にスキをしてくれた22人のためにもやりきりたいでごわす。

森:
お、おう…。お前のやりたいことはなるべくやらせてやりたいと思っているからな。

岡:
矢作かっ!(ふぅ、、、) まあ、とにかく続けます。サビのところ。ここは、こんな感じですかね?

I don't ever wanna feel like I did that day 
But take me to the place I love, take me all the way 
I don't ever wanna feel like I did that day 
But take me to the place I love, take me all the way

『Under The Bridge』

あの日おいらがしたような思いは二度とごめんさ
でも、おいらが愛した場所につれてって、どこへでも
あの日おいらがしたような思いは二度とごめんさ
でも、おいらが愛した場所につれてって、どこへでも

森:
いいんじゃない? all the way っていうのは「はるばる」「ずっと」みたいな感じで、「距離感」を出す表現やな。「あの日と同じような思いは、もう二度としたくない」っていう、これが前段に出てきた「悩み」やね。この時点では、どんな悩みなのか、一応わからない(まあ、明らかに「薬物」なんだけど)。
ほんで、あるサイトによると、“the place I love” という表現について「インタビューで "the place he loves" is making music with his friends, and to make out with so me pretty women と答えてた」らしい。まあ、これを信じるとすると、「友達と楽しく音楽を作ったり、かわいい女の子たちとよろしくやっていたころ、もうそれははるか昔だけど、そのころに、俺を戻してくれ」ということなんやろね。

岡:
それも『Funky Monks』のインタビューでありましたね。
don't ever wanna なんとなく「もう〜ない」みたいな感じかなぁと思ったんですが間違ってないみたいでよかったです。続けます。

Yeah, yeah yeah
It's hard to believe that there's nobody out there
It's hard to believe that I'm all alone
At least I have her love, the city, she loves me
Lonely as I am together we cry

(イェー、イェー、イェー)
みんないなくなったって信じる(知る?)のは辛いよ
ひとりぼっちだって信じる(知る?)のは辛いよ


森:
ちょ、待てよ。おかしいぞ。節子、このhardは「辛い」ちゃう、「難しい」や。hard to believeで「信じがたい」「信じられない」ってことやな。何が信じがたいのかと言うと、あとの that there’s nobody out there ってことやから、「外に誰もいないなんて、信じられない」とか、そんな感じやろ?
要するに「誰もいないんだ。信じがたいことだけど。ワイ、ひとりぼっちやねん。信じがたいことだけど」みたいなことやね。

岡:
thereは前述した、「かつての居場所」ではないのですか? 昔の溜まり場に顔出したらもう誰もいなかった的な。

森:
節子、それは無理や。out thereは「外に」とか「世の中に」という意味やね。それに、この文は「現在形」で書かれとる。だから、あくまでも「今」の話をしとるやん? 昔の「楽しかったころ」の話はしてないぞ。

岡:
アンソニーが、当時を振り返った時のリアルな状況を現在形で綴ってる  わけですか。外に出たら人いねーし、みたいな。なにかあるかと思いました。

森:
そんで、その次の At least I have her love, the city, she loves me はどうなのよ。Lonely as I am together we cry は①で出てきたからよしとして。

岡:
ついに? 少なくともかな?
少なくともおいらを愛してくれる天使の街の愛をおいらは持ってるよ
おいら寂しいけど、この街はおいらと一緒に泣いてくれるんだ

森:
At least I have her love. と The city, she loves me. という、2つの文に分けて考えてみようZE。

岡:少なくとも、おいらには愛してくれるLAがいる。

森:
うーん、まあ、いいんじゃない? 「俺には友達がいなくて、ぼっちだけども、それでも、少なくともLAだけはワイのことを愛してくれている」ってことよね。じゃあ、次の The city, she loves me. は?

岡:
ええと、「その街、彼女は俺を愛してる」、ん? なんか違うな。

森:
実は、ここは文法解説的にはめっちゃおいしいところなんよ。解説しちゃうぞ? 誰にも求められていないかもしれないが…。
ちなみに、『シャーロック・ホームズで学ぶ英文法』のp. 51でも説明していますので、ぜひ読んでみてください。

岡:は、はい。

森:
たとえば、George, Patti kissed him. という文、どういう意味だと思うね?

岡:
えっ、、(いきなりすぎんぞ笑)
う〜ん「なあジョージ、パティが彼にキスしたってよ」っていう感じですかね? パティ・スミスの良さ、最初全然わかんなかったよ。

森:
いや、もちろん、そういう意味にもなるよ。でも、違った意味にもなりうるんだけど、YOU、ちょっと考えてみてYO。

岡:パティはジョージにキスをした? 

森:つまり、文末にあるhimは、誰を指している?

岡:ジョージ・ベスト!!

森:
いや、まあ、うん…。
ちなみに、このジョージはジョージ・ハリスンで、パティは、別れた奥さんのパティ・ボイドのつもりなんだけど…。
それはさておき、そうです、文頭にある George は文末の him と同じ人を指しているわけですよ。ちなみに、パティ・スミスの良さは、正直自分もそれほど…。

岡:なんで2回言うのですか?

森:
もともとは、Patti kissed George. という文だったのが、Georgeを文頭に持ってきた際に、「元の場所」に代名詞を残した形なのよ。ちなみに、こういうのを「左方転移」って言うんや。代名詞を残さずに、George, Patti kissed. と言うこともできるけど、この場合は「話題化」という文法現象ということになる。詳しくは、ぜひ『シャーロック・ホームズで学ぶ英文法』を読んでください(しつこい)。

岡:
はぁ(なんか、やたらと生き生きしていてキモイな…)。

森:
キモイって言うな。じゃあ、さっきの The city, she loves me. に戻りましょう。もうわかるっしょ? sheは何を指している?

岡:わかりますた! 文頭のthe cityです!

森:
いいね。だから、ここは「LAは俺を愛してくれるんだ」という意味だったわけよ。

岡:
左方転移覚えておきます! じゃあ、次いきましょう。

I don't ever…(繰り返しのため以下省略)

Yeah, yeah yeah
Oh, no, no, no, yeah yeah
Love me, I say, yeah yeah

(イエー、イエー、イエー)
(オー、ノー、ノー、ノー、イエー、イエー)
(愛してくれ、イエー、イエー)

こんな感じすかね? 

森:
これは訳すというよりも、まあ、心の叫び? 要するに「愛してほしい」「愛が欲しい」、つまり辻仁成の「ZOO 〜愛をください〜」みたいなことやね。

岡:
(このおっさん引用がいつも古い、、)
さあ、ラストです。もう少しお付き合いくださいませ。

Under the bridge downtown 
Is where I drew some blood 
Under the bridge downtown 
I could not get enough 
Under the bridge downtown 
Forgot about my love 
Under the bridge downtown 
I gave my life away, yeah 
Yeah yeah 
Oh, no, no no no, yeah yeah 
Oh no, I said oh, yeah yeah Here 
I stay

森:
おお、ようやく終わりが見えてきたな(早く終わらせて、カントリーマアムの新作、バナナ味の「まみれさんのバカンス」を食べたい…)。

岡:
ええと、最初のところは「ダウンタウンの橋の下」。そして、drewはdrawの過去形ですかね。「描く」という意味かと思ったけどなんか違うな。辞書見るとたくさん意味があります。bloodがあるから血を抜いただと思うのですが。血を抜くとは?? ヘロインをやる? うーむ。。

森:
「ヘロインを注射する」ということだと思う。よくわからんけど、自分の血を抜いて、それに薬物を混ぜて、また戻すんでしょ? それのことを言ってるんだと思う。

岡:
そーいうことね。血を抜くという表現にとどめたところにアンソニーの詩人たる所以を感じます。ちなみにマスターベーションの意味でのヌくってdrawで大丈夫でしょうか?

森:
ええと、何を言ってるのこの人? ええと、一番ポピュラーな言い方は、beat the meatかな。
つーか、そんなのどうでもええねん。そんで、BBCにこんな記事があったけど、こんなふうにヘロイン中毒者が「橋の下」に集まっていたわけよね。

【日本語版】ヘロイン中毒者のたまり場閉鎖 米都市の根深い問題を露呈

日本語で「橋の下」というと、「おまえは、橋の下で拾った子供なんだよ」とか言って、子供をからかう時に使うぐらいだよなあ。ちなみに、死んだオヤジに、子供のころにそうやってからかわれて、かなりショックを受けた記憶があるなあ。

参考:今もトラウマ!?「あなたは橋の下から拾ってきた子どもなのよ」

岡:
(親がそんなこと言うのか、、意外と苦労してるな。。)
ああ、そういうのありますよね。私はあしたのジョーの泪橋を思い出しました。どの世界でもはぐれものの溜まり場であり、象徴なのかもしれません。それはさておき、続きです。

Under the bridge downtown 
I could not get enough
 

これは「ダウンタウンの橋の下、十分に得られなかった」ってこと? 何を?

森:
「注射を打ったけど、十分に得られなかった」。だから、また打ってしまった…という「中毒」のことを言っているのであろう。

岡:
なるほど。続きは、

Under the bridge downtown 
Forgot about my love 
Under the bridge downtown 
I gave my life away (yeah  yeah)
Oh no (no no yeah yeah)
Here I stay yeah yeah
Here I stay

ダウンタウンの橋の下、自愛ということを忘れてしまった
自分の命を放り投げてしまった
イェー、イェー、イェ
オー、ノー、ノー、ノー、イエー、イエー
オー、ノー、イェ、イェ
おいらはここにいる

みたいな感じですかね?

森:
いいんじゃない? ドラッグ中毒になってしまって、愛を忘れてしまって…となって、lifeは「命」よりも「人生」かな。「人生を捨てて、自暴自棄になってしまった」ってところじゃない? 最後に出てくる Here I stay. は、いろんな人がいろんなことを言ってるけど、songmeanings.comで、
Here I stay is about the place he loves. The time which has come in the meantime, in which he makes music with his friends, makes out with pretty girls and in which he is not dealing with his addiction anymore. 
と解説している人がいた。つまり、最後のところは「でも俺は今ここにいる。つまり、愛のある場所にな」という意味だと捉えてもいいのかな。そういう意味だとすると、最後にちょっとした「救い」が感じられるから、なんかいいわね。

岡:
いやぁ〜、ありがとうございます、一気に曲への理解が深まりました。いかに今まで適当に聴いていたか反省しとります。
じゃあ次は、同アルバムからUTBとは対の関係ともいえる、こちらも代表作『Give It Away』いってみましょうか!

森:
もうえーよ。次は、YOUがまず聞かなそうなジャンルでやってみようぜ。Caravanとかどう? CaravanのGolf Girl なんて名曲中の名曲だぞ。イギリス英語も味わえるZE! 

岡:
ああ。イギリス英語。世代的にはoasisとかなんですが。。

森:
うち、オアシスあんまり好かんねん…。プログレ聞こうぜ、プログレ。

岡:は〜い(適当)

森:
でも「キャラバンで学ぶ英文法」とか言われても、意味わからんよな…。ちょっと考えますわ。

* * * * *

大変長くなりましたが、最後までご覧くださりありがとうございました。
2人とも、とても楽しそうにこの記事を準備していました。

今後、解説してほしい音楽がありましたら、ぜひリクエストをお寄せください。


各種SNSもチェックしてみてください↓↓

この記事が参加している募集

#思い出の曲

11,281件

#英語がすき

19,779件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?