患者さん・ご家族視点からみたICU その3
こんにちは。IN//SEKIの中尾です。こんにちは。IN//SEKIの中尾です。
今回はICU入院経験のあるYさんとご家族(奥様)のインタビュー最終回です。前回は一般病棟での印象的な出来事を伺いましたが、今回はご家族からみた治療環境についてのお話です。
・Yさん ICU 2回入院 1回目:5日 2回目:2日 一般病棟:約30日
ICUの印象はいかがでしたか?______
奥様:まずびっくりしたのは、主人の頭の方のドレーンバッグが私から見える位置にあったんですよね。最初はドレーンバッグも知らなかったし、血液のようなものが見えて心配になり、すぐにナースコールして聞いちゃいました。
あとは、医療機器が沢山あるのはICU独特ですよね。ですので機械の音(モニターの音)はあまり気になりませんでしたね。
一般病棟での面会時の様子を教えてください______
奥様:毎日午後から夜の面会時間が終わるまで付き添っていました。
動けるようになってからは、基本的には談話室にいたりお風呂場に付き添っていたりしました。
談話室に移っていたのは、会話が聞こえたりするのがご迷惑かもしれないと思いましたし、何となく同室の方々みなさん暗黙の了解で、面会時には談話室に移動されていましたね。
あとは、食事ですね。お昼かお夕食を一緒にたべられるように持参していました。
Y:病院では食の時間は大切ですね。一緒に食べないと病室のベッドで食べちゃっていたでしょうが、わざわざ談話室に移って食べていたのは家族と一緒に食事をしている実感が湧き、とてもいいことだと思いました。
談話室の雰囲気はいかがでしたか?_________
Y:談話室は広かったですね。A棟とB棟で移動したりもしました。
奥様:位置によりますが、なるべく外の景色がみえるところにしました。
1回目に入院した病院の談話室は下の階層だったので、景色が屋根や室外機だったんです。屋上にも緑や植栽があると嬉しいですよね。ドラマなどでは中庭をよくみかけますが、あまりないですね。
2回目に入院した病院は談話室に扉のついた個室があり、ドアの小窓で中がみえるようになっていてよかったですね。
昨今はコロナの影響でオンライン面会なども普及してきていますが、どう思いますか?__________
奥様:今の状況では仕方ないですが、やっぱり実際は手を握って熱っぽいなとか、顔色がいいな、とか側にいてわかることも大切だなと思います。画面だけだと伝わりきらないというか・・・
Y:食事を一緒にしたり、おかずを交換したり、ということも出来ないですしね。やはり五感を使うものや物のやりとりがあるものから得られる感覚がオンラインでは課題がありますよね。
他にご家族にとっての治療環境において、あったらいいなと思うことはありますか?__________
奥様:病院の近くに簡易のカプセルホテルのようなものでもあればいいですね。2回目の時は片道1時間半毎日通っていたので、病院と地域のビジネスホテルなどが連携して安価で一定期間借りられる部屋などがあるといいと思います。
あとは、食事ですね。主人の病気のあとにオーガニック食材などに変えたので、栄養価なども気をつけて、主食も玄米にしていたりしているのですが、病院食のふりかけやドレッシングなど添加物が少し心配になります。
もちろん管理されている食事だと思うので、オーガニック食が選べるメニューがあったらいいなと思いました。
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ドレーンバッグなどは確かに見慣れないですし、初めて見る人は怖いかもしれません。食事についても、最近はベジタリアンやビーガン、宗教によっても食事の内容が制限されたりと多様化しています。入院生活で食事は楽しみの一つですし、自分らしい生活を取り戻すための活力になるのではないかと思います。
よりよい治療環境は、音や光、臭い、食事など患者さんの五感が「なんだかここちいい。なんだか不安がほぐれる」と感じるような環境がヒントになると思いました。また患者さんやご家族自身が取捨選択できるということも大切なのだと思います。
Yさん奥様のお話を伺って、目が醒めるような思いになりました。改めて感謝いたします。ありがとうございました。
これからも患者さんやご家族のインタビューを続けながら、アイデアを形にしていきます。
IN//SEKI 中尾
アスクレピオスは医療環境の未来について、一緒に考え、カタチにしていくラボでもあります。
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