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(告白)最近ヒップホップの良さがわかってきた話

みなさんこんにちわ。

最近なんですけど、こんなサイトを見つけましてね。

ロッキンオンがやってる寄稿サイトなんですけど、熱い音楽文を毎日更新中と書いてあるだけあってまぁめちゃくちゃ熱のこもった文章がいっぱい並んでるんですよね。

自分は性格がひねくれてるとこがあって、最初これ見た時は「うっわwwwくっせぇくっせぇwwwwww」って思っちゃったりしたんですけど、よくよく考えてみたら媒体違うだけでてめぇも同じことやってんじゃねーか!っていう特大ブーメランが飛んでくることに気づきましてね笑。

こんな「1975しゅきしゅき~~~」って言ってる奴にディスられる筋合いねーよなそりゃ。

というわけで今回の記事はただの自分語りをしてみようと思います。

あの頃ヒップホップが嫌いだった

中学校くらいから流行りの邦ロックなりクラシックロックに比較的最近のオルタナティブロックを聴いてて、周りからも音楽詳しいよねぇみたいな感じの扱いされてた少年わい。

そんな音楽詳しい自分にもやはり好き嫌いというものはあってですね。まず一つはレディオヘッドの「OK Computer」。不朽の名盤ですよねぇ。これ当時は難解な感じがしっくりこなくて、あんま好きになれなかったんですよ。結果としてはこのアルバム、ならびにレディオヘッドの凄さを理解できるようになるまで3年近くかかるんですけどそれはまた別の記事で。

もう一つがヒップホップ全般。これに関しては本当に理解ができなかったんですよ。当時自分としてもヒップホップをちゃんと理解しようと思って、名盤リストなんかでよく見かけるアルバムをTSUTAYAで借りたりはしてた。

Dr.Dreの「The Chronic」とか2Pacの「All Eyez On Me」、The Notorious B.I.G.の「Ready to Die」あたりを聴いた気がすんだよな確か。てかよくよく考えたら90年代に偏りすぎだな笑。

でもこれらのいわゆる名盤を聴いても全然しっくりこなくて。まず基本的にフロウを乗せることをありきにトラックが作られているから、同じメロディとリズムの反復がベースにあること。これが当時完全に邦楽脳だった自分には刺さらなくて「なんこの単調な感じ。〇ANA-BOONのアホみたいな四つ打ちの方がまだマシやぞwww」とか内心思ってたんですけど。今思えばそりゃそうだよな、当時ゲスの極み乙女みたいな複雑な構成が特徴の曲ばっか聴いてるんだ、退屈に聴こえるよなと。

それと上記に挙げたクラシックなヒップホップの名盤って収録時間が長いのが多くて、特に2Pacの「All Eyez On Me」って確か2枚組で収録時間も2時間越えのめちゃくちゃボリューミーな内容だった気がするのよね。この頃のアルバムって媒体がレコードからCDに変わったことで、収録時間ギリギリまで詰め込むタイプのアルバムが多かったから、まあ仕方ないにしろ間延びしちゃうところはあるよねっていう感じで。ちなみに今まで聴いてきたアルバムで飽きて寝落ちしたのは上述の2Pacのやつと〇EY TALKのアルバムだけね。

で一番の要因がやっぱヒップホップってその特性上言葉を重視する音楽だから、リリックの中身とそこにまつわる文化的背景をちゃんと理解しないと楽しめない音楽なのかなと思ってしまったんですよね。自分が洋楽をすんなり受け入れられたのって、あまり歌詞を気にしない聴き方をしてたのが大きくて。だから歌詞に重きを置いてるヒップホップは多分根本的に無理だろうなと、勝手に視野を狭めてしまったわけだ。

めちゃくちゃ極論ではあるけど当時の自分にとってヒップホップ=〇野カナって同じくらいの扱いだったんですよ。どっちも歌詞重視で、曲の中で強烈なパンチラインを放ってくるって意味合いでは。そんな感じでヒップホップとは縁の無い音楽生活を送ることになったわけだ。あとこの文を見た邦楽ファンに殺されないことを祈るばかりである。

ピンクの怪物

こうしてただのロック少年となった自分は、YouTubeの発展やSpotifyなどのサブスクが日本に上陸したことで、ますますロックにのめり込むわけなんですけど、ここで緊急事態が発生します。

10年代後半を境にヒップホップとR&Bが大躍進を遂げ、それに反比例するようにロックが氷河期に突入。この頃ぐらいには日本でもいわゆるロキノン系のバンド群に対しても飽きつつあり、逆にヒップホップやR&Bの影響が強いネオシティポップのアーティストの方がおもろいなぁと思ったりしてて。

それに海外インディーも進化したかと言われれば、凄く緩やかに変化しているよねって感じで、どんどん新しいサブジャンルが開拓されつつあるヒップホップなんかと比べると遅いなという印象は否めません。The 1975なんかもこれぜってぇヒップホップの影響受けてんだろって曲やってたしね笑。

で明確にヒップホップを聴こうと思った契機となったのが

そう、みんな大好きビリーアイリッシュさん。この曲自体はジャンルで分けたらポップスなんだろうけど、サウンドは明らかに今どきのヒップホップの影響なんだろうなとは初めて聴いた時理解は出来た。ただそれ以上にもうヒップホップの影響度はここまで来たのかという恐怖と、ポップスですら理解できない領域に入ってしまったという諦念の二つの感情に襲われた。

もう自称音楽好きを語るうえでヒップホップは避けて通れねぇんだなということで、ついにヒップホップを聴くことを去年の夏ついに決意。もういっそ最初期のやつを聴くんじゃなくて、今流行りのやつを聴いてみようということで、いろいろ探してみたところある一枚のジャケットがインパクト抜群のアルバムを見つけましてね。

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Tyler, The Creatorの「IGOR」だ。

タイラーの存在自体はフランクオーシャと昔グループを組んでたっていうことで名前だけは知ってる状態で、音源は1曲も聴いたことが無かった。完全にジャケットのインパクトだけで選んだわけで、しかもヒップホップにはあんまいいイメージも無かったからもう恐る恐る再生ボタンを押してみることに...

…ん? これめちゃくちゃかっこいいいぞ!

全体的におしゃれかつクールな佇まいのサウンドと見せかけつつ、ピッチをいじくって解像度が低くなったボーカルやノイズなどでうまい具合に汚しが効いていて最高なんすよねこれが。後々知るがどちらかといえば歌もの寄りのアルバムではあるものの、ヒップホップってこんなにも先進的な音楽ジャンルとして進化しているのか!ってめちゃくちゃびっくりしたのを覚えている。

そしてこのアルバムを聴いていて驚いたのが引用、すなわちサンプリングの面白さだ。この曲は切ないメロディが印象的なポップソングなんだけど、中間のつなぎの部分で山下達郎の「Fragile」の一節がサンプリングされている。これもリアルタイムで聴いた時に物凄くびっくりして、こういう風に元ネタを辿るのも謎解き感覚みたいでおもろいなと感じた。

このアルバムを契機に現代のヒップホップは面白いということを痛感させられたわけで、いろいろ最近のヒップホップの傑作を聴き漁ることを決意。Kendrick Lamar「To Pimp A Buttefly」、Travis scott「Astro World」、Chance The Rapper「Coloring Book」、Kanye West「My Beautiful Dark Twisted Fantasy」といった、えぇお前自称音楽好きのくせに聴いてなかったのかよぉといわれるぐらいに定番アルバムもちゃんと聴き始めたのもここ一年の話で。つい最近までヒップホップ=だるいトラックを流しながらふぁっく!ふぁっく!連呼するかウェッサイ!ウェッサイ!連呼する音楽だとほんとに思いこんでるくらいヒップホップに関して無知だったんですよ。

それ以外にも

・トラップという言葉すら知らなかった
・tohjiだと思ってた曲が実はKOHHの曲だった
・Post Maloneの存在を「Circle」で知った
・Childish Gambinoを「This is America」で出てきた一発屋だと思ってた
・初めて聴いたカニエのアルバムが「JESUS IS KING」(去年の10月25日リリース)
その他もろもろ

いやぁ、俺これでよく周りに音楽詳しいんだ面してたなってくらい酷いなこう見ると笑。

この頃ぐらいからですかね、自分のことをあくまで視野の狭いただの音楽好きだと思うようになったのは。もう自分からは「俺、音楽詳しいんだwww」ってもう今となっては口が裂けても言えないっすね。音楽は奥が深いし、ヒップホップは果てしない魅力がある。


わからない=嫌いという落とし穴

最後に自分とヒップホップの間の関係を振り返って思うことは、わからないと思ったものに対して、それを嫌悪の対象として認識してしまうのは視野を狭めてしまうもったいないことであることだ。

自分自身好き嫌いが明確な人間であるからこうやって偉そうに言える立場ではないけど、評価されているものはそれなりにちゃんとした理由があって評価されてるわけであって、決して自分の価値観に合う合わないで評価されてるわけでは無い。これは音楽に限らず、他の物ごとに対しても通じる話だけど。

あと対外嫌いって思ったものは、意外と時が経つとすんなり受け入れられるようになったりするのもあるあるではある。とはいえ安易に肌に合わないだけで嫌いって言ってしまうのはもったいないことだし、実際自分もヒップホップを受け入れるようになってから聴いている音楽の幅は広がったように思える。

子どもの頃好き嫌いは無くしましょうっておそらく大多数の人間が給食の時間に言われたことがあると思うが、このセリフも大きくなってから友人たちと外食に行ったときに、メニューを見て食べれる商品の数は好き嫌いのある奴と無い奴では選べる数は変わってくるわけで。

別に無理に嫌いな物を好きになれってわけでは無いけど、選択肢が増えることはメリットが大きいことではあると思う。だからこそわからない=嫌いと思って欲しくない。音楽に関して言えば、わからないジャンルだとしてもどのアーティストも唯一無二の個性を持っているわけで、必ずあなたの肌に合うアーティストはいると思う(はず)。

そんなわけで皆さんも苦手なジャンルを奥深くまで探ってみて、自分の音楽の選択肢をどんどん開拓していって欲しい。僕も同じように苦手だと思うものを好きになれるように頑張りたい。












あぁ…(断末魔

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