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「ソルト&ペッパー」C⇔Yプロジェクト 神田佳子 野口千代光 感想文

デュオミュージックの快楽私はずっと前からさまざまな二重奏(「同族楽器ではない」「ソロと伴奏の関係ではない」)のプレイリストを作成して楽しんでいます。 今回ご紹介するのは、すでに20年近く前のアルバムですが打楽器奏者の神田佳子さんとヴァイオリニストの野口千代光さんのデュオアルバムです。 曲目一覧を見ると、一部の例外を除きほぼ知っている曲なので、どういうアレンジで繰り出されるかまずは虚心に聴いてみようと思って聴き始めました。ところが さっぱり何の曲かわからない??????

    • (読書感想文)クラシックに未来はあるか

      指揮者の大友直人と評論家の片山杜秀による鼎談、音楽学者 岡田暁生氏の論評そして指揮者の大野和士氏によるオペラ「紫苑物語」にかける日本初オペラへの想いという3部構成の電子小冊子「クラシックに未来はあるか」を購入して読んでみましたので、感想などを書きたいと思います。 クラシック鑑賞は衰退したのか?この問題については、おそらく岡田暁生氏の書いている次のような文章が答えなのだろうなと思います。 どうして戦後昭和の日本人がかくもクラシック教育に熱を上げたかといえば、そこには今では考

      • (コンサート見聞録)JYDコレギウム・ムジクム2020年コンサート

        2020年1月18日 雪の降りしきる東京の祐天寺聖パウロ教会で行われた掲題のコンサートに行ってきましたので、感想などを書いてみたいと思います。 壮麗なパイプオルガン 聴衆の正面に壮麗に設置されたオルガンに圧倒されます。通常、教会建築上、正面祭壇上部には十字架が掲げられ、かつ、カトリック教会の場合は御聖体を安置する聖櫃が置かれるのが常でオルガンは、少し横に設置されるものなのですが、こちらの教会(聖公会)ではこのような作りになっていて、これから宗教音楽を鑑賞する気分が高まりま

        • 2019年に気になったミュージシャン(今後に向けて)

          今年の春先にミニマリスト(物を極力所持しない)指向の一環で、これまで使っていたBOSEのスピーカーをリサイクルショップに売ってSONYのバッテリー内蔵小型可搬式Bluetoothスピーカーにダウンサイジングしました。それにともなって、好きな音楽のタイプも変わってきましたので、その辺のことも踏まえながら今年気になったミュージシャンのことを書いてみたいと思います。 類家心平さんエレクトリック・トランペットを使いこなすのもカッコいいのですが、ポリリズム(ポリビートというべきか)の

        「ソルト&ペッパー」C⇔Yプロジェクト 神田佳子 野口千代光 感想文

        • (読書感想文)クラシックに未来はあるか

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          【コンサート見聞録】札響の第9 2019 三善晃「ノエシス」

          札幌文化芸術劇場「hitaru (ヒタル) 」について 2018年に満を持してオープンした札幌文化芸術劇場「hitaru (ヒタル) 」に出向いて掲題のコンサートを聴いてきました。 このホールは、基本的にはオペラハウスとなっていて、オペラやバレエなどの劇場作品や舞踊、演劇、パフォーミングアートに加えて、ロック、ジャズ、ポップなどの公演も行われていて、これまでにもKing Crimson、渡辺貞夫、JUJU、BiSH、あいみょん等がコンサートを開催しています。 そのほか、起

          【コンサート見聞録】札響の第9 2019 三善晃「ノエシス」

          どうしてプログレから離れてしまったんだろう~市川哲史氏に

          70年代から続く批評系音楽雑誌「ロッキング・オン」のプログレッシブ・ロック(以下「プログレ」)担当(?)市川哲史氏が出版した「どうしてプログレを好きになってしまったんだろう」を、発売から相当経って読了しました。 市川氏の過去のインタビュー記事を元にプログレの栄枯盛衰を綴った本といえますが、読了と同時に相当熱心なプログレマニアだったはずの自分がどうして今プログレから離れていったのかが明快に見えた気がするので、そのことを書いてみます。 70年台の洋楽シーンの大半は深読みと妄想

          どうしてプログレから離れてしまったんだろう~市川哲史氏に

          ウィントン・マルサリスがいかに素晴らしいか(またはつまらないか)に関する件

          ウィントン・マルサリスは押しも押されぬモダンジャズの巨人と目されながら日本では皆目人気がない、場合によっては無視に近い扱いを受けている件について、自分も実はあまり彼の演奏が好きではなかったのですが、聴かず嫌いなのかもしれないと思って、改めて本気でマルサリスの全作を聴いてみました。 通常、評論家でもない人間が大して興味のないミュージシャンの作品全部を聴くなどというのはCD時代には金銭的に不可能なことでしたが、そこは天下の音楽配信サービスSpotifyのおかげで可能になりました

          ウィントン・マルサリスがいかに素晴らしいか(またはつまらないか)に関する件