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「ソルト&ペッパー」C⇔Yプロジェクト 神田佳子 野口千代光 感想文

デュオミュージックの快楽

私はずっと前からさまざまな二重奏(「同族楽器ではない」「ソロと伴奏の関係ではない」)のプレイリストを作成して楽しんでいます。

今回ご紹介するのは、すでに20年近く前のアルバムですが打楽器奏者の神田佳子さんとヴァイオリニストの野口千代光さんのデュオアルバムです。

曲目一覧を見ると、一部の例外を除きほぼ知っている曲なので、どういうアレンジで繰り出されるかまずは虚心に聴いてみようと思って聴き始めました。ところが

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さっぱり何の曲かわからない??????

しかし、これでは困るので改めて曲目解説を読んで、原曲を聴き直してみたうえで感想を書き綴ってみます。

曲別感想

1 くまんばちの飛行

そもそも誰の曲だっけ?ということすら忘れていたので、調べてみたらリムスキー・コルサコフの作曲。もともとはオペラの中の楽曲ですが、様々な楽器による超絶技巧駆使の演奏が発表されています。

ヴァイオリンとともに、マリンバに続いてなにかの皮物打楽器がすごい勢いで飛び回って、そのまますごい勢いで終わるという、1曲目からなにげにすごい曲です。

2 バディネリ

特に断り書きなく「バディネリ」と書けば、バッハの「管弦楽組曲第2番」の終曲「バディネリ」のことで、このアルバムでもこの曲の演奏です。(もともとフルートと管弦楽のための作品です。)

野口さんのヴァイオリンが即興技駆使のハイテンポで飛び回る中、神田さんがビート感のある打楽器で応じています。
そして、なぜか中世世俗音楽のように聞こえる一瞬があったのですが、気のせいかもしれません。うん。きっと気のせいだ(汗)

3 ジ・エンターティナー

スコット・ジョップリンの有名なラグタイムです。この曲ではピアノが入って三重奏になっています。ラグタイムのビート感とは少し違う感じの打楽器演奏を加えた面白い編曲です。
ラグタイムなど大昔のダンス音楽だと思われがちですが、意外と新機軸の攻め方があるもので、エリザベト・ホイナツカがモダンチェンバロで弾いていたり、アンソニー・ブラクストン(ジャズのマルチサックスプレイヤー)が、デュオで同じジョップリンの「メイプル・リーフ・ラグ」を演奏ていたりします。

4 ラプソディ・イン・ブルー

ジョージ・ガーシュインの名曲ですが、ガーシュインはジャズの世界では作曲家としては広く認知されてはいるものの、この「ラプソディ・イン・ブルー」に対しては無視に近い状態で、私もこの曲についてはまったく知らないに近い状態です。

この曲は川島素晴氏の編曲です。ここで神田さんには申し訳ないのですが、さすが作曲家が編曲を手掛けるとすごい出来栄えになるものだなと関心した次第です。使っている打楽器も相当多く、日用品からガラクタまで動員していますが、多彩な響きに圧倒されます。

(5,6,9-12は割愛陳謝)

7 おまえがほしい

エリック・サティの非常に有名な曲です。しばしばCMでも使われるので、多くの日本人が作曲者もタイトルもしらないけれどメロディは知っている曲となっています。

ここではチェレスタを加えたメリーゴーランドのようなドリーミーな雰囲気で優しくヴァイオリンが主旋律を奏でます。

編曲のおもしろさについて

ヴァイオリンと打楽器のために作曲された作品がそう多いとは思えないので、改めて今回のアルバムは編曲の面白さとともに演奏を堪能するという形で楽しませていただきました。

編曲といえば、近年すごい勢いなのがバッハの器楽曲で、無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティータをマンドリンで弾いていたり、無伴奏チェロ組曲をチャランゴ(南米の民族楽器。フォルクローレでよく使われる。)やらハーディ・ガーディで演奏していたり、これからますます度肝を抜くような演奏が出るでしょう。

今回紹介したこのアルバムでは、原則として和音を出さない打楽器とのデュオなので、編曲も一筋縄では行かなかったと思います。

すでに演奏者のお二人にとっては遠い過去の記録にすぎないのでしょうが、音源として残っている以上、リスナーの僕たちはずっと愛聴していけます。

あまり書くと長くなるので、ひとまずこのへんで。

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