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(コンサート見聞録)JYDコレギウム・ムジクム2020年コンサート

2020年1月18日 雪の降りしきる東京の祐天寺聖パウロ教会で行われた掲題のコンサートに行ってきましたので、感想などを書いてみたいと思います。

壮麗なパイプオルガン

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聴衆の正面に壮麗に設置されたオルガンに圧倒されます。通常、教会建築上、正面祭壇上部には十字架が掲げられ、かつ、カトリック教会の場合は御聖体を安置する聖櫃が置かれるのが常でオルガンは、少し横に設置されるものなのですが、こちらの教会(聖公会)ではこのような作りになっていて、これから宗教音楽を鑑賞する気分が高まります。

この素晴らしい教会にふさわしく、演奏曲目は次のとおり宗教音楽メインとなっています。

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ハイドン 交響曲第83番ト短調「めんどり」

短調で始まり長調で終わるというちょっと異色の交響曲です。ハイドンの曲は聴いているほうは気軽に聴ける音楽なのですが、指揮者の岩城宏之氏によるとハイドンの曲はパート別の音の組み合わせが極めて複雑で演奏は決して簡単ではないとのことでした。
あと、古典派でト短調の交響曲は、ハイドンで2曲(この曲と第39番)、モーツァルトで2曲(映画「アマデウス」で衝撃的に使われた第25番と押しも押されぬ大名曲の第40番)があるので、今度じっくり聴き比べてみるのも良いかなと思いました。

アルビノーニ「五声のソナタ第2番 ハ長調」

休憩を挟んでアルビノーニです。アルビノーニといえば「アダージョ」というくらい美しいメロディで有名な作曲家ですが、この曲も同様にうっとりするようなメロディが魅力的です。巨大リュート系弦楽器テオルボも登場して天上の調べを聴かせてくれました。
ただ、古楽器は往々にして音量が小さく、どれがテオルボの音かはっきりと聴こえなかったのが残念でしたが、これもそのうち何か音源を探して音色を確かめてみようと思いました。

バッハの教会カンタータ3曲

バッハの教会カンタータは、ルター派教会の教会暦に沿って作曲されていて、それらの教会暦の基になる聖書の章句を確認したうえで、歌詞を味わって聴くという、ある意味面倒なことをしなければ聴けない仕組みになっています。

ただ、私はそういう聴き方はあまり好きではなく、とりあえず「バッハの宗教音楽だ」ということだけ念頭に置いて、聖書やキリスト教のことは忘れて、虚心に聴いてみることをおすすめしたいです。

たいてい、美しいアリアと敬虔なコラールがありますので、その中でもし心に止まった曲があれば、初めて歌詞を味わってみるというのが良いと思います。

今回の3曲はどれもあまり知らない曲でしたが、若手の(芸大大学院在籍中)ソリストの皆さんが美しい調べを聴かせてくれました。

また、聖パウロ教会の素晴らしいオルガンの響きも堪能できました。最高でした。

(アンコール)みんなで歌おう「アヴェ・ヴェルム・コルプス」

アンコールで演奏されたのは、合唱団発表会の定番、モーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」でした。

楽譜を渡されて「お客様の中で歌える方がいたら歌いましょう」とのことでしたので、果敢に挑戦しましたがちょっと難しかったです。(そもそも歌ったことがないですし)

とはいうものの、名曲ですから家でも聴けますので、帰宅してから熱心に練習をはじめました。次回もし機会があったら歌いたいです。

コンサートの帰り道

久しぶりに再会した昔からの音楽仲間と食事をしながら歓談してきました。やはりコンサートのあとの感想を話し合えるのは楽しいものです。

以上、楽しかった音楽会の感想でした。