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新しい地図が、もう一度自由にしてくれた

由香が書いてくれた通り、私たちの世代は、好きでも嫌いでも、SMAPという存在がしみついているよね。

私は90年代中頃~後半のSMAPが好きだったよ。
まだ、SMAPがあまりイケてなかった(笑)キックベースをやっている頃から、なんとなく見てきた記憶がある。その頃はまだ普通のアイドルだったんだけど、ある時期から急にかっこよくなって。光GENJIとか、それ以前のアイドルとは全然違う雰囲気になったんだよね。

Youtubeに95年にSMAP全員で東京フレンドパークに出演したときの映像がUPされていたけれど、これを見て、当時の彼らの雰囲気を思い出したよ!

その頃、私は中学生だし、「カッコイイ!!!」っていうだけで、何に惹かれたのか具体的にはわからなかったけれど、今見たら即わかる。

彼らは、とにかくおしゃれだったね。
それまでおそろいの色違いの衣装を着ているのがアイドルグループの鉄則みたいな感じがあったけど、それぞれが私服っぽい着こなしで、この世代のおしゃれな男の子が着るストリート感あるコーディネートをしていたね。

それを象徴するのがキムタクなんだと思うけど、髪型からファッションまで、やっぱり当時のストリートな男の子の雰囲気を体現していて、
それまでのアイドルの「大人に着せられている」みたいな雰囲気とは違ったんじゃないかな、と思う。

彼らは、素の、等身大の若い男の子っていう感じがあって、すごく良かったんだと思うんだよね。

90年代中期~後期のキムタク主演のドラマは私も欠かさず見ていたけれど、実は、その頃のキムタクは、そんなに自信たっぷりでイケてる人を演じていたわけじゃないんだよね。そのイメージは『Hero』からじゃないかな…と思うけど。
『ロンバケ』の主人公の瀬名くんは、まだ売れないピアニストで、年上の山口智子にたじたじで、なかなか自信を持てないキャラクターだった。
『眠れる森』は、中山美穂を追いかけるストーカーのような雰囲気で、これも、けしてカッコイイキャラクターではなかった。

あと、私が好きだったのは、記憶喪失の配達人を演じてた『ギフト』なんだけど、これはキムタクがマウンテンバイクに乗って街を疾走したり、バタフライナイフを持っていたり、ポラロイドで撮影したりとか、当時のストリート系の若者の小道具がちりばめられていた。

たぶん、私はそんな雰囲気のSMAPが好きだったんだと思う。
由香がSMAPのメジャー感と言っていたけれど、メジャーでありつつもインディペンデントな感じというか。

2000年代になって、SMAPは「国民的アイドル」と言われるくらいになっちゃって、『世界に一つだけの花』が大ヒットして。
SMAPはなんだか大きすぎる存在になってしまって、私自身の興味も少し離れてしまった(そうは言っても、彼らの番組や動向は常になんとなくは気になっていたけれど)し、
彼ら自身の自由さみたいなのも失われたんじゃないかなと、なんとなく思う。90年代のブレイクしたての頃は、年齢的にも立場的にも、もっと若者っぽさがあったけど、やっぱり年齢を重ねて、社会の中で責任のある大きな存在となって……。普通の人にも通じることだよね。

そんな彼らが数年前に理不尽な終わり方を迎えることになったときに、私は久しぶりに90年代に自分が追っていたSMAPのことをすごく思い出したの。

新しい地図の始まり方は、本当に本当に新鮮だった。
予告のムービーを見た時には、「これからどんなことが始まるんだろう!」とすごくワクワクしたし、
新しい地図(NEW MAP)というネーミングや、3人の文字を合わせたロゴとか、もう全部がおしゃれで、新しいことが始まる期待感でいっぱいだった。
(由香が言う通り、飯島さんの企画力、クリエイターとの人脈とか、本当にすごすぎて、私も飯島ファンですw)

そして、それからAbema TVに出演したり、SNSを駆使したりと快進撃があって。私は久しぶりにSMAPと一緒にすごく興奮したよ。

あと、それぞれが、創作活動や、舞台、映画とか、これまでは時間や制約があって取り組めなかったようなことを、今じっくりとできているのが、とてもいいな、と思って見ている。

SMAPの終わり方は、あまりにも悲しかったけれど、彼らが自由になれてまた90年代の頃みたいなチャレンジャーに戻れたのは、良かったんじゃないかな。

そして、それは私たち普通の人にも通じること。

会社とか社会の中で、だんだんポジションが与えられたり、責任が大きくなったり、その組織の理論みたいなのに染まったりしていく中で、どうしても身動きがとれなくなってしまうことがあると思う。

でも、40代の彼らだって、また新しい地図で新しいことに挑戦しているし、
私たちだって、そういう機会を自分で作って、もう一度自由になるのもいいよね。

彼らはそんな勇気をくれてるんじゃないかな、と思った。


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