見出し画像

化粧品会社の新規事業責任者から子会社の雇われ社長になり、MBOしてオーナー社長になった話。

初めての方は、初めまして。

2020年6月1日に美容メディア会社・あゆみ株式会社から新設分割により設立した、スキップ株式会社(Skip Inc.)の代表取締役 CEOの扇 英資(おおぎ えいすけ)です。

mixiヘビーユーザーの頃は毎日のようにブログを書いていた自分だけども、Twitterヘビーユーザーになってからというもの140文字以内にあぐらをかいて、長い文章を全く書かなくなってしまっていました。

大変久しぶりに筆を取ってみました。リハビリのつもりですので、短めにするつもりです(笑)。


さて、冒頭の通り、本日新しくスキップ株式会社を設立しまして、代表取締役 CEOに就任いたしました。

ものすごく簡単にいうと、もうタイトルの通りでして、化粧品会社の子会社の代表取締役をやっていたのですが、会社の株式を私が買い取って(MBOして)、オーナーとなったわけです。

今運営している美容メディアは全て自ら立ち上げて拡大してきたものですが、覚悟決めて自らオーナーとなってチャレンジしていこうと腹括りました。

もっと色んな意味で自由に羽ばたけるように。ぱっと見、社名変更したくらいに見えて、実は色々と動きやすくなります。感謝。

さて、そもそもどういう流れなのよ、ということで、自分自身の整理のためにも、ここまでについて振り返ってみようと思います。


広告代理店から、メディア事業の立上げにジョイン>

2012年2月、広告代理店で4年弱働いていた当時26歳の私は、学生時代の先輩にお声掛けいただき、ある化粧品会社の新規事業にジョインしました。

ざっくりいうと「商品と全く切り離してメディアを作って、将来のお客様との接点を作ってみようぜ」くらいの考えを持った、ふんわりした()事業でした。

当時、生理・食事・睡眠・体重などを記録できるライフログアプリ(1年半前に終了しました。)が一つリリースされたばかりの部署で、子会社・あゆみ株式会社として運営しながら、それをどうしていくか、の方向性も戦略もない状態でした。

学生時代からの先輩だった当時の事業責任者が一人でどうするか考えあぐねていたときに相談に乗っていた流れから加わった私。「戦略責任者として、自由にやっていい」と言われていて、若かった当時の私はワクワクしながらアレコレ妄想を巡らして、事業として考えだしたのでした。今思えば、よく入社したな(笑)。

8年前はまだ、ASO(App Store内の SEO)すら広まっておらず、「生理」で検索しても「ルナルナ」すら出てこなかったため、キーワードを登録するだけで簡単に伸びたりしていました。

ただ、まだいまいちアプリという時代でもなく、Webメディアにビジネスチャンスがあると感じた私は、入社早々に役員会議で「日本すっぴん協会」というスキンケアをテーマにした美容のWebメディアを提案。

「私のすっぴんを、好きになる。」というコピーを掲げ、自分の肌と向き合い、すっぴん肌を好きになることで、自分自身を好きになれるように、という思いを込めて立ち上げました。

前職(広告代理店)でキャンペーンサイトを作ったことは当然何度もありましたが、WEBメディア運営なんて全く未経験の中、仮設検証しながら手探りでしたね…。プロデュース、ディレクション、キャスティング、編集、場合によっては執筆、そして広告商品開発に営業、なんでもやりました。

日本すっぴん協会は、今も続けている一番最初に始めたメディアで、今や、人気モデルやタレント、有名美容家やヘアメイクも出演し、大手化粧品会社がタイアップしてくれるメディアへと成長しています。

日本すっぴん協会トップ-1150x630

化粧品会社の新規事業でしたが、子会社で運営する中立的なメディア事業だったため、読者におすすめの他社商品をどんどん紹介していきました。

さらには「事業として持続可能にして拡大していくためにも他社の広告入れてマネタイズしましょうよ!」と主張したところ、社長から「面白いじゃん」と認めてもらい、他化粧品会社の広告を入れてお金をもらい始めました。

ただやはり、後ろにいる親会社も化粧品会社であることはネックでもあり、切り離しているし売上以外の情報は全く連携していなかったものの、「○○さんの子会社ですもんね…」という反応を受けることもあったことは事実です。子会社とはいえ、競合会社の広告をやるって、なかなかないですもんね。うちはたくさんやってきましたけど(笑)。


<目指す方向の変化。化粧品会社として?メディア会社として?>

入社後、わりとすぐに私が事業責任者となっていまして、Webメディアをさらに2つ立上げ、少しだけ採用もして、徐々に拡大していきました。

親会社側のブランドのオウンドメディアを立ち上げるチャレンジもしてみたり、様々紆余曲折したあと「将来のお客様との接点づくり」という(ふんわりした)当初の目的から大きく転換して、完全に「メディア事業」としてやっていくという方に舵を切りました。

いつしか出来上がっていた「美容の悩みを解決して、自分自身を好きになることを応援する」という想いを実現していくためにも、そのビジネスをさらに拡大していくためにも、独立していくという道に進み始めました。


そうは言っても、Webメディア業界もプレイヤーが増え、戦い方も様々変動し、苦戦を強いられることも多かったです。

実際、運営していたライフログアプリ「mememo」をメディアと連携させるべく試行錯誤した結果終了する決断をしたり、2つのメディアを統合したり、媒体名を変更したり、生き抜くために色々やってきました。

そんな中で、2014年6月に立ち上げた「LAR(Life & Aging Report)」というエイジングケア特化の美容メディアを2018年7月に「つやプラ」と媒体名を変更して、LINEを徹底活用した固定読者獲得に振り切って大きく拡大したことはかなり転機になりました。

今やLINE公式アカウントは277万人の友だち(40歳以上で約80%)を抱えた国内最大の40-50代女性向け美容メディアとなっています。(自社調べ)

つやプラトップ-1150x630

<独立への第一歩。子会社の代表取締役に>

子会社から独立する流れの一環として、2019年6月、いよいよ私はあゆみ株式会社の代表取締役に就任しました。

今思うと、入社したばかりの時からずっと、誰から「何をしろ」と言われることもなく、「これをやってこうしていきます」と提案して、予算を取ってから細かい施策実行に関しては誰の確認もなく進めることができたので、「こうしたらいいんじゃないか?」という自分の中の仮説を実証実験しながら突き進んできていた。よく許されていたな。

なので、代表取締役になったところで、実務においては大きな変化はあまりありませんでした。ただ、明確に視座が変わりました。見ている範囲や距離が変わってきたのを実感しています。

ちなみに、この時点でメディア規模は2,500万PVを超え、当時アドネットワークの広告収益はなんと1PV2円近く(高っ!)月の売上もかなりぐいぐい伸びていたのですが、社員は6人でした。(少なっ!)

もちろんそのメンバーだけで全てをできるはずもなく、開発は開発会社、編集も社内の編集者だけでなく業務委託の編集者や編集プロダクションさんも含めて編集部を構成し、ヘアメイクや管理栄養士・ヨガインストラクターなど専門家と多数ライター契約しています。

他にも「デイリーで発生する画像制作」「数値入力や入稿作業」など社員の業務を様々切り出して外出しすることで、少人数でも効率的に回るようなフローを構築しています。

代表就任以後、社員を毎月1-2人ずつ増やし、2019年9月までに10人になり、自分が手を動かしすぎていたのは徐々に緩和されています。

事業成長こそが、全ての痛みを癒し、社員の成長にも満足にも繋がる。社員が増えるほど、より事業成長させていかなくてはと気が引き締まりますね。


<さらなる拡大に向け、雇われ社長→オーナー社長に。>

広告ビジネスにおいても、化粧品会社の子会社であることがネックであることは前述した通りですが、今後の拡大を考えると資本的な自由度を持つためにも独立すべきだ、という考えに至りました。

事業成長のためとはいえ、これを認めてもらえたことには本当に感謝しています。晴れて、雇われ社長から、オーナー社長に。

今回、MBOするにあたり、ただ株主が変わるというだけでなく、分かりやすく第二創業期とするためにも、新設分割という形を取ることにしました。

なので、「なんで新設分割してるんだ?何が起きたの?」と聞かれることが多々あるのですが、新たなスタートを切るということです。

さて、新会社は「スキップ株式会社(Skip Inc.)」という商号にし、6月1日設立です。

画像3

社名を考えるにあたり、これまでの事業を振り返り、今後どういう方向に向かっていくのかの整理から始めました。

一般的なスタートアップ企業と違って、プロダクト・事業が先行していて、後から会社が立ち上がるという状況なので、方向性やビジョンの策定が難しいし、自分だけで考えるのには不安もありました。

そこで、今回VISIONING COMPANY「NEWPEACE」に、ビジョンの整理からロゴ開発まで協力してもらいました。

元々NEWPEACE代表の高木新平くんは10年近く前から知り合いだったのだけど、ここ最近全く絡みもなかった。でも、誰かに相談したいなと思ったときに真っ先に浮かんだのが「NEWPEACE」であり、「高木新平」でした。

ビジョンが明解であるからこそ、真っ先に浮かんだんだと思う。こういうの、本当に大事。「○○なら△△」。うちも代理店さん達と話している中で、美容の領域でそうなれてきているのを感じます。ここまでの成果は着実に実ってる。もっと頑張らなくては。


実は社内的には、「美容の悩みを無くす」というのをミッションとして掲げていたのですが、NEWPEACEに入ってもらい議論をしていくうちに、「美容の悩みを無くした先」こそ目指すべきところなんだなと再認識しました。

そして、日本すっぴん協会を立ち上げた時から「自分自身を好きになる」ための美容として、一貫してきていたことにも気づきました。

「自分を好きになる、きっかけをプロデュースする。」

やりたいことって、これだったんだなって。

あゆみ株式会社のコーポレートサイトでは思いっきり「美容!」って感じになっていますが、スキップ株式会社のコーポレートサイトでは、あえてそこまで入れずにシンプルにしています。(ひとまず簡易なサイトですが・・)

引き続き、美容を切り口に「自分を好きになる、きっかけをプロデュース」していくことがメインにはなりますが、今後さらに幅を広げて取り組んでいくことになるかと思います。

また、これまで「美容メディア会社」と言ってきたのですが、メディアにとどまらない「プロデュース会社」に向かって進化していきます。いきなり大きな変化はしないけど、向かう方向を定めれば変わっていける。

自分たちだけでできることは限られてるとずっと思っているので、社外のいろんな方達と組んで、「自分を好きになる」ことの支援を拡大していきたいと思います。

そうすれば、きっと明るい未来が見えてくると信じて。


ーーーあとがき

冒頭で、「短めにするつもりです」という大嘘をかましてしまいすみません。編集を入れずに徒然なるまま書いてしまうとこんなことになってしまうのですね(笑)。

ここまで読んでくださった方がいらっしゃったら、ありがとうございます。

何か一緒にできることがあれば嬉しいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?