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実家の猫の事-その2

チョコとチョビ、二匹の子猫がうちに残った。
(お母さんはいつの間にか居なくなっちゃた。)
家族も、幼馴染も、みんなチョコを可愛がった。
人になつくのが早くて、ほわほわしてて可愛かった。

チョビはあまり抱っこされなかった、
小さくて、ヒョロヒョロで、可愛らしさに欠けていた。
その時は、なにも感じなかった。
いや、チョビが残った事が残念だった。
「可愛くない猫が残った。」って思った。

しばらくは、二匹で仲良く暮らしていた。
相変わらず、チョコはほわほわで可愛くて、
チョビは痩せてごつごつしていた。
二匹でどこかへ出かけて、二匹で一緒に帰ってきた。
家の中でも一緒にいて、二匹で一緒に寝てた。

二匹ともしっかりしてきた頃、
チョコが帰って来なくなった。
なんとなく予感はあった。
(あ、帰って来なくなるかも。程度だったかな。)
具体的な感覚は忘れてしまった。

さて、ここからチョビとの関りが始まるのだけれど、
小さいころに抱っこされることのなかったチョビは、
抱っこが嫌い、撫でられるのが嫌い、愛想がない。
こちらの求める可愛らしさなんて、ほとんどなかった。
ただ、嫌がるチョビを抱いて、布団に入れて、一緒に寝る。
というのがなんだか好きだった。
チョビも気を使って、しばらくは一緒に布団に入ってくれる。
しばらくすると出ていくのも含めて、好きな時間だった。

そんなチョビの心を開くきっかけをつかむ日が来た。

母の買ってきた『ブラシ』だ。

針金みたいな細いブラシでブラッシングをすると、
ゴロゴロのどを鳴らして、ゴロゴロ転げて、
もっとやれ!!と要求してくる。
家の前のアスファルトでのブラッシング、
今考えると贅沢な時間だったな。

このころから一緒に寝てくれるようになったり、
布団の上にやってくるようになった。

嬉しかったな。

今日はここまで、


サポートっていい言葉ですね。 頂けるのであれば素直に感謝して頂きたいと思います。 食べ盛りのお子様たちがますます大きくなるためのサポートとさせていただきます。