漁港に飛び込もう思ってたのにいつの間にか風俗に飛び込んでた話part1
「あ、そうだ!今から漁港に飛び込んだろ!」
その場限りのひょんな思いつきで電車に飛び乗ったものの、途中でやる気が出なくなっていつの間にか限界旅行に切り替わった日の記録です。
いざ三陸沖にドボン!
ああ、なんだかウーバーイーツの配達うまくいかないな……
今日は注文が全然鳴らない。稼げなすぎて落ち込む。
しかも配達スピードがのろのろのまま一向に改善できてない。
今日は赤字になるのかな。
社会生活というものはどうも難しい。
ウーバーに限らずいつも赤字ばかりの人生。
収入を得ることはなんともつらい。
もう金を稼ぐのなんか嫌だ。
マジで注文来ない。死にたい。もう嫌だ。
今日ネカフェで金使いすぎたのに全然稼げないから死にたい。
私には社会生活なんて向いてないんだ……
でも……!
なんか逆にテンション上がってきた!(躁)
今ならどこにでも飛び込めそうな気がする!
思い出の町の海で息絶えるって楽しそう!(ウルトラ躁ル)
というクッソしょうもない動機で買った切符。盛岡発石巻行き。
そして、お金がないから適当にカードで買ったきっぷの金額をまじまじと見る私。
……隣県に出るだけで3000円超えとか東北広スギィ!
さすが四国並みの大きさのクソデカ県。(岩手県)
後でわかったけど、これは新宿-那須塩原、大阪-名古屋までと同じくらいの距離っぽい。
ちなみに、クレカで買ったこの切符が後に自分の首を絞めるとはつゆ知らずに電車に飛び乗るのだった……
いざ乗車
どうせ死ぬんだし♪とノリノリになりながら残り少ない現金でレッドブルを買って、ちびちび飲みながら列車が来るのを待つ。
私は三陸沖の亡霊になるんだ……
毎年海の底から海水浴客の足を引っ張って脅かしてやるんだい……
とかいうしょうもない妄想を繰り広げながら勇み足で列車の開閉ボタンを押す。
今から人生を終わらせるんじゃい♪
へっへーん♪
お母さん今までありがとう!死ぬ前になにも残してやれなくてほんとごめんなさい!!!
死ぬ予定を立てたことでウッキウキになっていた私。
が。
よく乗ってる列車。見慣れた風景。聞き慣れたアナウンス。
突然湧き上がった"非日常的な勇み足"をひねり潰すには十分な"いつもの日常"が私に襲ってきた。
これは想定外だった。
なんだか徐々にいつもの自分に引き戻されてる気がする……
せっかく乗り気だったのに冷めてきちゃった。
一気にテンションダダ下がりしてしまっていつも通り最寄り駅で降りたくなった。
でも切符買っちゃったしなー。
ここで降りたらもったいない気がする。
なら、せっかくだから行き先を仙台に変えて一稼ぎするっきゃない!
早く赤字を穴埋めしないといろんな支払いを滞納しちゃう!
乗り継ぎ駅in一ノ関駅
ここは1日1往復ポケモンのラッピング車両が走っている駅。
駅に着くとピカチュウのかわいい置物があって、ダダ下がりのテンションがほんのり回復した。
死ぬ前にポケモントレイン乗ってみたかったな。
車内がすっごい可愛いんだよな〜
とか思いつつみどりの窓口に行ってみる。
「すみません、この切符って行き先は変えられますか?」
鉄道オタじゃないから切符については疎いけど、とにかくお金がないから、可能ならば新しい切符を買わずに移動したい。
窓口で駅員に相談することにしてみた。
「既に乗車された切符は払い戻しできませんので、そのまま仙台駅に行って窓口で運賃の差額をお支払いください」
よっしゃー!なんかよく知らんけど切符を買う手間を省けたぞ!
いざ仙台駅へ
とりあえず稼がなきゃ……ウバック持ったまま来ちゃったしレンタサイクル探してバリバリ配達しなきゃ……
という焦りと共に改札に向かう。
「すみません、この切符の精算をお願いします」
「わかりました。○○円(確か700円くらい)になります」
意外とそんなに高くつかなかったな……。よかった。
「じゃあカードでお願いします」
「こちらはカード支払いは対応できかねます」
えっえっえっ、現金なんてほとんど持ってない……
「Suicaなら使えますか?」
「申し訳ありませんが現金のみとなっております」
オワタ……
お金足りるかわかんない……
絶望しながら財布を見たら900円だけ入っていた。
もし盛岡駅にいた時に追加で水ゼリーでも買っていたら、私は支払能力がない無賃乗車犯になるところだった。
この時だけは本気で神に感謝した。
そうして私は所持金が残り100円になった。
いざ赤字補填
ウーバーイーツの報酬が入金されるのは、私が使っている銀行だと毎週火曜日。
一時的にクレカで宿泊代とレンタサイクル店を支払うとはいえ、たった100円の現金で入金日まで耐えられるだろうか。
もしかしたらまた現金が必要になったらまずい。
いや、確実に現金はいる。滞在中にコインランドリーとコインロッカーが必要になるのは確定だ。
じゃあ日払いのバイトしか……
弾丸山形ツアー
私は仕事を探すため、急いでツイッッターで風俗のスカウトマンを探した。
いきなり即日働けて日払いの仕事と言えば風俗かホストくらいしか心当たりがない。
さっそく東北専門のスカウトを探してLINEを送る。
「いきなりの連絡すみません。今日から働ける店はありますか?こちら低スペですので安くてもどんな店でも気にしません」
もうどんなに安い給料でもいい。とりあえず赤字さえ埋められたらそれでいい。
風俗業界なら、どんなに激安のお店でも数日稼げば数万円は手に入るはずだ。
そうしてスカウトと打ち合わせの電話を進めることに。
「今日からですね。うーん、まあ大丈夫です!
山形県の店舗になりますので今から来てください!
到着時刻決まったらまた連絡ください」
「え?服と化粧品持ってなくて着のみ着のまま来たんですか!?
じゃあコスメを買ってきてから電車でメイクしてください。
服は明日の出勤前に車でしまむらに送りますのでそこで買いましょう。」
この時はもう夕方。
私は今すぐ稼ぎたいという欲望で、強引にスカウトを夜中と次の日の昼に連続で働かせることになってしまった。
突然押しかけちゃってごめんなさい……
頑張って稼いでスカウトバック(マージン)入れるから許して……
そうして、私は死にきれずに東北3県を横断し、いきなり出稼ぎ嬢になったのだった。
続編に続く
(長くなったからここで切り上げます。
続きはそのうち執筆します。明日から本気出す)
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