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12月25日出勤 #1

クリスマス当日の出勤。

バイト先にはいつも自転車で通勤しているのだが、途中で手を繋いで歩くカップルを何組見かけた事か。

先月彼女と別れたばかりの僕には刺激が強く、カップルの間を自転車で突破してやろうかと考えながらも、ぶつからないように静かに減速しながら避けて通ってきた。


今日のシフトには大学生が見事に一人もおらず、主婦さんとフリーターのみで、落ち着いた店内だった。

僕が働いているカフェはどちらかというと中高年から高齢者のお客様が多いのだが、当日は輪をかけて若いお客様が少なかった。

出勤して早々、主婦の社員さんとフリーターの女性が話し込んでいる様子で、溜まりに溜まった洗い物に辟易しながらも笑顔で挨拶を交わして出勤。


「なぜ洗い物があるのに、それを差し置いて談笑しているのか?」

「なぜテーブルが散らかっているのに、それを先に片付けないのか?」


いい年の大人になっても、子供のように「なぜ?」が止まらないのは今日がクリスマスだからだろうか(?)

クリスマスくらいは穏やかな気持ちで過ごしたいのに。

出勤する直前まで、ネクタイを締めながらマライア・キャリーの"All I Want for Christmas Is You"を聴いて小躍りを決めていたのに、、、

出勤したらそこは戦場のメリークリスマスでした(?)


くだらない話はさておき、さっきもお話しした通り、弊店のお客様は高齢者の方が多い。

高齢者の皆様からすれば、クリスマスなんて若者がはしゃぐイベントという認識なんだろう。

いつも通りのお客様の顔ぶれに、普段と変わらないオーダー。

クリスマス感がほとんど感じられない店内。

店内で流れるBGMもいつものクラシックミュージック。

今日くらいはクリスマス仕様にしてもいいのに。

キッチンの近くに座られていた常連のおばあ様方はクリスマスの話はほどほどに、習い事の先生の話に夢中だった。

そりゃそうだよな。

70回とか80回もクリスマスを経験したら、年々特別感は薄れていくよな。

なんて考えながら、黙々と仕事を進めていた。


働いている間は仕事そっちのけで、クリスマスについてあれこれ考えていた。

クリスマスというか12月26日について色々考えていた。

24、25日と特別な日が続いた後の26日。

僕が26日だったらきっとプレッシャーに耐えられないだろうなぁ、とか考えながら妄想にふけていた。


24日「自分、もう年末始めっちゃっていいっすか!?
   毎年俺が口火切らせてもらってるんで、今年も派手にいきますわ!」

25日「おいおい、お前はあくまでも俺の引き立て役だからなw
   今年の24日が日曜日だからってあんまり調子に乗るなよ?w」

24日「分かってますって、25日の兄貴w
   ちゃんと俺が盛り上げるんで、今年もいい感じに年末に繋いじゃって
   下さい!👍」

25日「おうよ!
   今年も俺ら二人で年末を盛り上げていこうぜ!!
   あ、26日、、お前も、なぁ、、頑張ろうな!」

26日「は、はい、、、!」


なんて会話が繰り広げられていると考えると、26日くんが不憫でならない。

実際、26日から28日あたりのツナギ感はすごい。

特に26日。

お前は明らかに年末の中で最弱だ。

25日が強すぎる分、お前のがっかり感が凄まじいのだ。

年末の盛り上がりを折れ線グラフで表すなら、お前のせいで確実にローマ字のNみたいな形になると思う。


だがそこで諦めるな。


逆に最弱というのを売りにして自虐ネタにしていけばお前はいつか日の目を見るだろう。

間違っても自分が年末一味だからって威張るなよ。

12月26日「まあ、2月9日とか10月12日とかと比べると、俺の方が強いしw
     こう見えて一応年末なんでw」

なんていった日にはお前は終わりだ。

お前は365日の中で最も謙虚さが求められる日だ。

今後も最弱であるという意識をもって過ごしてほしいものだ。


あれ、、、

なんの話でしたっけ、、、


まあ、とりあえずメリークリスマス

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