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【ASIBA 1期生のその後を追う ②】

ひみつのおちば ―秘密の"落ち"場― 中山亘

昨年11/25に清水建設のNOVAREにて行われたカンファレンスイベントから約二か月が経ちました。登壇した各チームは、その後もプロジェクトに対する熱意を失うことなく、ASIBAを出発点として様々な活動や社会実装を行っています。全てのプログラムを終えたASIBA第1期生が今どのような道を歩んでいるのか、彼らのその後を調査しました。

カンファレンスイベントの様子はこちらから


東京大学大学院新領域創成科学研究科社会文化環境学専攻 M1の中山亘は、「纏う寄席」と題して、落語空間デザインの実現に取り組みました。落語の演目から舞台空間や出囃子をデザインし、噺の世界観に没入してしまうようなアーティステックな落語を目指しています。
落語を成立させる最小限の建築的要素だけを残した自由な「現代寄席」は、令和の落語ブームの到来を予感させる魅力的な提案として高く評価され、最終ピッチで見事、日建設計賞を獲得しました。

最終カンファレンスの様子
日建設計賞獲得の様子

イベント終了後も、中山のプロジェクトは「ひみつのおちば-秘密の"落ち"場-」としてさらなる発展を遂げつつあります。カンファレンス終了後には興味をもった学生から沢山の連絡があり、現在は十数人の仲間と共にプロジェクトを進行しているといいます。さらに、新たな試みとして、点群データやプロジェクションマッピングといったデジタル技術との融合を掲げています。
落語の表現においては、鮮明過ぎるイメージは演目に対する想像力を奪ってしまうこともあります。むしろ、解像度を下げたぼんやりとしたイメージこそが、想像力を掻き立て、没入への契機となりうるのです。そうした「抽象化された芸術」ともいえる落語の演出に、最新のデジタル技術が活用できるかもしれないといいます。

点群プロジェクションによる表現

初の公演実施に向けて、落語家の人を交えた企画設計や、ロゴデザインの考案など準備を進めている中山にとって、目下の課題は「場所の選定」にあるといいます。それでも、大掛かりな舞台装置を使わずにゲリラ的に演目を実施できる「現代寄席」の良さを活かして、都市のちょっとした空地や、企業が持て余している場所などを積極的に活用することで、今年の夏までに初回の公演を実現したいと語りました。(文:宮田龍弥)

ひみつのおちば  のロゴデザイン


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Twitter : @watamayo_archi
Instagram : @watamayo_archi

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